Vol.85 日本の保有金から様々なことが・・・・・
Vol.85 20214.27 以前にも記しました日本の金保有についてかなり明らかになりましたね! 日本は約81トンの金が増えて、保有量は846トンへ。 1971年ニクソンショック以来の大増量です!?苦笑 この大増量でも保有ランキングは変わらず、スイスの次、第9位です。 しかしこの81トン、Vol.83で記しましたハンガリーの3倍増でも64トンですから・・・・・・国際的にはトンデモない増量です!? 自分としてはセミナーでも、毎回確認する資料でも、『いつも同じ数字の日本』という感覚が無くなり、またセミナーなどでもその発言が使えなくなることが逆に新鮮だったりします!?爆 安全保障のためなのか、それとも戦後の密約なのか?分かりませんが、早く日本もコレを期にドルだけに固執する国から脱してほしいですね。 今回の日本の保有金の増量は、IMFに報告義務の無い一般会計上に記載されていた『材料』の金を、外為特会(外国為替資金特別会計)が『時価』で買取り、外貨準備に保有するというモノです。 材料として『簿価』で持っていた造幣局(政府)は、その差額を政府予算に組み込むということです。 年末から日銀が外為特会からドルを買ったり、政府が新たな大学ファンドを提案したり、12月中旬の段階で3月末までのいずれかの日で、などの発言は・・・・・・・そういうことだったのですね!?苦笑 コレによる金市場への影響は、当時、非常に限られるとされていましたが・・・・・・・今のところ金価格には直接大きな影響は無かったように見えます。 が、先進国(と自画自賛している!?) の日本の中央銀行が金の保有を増やした事実は、後にジワリと市場にインパクトを与えるモノと思います。 ご参考になりますか・・・・・・!? 中東の産油大国・サウジアラビア。 様々な文献で調べてみても、サウジアラビアがIMFへ報告している金保有量は、非常に微々たるモノです。 初めは加盟していないのかと思うくらい、探すのに苦労するほどの下位にいます!?苦笑 このサウジアラビアも巨額の公的金を保有しています! サウジでは、政府系ファンド“サウジアラビア投資庁”が保有しています。 コレによって外貨準備から外し、IMFへは未報告になっているのです。 もう既に昔話のようですが、2010年代半までこの“サウジアラビア投資庁”は、リーマンショック後に職を失くしたアメリカのファンドマネージャーやトレーダーを、高額な報酬にて短期、大量リクルートした時期があったようです。 実際に日本に戻られ、実体験から素晴らしい本を書かれた方もいます! 時は原油高に沸く、オイルマネーが世界を席巻していた時期です。 政府からの高額な“報酬”で、思いっきり利ざやを稼ぐトレードが推奨されていました!? その当時は金に限らず、あらゆる相場で暴落・急騰が表れると、必ずといっていいほど“オイルマネー投資庁”と噂に上がっていたものです。 その“サウジアラビア投資庁”が保有する金は、国の“モノ”としての外貨準備ではないということは・・・・・・実は今回の外為特会の件=日本の保有金が増えることで・・・・・・・恥ずかしながら、初めて知りました!?苦笑 中東では“金利”という概念を持ってはいけないという風習、文化があります。 お金を貸して利益を稼ぐという発想、この考えは、ムスリムの世界ではご法度です。 最初はそのような背景から、サウジアラビアという“国”が外貨準備で金を保有していないと考えていたのですが・・・・・・なんとなくではなく、少し考えれば全く意味が違うということが分かりますよね!?苦笑 チョッと恥ずかしい、と1人反省です!?
Vol.84 G.W. 前の嵐の要素は?・・・・・・・
Vol.84 2021.4.26. 4月後半~5月にかけて、日本のG.W.は波乱が多いものです!? まず先週(4月後半)までの状況を整理しましょう。 年明けから金の輸入量が増え、3月に160トンの金を輸入したインド。 この4月はコロナ感染が爆発的に増加し、首都・デリー、商都・ムンバイが外出制限となりロックダウンも視野に入っています!? 今春の婚礼シーズンへの影響が懸念されます。 更にインド・ルピーレートもドルレートで3%超えの上下幅を生み、インド国内での金小売価格にも影響が出るものと思われます。 一方中国は金の現物需要が旺盛なようです。 中国国内の金小売価格は、ロンドン国際価格に対して$10以上のプレミアムが上乗せされているようです!?驚 中国人民銀行の金輸入も積極的で、人民銀行の金準備ではなく国内への金の取り込みとも考えられる現状です。 他方ヨーロッパでは、金・銀地金・金貨の需要増が見られます。 年初から続いた金ETFの解約=売却が下火になりつつあることを見ても、金現物への需要が復活しつつあるように感じます。 そして経済でもコロナでも大国・アメリカ。 週末に報道官より『増税案』に関する発言で、なにやら暗雲?が出てきた金融界。 まだ憶測の段階とはいえ、誰もが以前より分かっていたこと。 コレは1.9兆ドルの『アメリカン・レスキュウ・プラン』、2.3兆ドル規模の『アメリカン・ジョブズ・プラン』、新たな『アメリカン・ファミリー・プラン』など、これらの財源を企業や富裕層への増税で一部賄う、というモノ。 大統領就任時から富裕層への『増税』を謳っていましたが、コロナ禍での発令は市場ではサプライズとして受止められたようです。 一時的ではあったにせよ、戸惑いが数字として現れました!? コレも決して『アルケゴス』問題と無関係には思えません。 上記内容は4月28日の発表を予定されているようで、内容によっては日本では29日の祝日のため、週末の30日に影響が出てくるものと思われます。 そしてその余波というか、その後の動き等、日本のゴールデンウィーク中に現れるものと思います。 日本では週が明けて週末の欧米市場を眺めると、それなりに動きはあったようですが、今のところ心配されるほどの動きにはなっていないと思われます。 今後の動き、情勢などには注意が必要です! 日本は都市部の緊急事態宣言やゴールデンウィークの大型連休ですが、世界の情勢は刻々と動いています。 毎年思うことですが、季節の良いこの時期の大型連休は決して悪いことではないと思っています。 世界中がサマーヴァケイションの時期は、皆が『止まっている』のでまだ孤立感は無いのです。 ですが一部の日本の人達にとって、この日本の『大型連休=ゴールデンウィーク』は意外と思われるかも知れませんが、落ち着いて休んでいられないというのも事実です!?苦笑 自分自身も何年かに一度は、G.W.後のトンデモ無い状態を経験しています!?涙 今回起こっている世界中の出来事が、日本のG.W.中に大きな流れを変えていく・・・・・・そんなことにならないように願いつつ、今後の動向を見守りたいと思います。
Vol.83 中央銀行の金保有にも変化が・・・・・
Vol.83 2021.4.23. 先日日本の造幣局内の金を、一般会計から国家=日銀、外為特会移行する・・・・・日本の保有金の量が増えるかもしれない、という内容を記しました。(Vol.77 参照) その後の正式な発表というか報道は無いので・・・・・・!? 昨年から今年に入り、各国の“台所事情”が様々なカタチになって現れています。 というよりも、昨年のコロナの影響から、各国の財政政策は大きな岐路に立たされているということだと思います。 今回は世界の中央銀行が保有する“金“にスポットを当ててみます。 ここ10年間で、全世界の中央銀行は売り買いを繰り返しながら保有金を増やしてきました。 その代表がロシア。 ほぼ毎年毎月金を買い続け、現在は世界でも有数の金保有国(世界6位)なりました。 その保有量は、なんと2,295トン以上! それが昨年4月、ロシア中央銀行は金の購入を停止すると宣言。 それ以降IMF公表・ロシアの保有金量の増減は止まっています。 元々ロシアは産油国です。 原油価格が高騰していた間に、粛々?と金を買い始めていました。 過去にロシア通貨=ルーブルは破綻していますから、コレは賢い選択に思えます。 しかしここ数年間のロシアの金購入は、また意味が異なるようです。(初めから?かも知れません!?) ロシアは金を購入する為に、保有していた米ドルを売却しています。 そうです!米ドルの比率を下げて保有する金の比率を高めているのです。 一方、最近の中国も同じように動いています。 以前は世界一の米国債保有国であり、オバマ元大統領の最初の訪問国でもあったほどでした。 それが現在では米ドルの比率を下げ、金を購入・・・・・・気付けば、日本が世界一の米国債保有国になってしまいました!?苦笑 ロシア、中国とも、米ドル比率を下げて、金・ゴールドやお互いの国の通貨を増やしているようです。 ちなみに世界の金保有国ランキングでは、ロシア6位、中国7位です。 また今、新興国や東ヨーロッパの国が保有量を増やしています! コレにはロシアや中国とは若干異なる理由が見えます。 経済基盤を再建する目的とも言われますが、地政学的な要素も十分含んでいるようです。 そして今年に入り、いきなり代表的!?金購入国になったハンガリー。 外貨準備残高に占める保有金量は、31.5トンから3倍増の94.5トン!(2021.4.IMF)。 2019年末には増えていませんから、今年の1~3月期に購入のようです。 実はハンガリー、2009年にも3.1トンから31.5トンへ10倍に増やした経緯があります。 また2018年にはポーランドが100トンもの金を購入しました。 ポーランド中央銀行関係者の話では、また同じくらいの量を増やす予定、ということです。 東欧諸国の金保有量の増加は、ここ数年の国際情勢が影響しているように見えます。 上記の国々を世界地図の上で確認すれば・・・・・・・近隣大国への脅威、危機感の現れ、とも見えるのは自分だけでしょうか?? それ以外にも、ここ数年は“新興国”の購入が増えています。 ウクライナ、ウズベキスタン、カザフスタン、そしてトルコ・・・・これらの国々にしても、東欧諸国と同じ状況も考えられます。 コロナ前の2019年を一例にすると・・・・・・ トルコ およそ159トン・ ロシア 〃 158トン・ 中国 〃 96トン 2020年はコロナ禍の財政難から年後半にかけて、各国の金売却が目立つ一年でした。 その結果、世界の中央銀行の金の売却量が購入量を上回りました。 2020年 金購入量 < 金売却量…
Vol.82 日米首脳会議と国債利回りと・・・・・
Vol.82 2021.4.20. 今日も早速金価格の動きについて・・・・・・ 昨日までの上昇基調から一転、下げました!?苦笑 アメリカの長期金利の指標となる、10年国債利回りが1.6%を超えてきました。(昨日1.58%) しかし外国為替市場では、相変わらずドル安ユーロ高。 コレが、金価格が下げ切らない理由のようです。 国債の利回りが上昇するということは、売り買い交錯の中“売り”が多いということ。 ドル安が進まないということは、既に国債を持っている方々が売っている・・・・・・昨日まで俗に言うファンドの“ショートカバー”=買戻し=が、本日“売り”に走っている、そんな状態ですね。 実物資源の“金”とは関係なく、“空中“(=机上)で売り買いが行われて価格が形成されている、ということになります。 実際に金・ETFは年初から減少続けた中、昨日の金・ETF最大銘柄スパイダーゴールドシェアの残高は、先週から2トン以上増えています! しかしNY金市場の終値は$1,770台。 $10ほど下げたことになります。 結局ETF等にて金は買われても、“空中”戦ではそれ以上に売られている、ということですね!?苦笑 さて巷では日米首脳会談が滞りなく行われ、国名を明記して非難!?・・・・・・などと紙上を賑わせているようです。 ココで頭を整理しましょう! お金が動くことで、相場の価格は変動します。 株価や金価格は、買われることで値(金額)が上がっていきます。 それでは債券市場、ココでは国債市場として考えて下さい。 アメリカ国債で考えてみます。 国債市場では、利回りですから、お金が集まると利率が下がり、お金が流出すると利率が上がります。 以前の“ギリシャ危機“時には、ギリシャ国債は一時20%を超えました!? それだけお金が流出したのです! ギリシャに何年間かお金を預けて得られる利息が20%。 上手い話のように見えますが、ギリシャが経済破綻した場合は“紙くず”になります。 逆に世界最大の経済大国・アメリカならどうでしょう? ギリシャよりも安心できますね?・・・・・・だから世界中から買う人がいて、コロナ禍の昨年の利回りは1%未満!? そう考えると日本も1%未満ですね!?爆 チョッと違うような気もしますが・・・・・・・ その様なことをアタマに入れてアメリカの国債利回り(特に10年国債利回り)を眺めると・・・・・・・3月末から利率は上がり、4月に上がりきらない、むしろ下がっているようにも見えます。 売り買いが交錯する中、3月末にかけて売られた量が多く、4月になって買われた量が多い、ということです。 そして日米首脳会談。 バイデン大統領が就任し最初選んだ海外来賓は、日本の首相になりました。 自分の思考からすれば“当たり前”なことです。 世界で一番アメリカ国債を買っている国ですから。 鼻で笑う方もいるでしょうが、コレが外交だと思っています。 以前オバマ元大統領が、最初の海外訪問地を中国にしたことで、日本の議員や報道関係の一部が問題視していましたね!? 思わず“鼻で笑って”しまいました。 当時は中国が世界一の米国債購入国だったのです! 今後はその様なことをアタマの隅に入れて世界情勢を眺めて下さい。 話が大きくズレましたが、ココでは、日本が米国債の最大購入国、では終れません。 それでは一体誰が買っているのですか??? なななななんと、日本の生命保険会社や投資家、GPIF=年金積立金管理運用独立行政法人=です! そうなんです!日本の企業や投資家、行政法人が買っていたのです。 そういえばネットの投資関連勧誘でも、アメリカの国債で安心運用!?など、見たことがあります。 それらをアタマの隅において考えると、日本の企業であれば3月末には決算を控える会社は多いですね。 利益を確定させたい企業、投資家は通常の時期よりも多いハズです! 結果米国債の“売り”が膨らみ利回りが上昇したとも考えられます。 逆に4月は日本企業が一斉!?に、また米国債を買戻して利回りが下がっている、上がりきらない、という状況が考えられます。 理にかなっている考えだと思いませんか? 米国債の利回りの上下動で、金価格が影響を受けているとは、ここ数日ずっと記していました。 これら米国債の動きで、金市場も激しい?“空中”戦の影響をしっかり受けています。…
Vol.81 金を取り巻く環境の変化に、相場の格言!?・・・・
Vol.81 2021.4.19. 今日はいきなり有名な相場の格言を・・・・・・ (強気)相場とは “悲観”の中で生まれ ↓ “懐疑”の中で育ち ↓ “楽観”の中で成熟し ↓ “陶酔”の中に消える 相場の格言を念頭において環境を観察する・・・・・・そんな気にさせる今日この頃の金価格の推移です。 先週一週間で2%超の上昇! とは言え、ちょうど昨年の12月18日の水準になった(戻った)ということです。 およそ4ヶ月を経て、調整局面の終盤にきたという方、底値圏から次のステージに向かう局面かという方・・・・・人それぞれの思惑が交錯する、その様な時期にさしかかったようです。 先週末に発表された世界最大の経済大国・アメリカの経済指標は、様々な点で良好・好調な数値発表の連続であり、株価も最高値更新など俗にいう“リスクオン”の市況だったと思います。 また金融機関、特に大手銀行等の決算発表も総じて良好であり、アルケゴス関連の報告等、私自身からすれば“好況”の状態に見えました。 その様な状況での金価格の動きは・・・・・ソロソロ次のステージを目指しそうな、そんな動きですね。 金を取り巻く環境はかなり変化してきています。 昨年のコロナ禍では、一年の前半から金ETF残高が劇的に増加し、逆に各国の金輸入量は軒並み減少しました。 中盤~後半にかけては、輸入よりも中央銀行が金を売却する国の話題も持ち上がったほどです。 今年は、というより昨年末より金ETF残高は減少しています。 根強い動きではありますが、確実に減少しています。 またインドでのコロナ感染者は毎日桁違いな数字が発表されていますが、2,3月とコロナ禍以前並みの金輸入が戻ったとされます。 インドのこれからの婚礼シーズン、コロナ禍であっても一気に“買い”が減少するとは考え辛いと見ています。 アジアではインドだけに限らず、中東でも金価格のプレミアムがいつの間にか話題から消え、1~3月期の国内GDPが前年同期比18.3%増と格段に回復傾向の中国の金“買い”意欲は、昨年とは比べものにもならないモノ、とも見ています。 金を取り巻く環境は明らかにステージが変わりつつあります・・・・懐疑の中で静かに育っているのでしょうか?
Vol.80 金を調べていたら・・・・・デジタル通貨!?
Vol.80 2021.4.12. “デジタル通貨“という言葉、自分ではまだ耳慣れないところがあります。 他人と比べて、やや?アナログかな、と感じることがあったので、たぶんその為だろうと簡単に考えていました。 “デジタル通貨”の定義は良く分かりません。 ただしお札や硬貨のような現金ではないことは分かります。 それでも今の時代コロナ禍では、“キャッシュレス”という言葉も当たり前になりました・・・・・・そう!クレジットカードやスイカなど、これらも“デジタル通貨”の一種と考えればかなり身近なものと思えますね! その延長線と捕らえて良いのか多少の疑問を持ちつつ、国を挙げてこの“デジタル通貨”に取組んでいる現状を覗いて見ます。 国を挙げて“デジタル通貨”というくらいですから、その国の中央銀行が発行していなければなりません。 その国の通貨(お札)はその国の中央銀行のみが発行しています。 反面、小銭という硬貨は政府が発行しているのです。 EU圏での硬貨を比べると・・・・・・国によって絵柄が違いますよね!?苦笑 それでは世界で最初に“デジタル通貨”を発行した国は???? Ans. バハマ 2020年10月21日、バハマ中央銀行が中央銀行デジタル通貨・サンドダラー(サンドドル)を発行しました。 この“サンドダラー”は、バハマの法定通貨・バハマドルのデジタル版となっています。 バハマドルとは1:1で連動し、バハマ国内で利用が可能となっています。 元々700以上の島で国家が構成されている為、島によっては銀行サービスを受けられない多くの島民もいたとか。 デジタル通貨によって、国民の皆にサービスを受けられるようにすることが優先されたようです。 必要に応じて、世界初のデジタル通貨の発行になったということですね! 第2問という訳ではありませんが、2020年にはもう1ヵ国、デジタル通貨を発行した国があります?? Ans. カンボジア 2020年10月28日、カンボジア中央銀行はデジタル通貨・バコンの運用を始めました。 このデジタル通貨には、日本の技術が採用されているのです! カンボジアでは自国通貨・リエルよりも、米・ドル利用が多いという現状があります。 その為デジタル通貨・バコンの利便性を高め、米・ドル依存を軽減することが目的ともされています。 この必要に応じて運用されたバコン、カンボジア通貨・リエルだけでなく、米・ドルにも対応が出来ます。 この他にもECB・デジタルユーロ、日本・デジタル円、中国・デジタル人民元・・・・様々な国で開発が急がれています。 何故か世界の基軸通貨ドルの国・アメリカは慎重です。 このあたりを世界の“思惑”や“通貨“事情と考えると・・・・・“必要”に応じる為、の“必要”の意味もかなり異なりますね!?苦笑 そしてこのバハマ・サンドダラー、カンボジア・バコン、どちらもスマートンフォンアプリからということです。 これからの時代、スマートフォンを使いこなせないと・・・・・・お金も使えなくなる!?爆
Vol.79 金・ゴールドにとって 魅惑?の国 ・・・・ インド
Vol.79 2021.4.5. インドの金輸入量が増えているようです。 2月に91トンー前年同月比103%増 ・・・・ つまり倍以上増えたということに。 更に3月には160トン! 以前は中国と並び、世界の産出量の半分以上の金・ゴールドをこの2国が輸入していました。 そう考えると、さほど不思議なことではないのですが・・・・・コレはコロナだけでなく、各国の諸事情が絡んできます。 昨年はコロナの影響もありましたが、ここ数年インドでは金の輸入関税の上昇から、極端に金の輸入が減少していました。 正規ルートでの入荷が減っていた・・・・金を買う人は多い!? 正規ルートではない輸入!?・・・・・インドは隣国にパキスタン、中国だけでなくタイ、カンボジアなどと陸続きであり、その先にはマレー半島があります。 そうです!シンガポールやマレーシアがあります。 関税優遇国ですね。 途轍も無い距離ですが、それでも十分に見合う・・・・・それがインドにとっての金なのです。 2月の増加は春の婚礼シーズンに向けて動き出したと見られたのですが、3月には更にヒートアップした、本格的に動き出したとも考えられます。 昨年春はコロナで多くに婚礼が自粛、秋のシーズンに期待がもたれましたが目立つようなことは無かった・・・・・というより、殆ど変わらない状況でした。 今年はチョッと様相が異なるようです。 ご存知の方も多い、インドの4~5月は春の婚礼シーズンです。 全人口の1/2は24歳以下ともいわれる国ですから、単純に6億人の若者がいるということに。 そして年間の婚礼数はなんと驚愕の2000万組以上!? ・・・・・ 日本の感覚では到底理解出来ません!? ちなみに中国は一人っ子政策の影響か、同世代の人口は約3億人!? ・・・・ それでもトンデモ無い数字ですね。 ただ私自身、この数字をどちらも信頼、鵜呑みにしていません。 インドにしても中国にしても、貧富の差は日本の比ではなく、全ての子供が戸籍登録されているわけではありません! コレは今をときめく『尾身先生』のSARS中国ワクチン戦略を見ても明らかです!(ワクチン戦略とは私が勝手につけました!?) それでも途轍も無く多くの若者がいます。 話が大きく逸れましたが・・・・・・では若者が多いインド、何故『金・ゴールド』?? インドでは娘が嫁ぐとき、父親をはじめ親族が結婚する娘に金製品や金・ゴールドを持たせる習慣があります。 嫁いだ娘が将来路頭に迷わないように、という意味もあるようです。 しかしソコには日本でも見られるような見栄の張り合いなども残るようで・・・・・・しかしその数が2000万組!? 昨年から世界的に増え続けていた金ETFも、2月に85トンほど減少しました。 更に3月には120トンも減少したようです。 ワクチン普及や米・経済対策などの世界経済の回復期待も高まり、昨年来の金価格の高値圏が多少なりとも下がりました。 そしてEETF等の投資関係は殆ど欧米あり、その投資家たちによって大量のETFを売却したと考えられます。 結果、金価格が下がったところで、それら金ETFの売却量をインド1国が吸収したことに!?・・・・・・・ アメリカの長期金利やFRBなど全く興味や知識も無く、この様に金の現物を欲しがる人たちがいるのも世界の現実なのです。☆ 久しぶりに・・・・こぼれ話を 今から20ほど前、まだ自分が宝飾の仕事で日本とヨーロッパを行き来していた時代のお話です。 香港のメーカー社長に連れられ、インドの宝飾チェーン店の社長を紹介されました。 そのインドの社長、日本の関取並、それ以上に大きな体の社長でした。 紹介されたといっても、我々3人に香港のスタッフ含め、5、6人くらいで飲んで食事をしただけですが・・・・!?苦笑 その最中私のほうから、インドでは婚礼時に金・ゴールドを渡す習慣があるのか尋ねました。 すると外野から、香港(中国)にもあると・・・・・・逆に日本には無いのか?と一斉に逆質問!?汗 日本では“お祝い”として現金を渡す場合が圧倒的に多いと答えると・・・・今度は皆不思議な顔で、それは“寄付”か?と。 この場合の”寄付“とは、彼らからすると明らかに“お恵み”に近い感覚だったと思います。 二人の門出に“お恵み”?・・・・・・お酒の席とはいえ、突然“失礼な人”扱いに!? そこでインドの社長。 インドではある程度成功を収めると、娘の婚礼は親のメンツをかけて、ということも確かにあるようです お金=現金では、娘だけでなく相手やその親族をも馬鹿にしていることになりかねない。 だからこそ、いつでも2人の未来に役立つ金・ゴールドや金製品を送る習慣があるようです。…
Vol.78 いつもの、当たり前の金価格から想うこと・・・・・
Vol.78 いつもの、当たり前の金価格から想うこと・・・・・ Vol.78 2021.3.30. 今日の金価格=国内の金小売価格について、疑問に思ったことを・・・・・ その1≫ 2021年3月30日の金・小売価格は、税込・1グラム当たり¥6,685です。 長ったらしい表現ですよね!?苦笑 ですから世間一般=メディアや金関連の店舗では、『今日の金価格は〇〇〇円です』・・・・コレで終ってしまうのです!? 金に長く携わっていれば何でも無いことですが、一般の方からすれば分かったようで理解しているとはあえないのではないですか? 例えば、『おじいさんから貰った純金のリングはいくらになるのか?』と言う疑問に対しては・・・・・皆さん同じ計算をしてしまうと思います。 残念ながら、この金額からは割り出せません! 私が一般のお客様とお話しする場合、あえてこの“小売価格”の意味についてお話します。 まずゴールドバーそのモノを手に取り、金額のボードを見ながらお話します。 このボードに記載されている『1グラム¥6,685』とは、金・インゴット=ゴールドバーの税込取引価格を意味します。 ですから(ゴールドバーを裏返して)今出来たばかりの刻印の無い状態のゴールドバーは、この金額での取引は出来ません。 たとえどこの有名な会社が製造したとしても、です! なぜならまだ、単なる金の材料ですから! これは1万円札が印刷される前の紙(無地!?) の状態と同じことなのです。 金・インゴット=ゴールドバーは、登録された刻印と決められた内容が刻印されて初めて、本日の価格にて取引が出来る“モノ”になります。 またその取引では、世界中で同じ評価を与えられるものとして、LBMA(=ロンドン・ブリオン・マーケット・アソシエイション)が認めているのです。 コレを『グッド・デリバリー・バー』と呼んでいます。 このグッドデリバリーバーの日本での小売価格が、本日1グラム当たり税込¥6,685ということです。 しかしココで注意してほしいのは『1グラム当たり・・・』ということ。 ¥6,685のお金を持って1gのゴールドバーは、どこへ行っても購入できません! 先ほど『刻印』が無ければ、今日の価格で取引できないと説明しました。 現在の日本では、金の重量価格に『刻印代金』を加算した金額が税込の小売価格になっています。 ですから、今日の1gあたりの小売価格に購入するバーの重量をかけて、最後に『刻印代金』を加算した金額が、本日のインゴット=ゴールドバーの購入金額になるのです。 我々の業界では当たり前のような、この流れと言うか、カラクリ?と言うか・・・・・・コレを当然かのようにサラッと流してしまう店舗の方が多すぎるので、一般の方々を一層混乱させる原因のひとつとなっています。 またこの『刻印代金』を『手数料』などと表現したり、『加工料』と表現したり・・・・・戸惑いますね!?涙 皆さんには是非この考え方、上記の内容をご理解していただきたいと思います。 そしてこの『刻印代金』=『手数料』=『加工料』は、各店舗(各系列会社)によって異なります!? インゴット=ゴールドバーをご購入の際は、店頭でご希望のゴールドバーの『税込の購入代金』を確認してからの購入をお勧めします。 本来どこで買っても同じ価値の金・ゴールドが、同じモノでも1万円くらい価格が異なる場合があります!? その2≫ ココからは上級編かな!?苦笑 日本国内の金・小売価格は、米・NYの金価格影響をモロに受けます。…
Vol.77 トルコの記事から日本を眺める・・・・・
Vol.77 2021.3.29. 先日トルコのエルドアン大統領がトルコ中央銀行総裁を更迭、とありました。 また悪いクセ?か、“金・ゴールド”という“窓”を通してチョッと調べてみたくなりました。 現在の民主主義では、その国の金融経済の中心・中央銀行の独立性を重視しています。 総裁や議長の選任の責任はありますが、その運営までは指示しない・・・・表向きは、ですけど!? 独裁政治では何でもあり・・・・・大統領や総書記?などでしょうか???ヤバッ トルコは民主主義国家、とされていましたが、今回の更迭は今の世相を現すことにならなければよいですが・・・。 “アジアからヨーロッパへの玄関口“とも言われる国、世界大戦前のオスマントルコによって世界中の文化などを取り入れていた国、中世の面影を偲ばせる国・・・・・・・・ 様々な“妄想”に駆られ、調べていくうちに“妄想”から現実が見えてきました。 このアジアからヨーロッパへの要衝の土地は、天然資源にも恵まれた国でもあります。 石炭や原油、天然ガス・・・・またマグネシウムは世界第2位を誇ります。 そして金。 金の産出は年々増えているようで、現在は30~40トン。 宗教上、文化的にも金愛好家の多い国です。 俗に言う、“都市に眠る金・ゴールド”は3500トンを超えるとも言われています。 更にW.G.C.によれば、2020年トルコは公的金準備として134.5トンも購入しています!(世界1位) 更に更に、昨年一年間で通貨防衛の為、1000億ドルもの外貨を売却していたのです! その中心人物アーバル総裁が解任されたのですから、トルコ・リラは暴落し、世界の格付け各社がトルコのランクを落としました! 何故更迭されたのか・・・・・エルドアン大統領の意に反し、利上げを続けていたことが原因と見られています。 任命を受けて5ヶ月間で、政策金利は10.25% ⇒19.00%へ引き上げられました! 世界の流れとは真逆の行動ですね!?苦笑 ここ数年、民主主義国家にもある意味で“突出”した、過去に前例の無いような大統領、指導者が世界を席巻しました。 一時アメリカに代表されましたが、最近は落ち着いたようなイギリス、アジアではフィリピンや今世界を惑わすミャンマー、そしてこのトルコ・・・・社会主義大国や中東を別にすれば、今までの温和で協調的(表向きだけとはいえ)な姿勢は影を潜めていました。 明らかに、あからさまに自国第一主義を謳っています。 また一部とはいえ、圧倒的な支持者がいることも共通しているかもしれません。 今回も独断的な更迭と報じられていますが、果たして・・・・!? この記事の延長で、ある記事を思い出しました! 1月の経済新聞に、第3次補正予算が成立すると・・・・日本の金保有量が増える!?という記事です。 造幣局が記念金貨鋳造のため保管していた“金塊”を、為替介入で得た外貨を運用する財務省の『外国為替資金特別会計(外為特会)』が取得する・・・・・またまた難しい表現ですね!?苦笑 コレは・・・・造幣局の保有金は、過去流通していた金貨が銀行を通じて回収し、新たな金貨鋳造の材料として保管されていた。 この保管されていた金は一般会計に属し、日銀、外為特会とは別物。 すなわち日本という国が、IMFに報告する保有金とは別物ということです! 今回外為特会はこの金塊を“時価”で購入。 “簿価”との差額が造幣局に入り、政府が第3次補正予算に盛り込んだ大学ファンドの財源として活用・・・・ということだそうです。 さて、コレによって日本の保有金は・・・・・現在の765トンから80トン!?増えて、846トンとなります。 1971年以来50年ぶりに増加!? それでは日本の765トンもの金はどこに? ・・・・・・ アメリカのフォートノックスとも言われています!? またこの増加でも、世界の金保有ランキングには変動はありません。※ W.G.C.・・・・ワールドゴールドカウンシル 世界の金業界の市場開発組織 本部・ロンドン※ IMF ・・・・ International Monetary Fund 国際通貨基金 国際金融や為替相場の安定化を目的に設立された国際連合の専門機関
Vol.76 お約束のGreenshillですが、・・・・・・・
Vol.76 2021.3.18. 先日リーマンショック時でも、それ以前にキッカケ?予兆?があったことを記しました。 そして今・・・・・・非常に分かり易かったので、下記の説明図を使用します!?(日経より) 記事には、“売掛債権を土台とするリスク試算の査定の甘さから、自身の資金繰りに窮する・・・・”とありました。 はたして、コレだけで理解できますか? 破綻した英・グリーンシルバンクは図のように、売り手(サプライヤー)が発行する請求書を買取り、代金を支払う・・・・サプライヤーは期日より早く資金を回収できるメリットがある。 買い手(バイヤー)は商品を受取り、代金の支払を繰り延べるメリットがある。 この様に考えると、何か非常にグリーンシルバンクが天使のように?市場の潤滑油!? に見えますね。 しかし破綻したグリーンシルは請求書などの売掛債権を証券化して、市場で販売していました。 そしてその販売した資金が、グリーンシルバンクの運用資金だったのです! またその証券化、ファンド組成などは、運用会社大手・クレディスイスやGAMインベストメンツが行っていました。 そして売掛債権は小分けに証券化、組成されたファンドとして、年金基金や金融機関が投資対象として資金を投じていた、ということです 更にグリーンシルバンクは、買取った債権未回収に備えた保険を、東京海上ホールディングスのオーストラリア子会社にかけていた・・・・・・。 更にさらに、ソフトバンクグループのビジョン・ファンドがグリーンシルバンクに出資していた・・・・・など、日本の経済紙が賑わっていました。 ココまでの内容で、今回のグリーンシルバンクの破綻劇の輪郭が見えてきたと思います。 ウォール街で経験を積んだグリーンシル氏が作り出した新たな?“サプライチェーン・ファイナンス(SCF)”。 実はこのシステム、彼が作ったわけではないのです。 以前からこの様なシステムはあったようですが、このグリーンシル氏、市場から預金などっを集めて資金とし、この様な大きなお金(マネー)を動かし、そのお金(マネー)が動くところに世界中からマネーを集めてくる・・・・・・コレが資本主義世界かもしれませんが!?涙 今回のグリーンシルバンクの破綻がどの様な影響を及ぼすのか、どの程度まで飛び火するのか、今後の動向をしっかりと観察していきたいと思います。 振り返れば2008年3月、米・大手投資銀行ベアースターンズが破綻したとき、さらに!?超大手投資銀行・リーマンブラザーズを名指しで破綻する、と声をあげた人はいたでしょうか? “Too big to fail” (大き過ぎて潰せない)・・・・ 超大手投資銀行・リーマンブラザーズには適用されなかった!?ことも、あの時点では誰も予測できなかったことです。 自分には、過去の金融知識や経験則などはありません。 ただ史実というほど大袈裟ではありませんが!?苦笑、 “金・ゴールド”を通じてその事象を深堀し本質を探る・・・・・・このようなことを知りました。 皆さんにも、少しでもお役に立てれば幸いです。