Vol.92 5月の金価格の上昇に想うこと・・・・
Vol.92 2021.05.26
NY金価格が時間外(日本時間)に$1,900を再突破!
今年1月以来の金額になりました。 日本時間の午後4時でも$1,907・・・・小売価格は税込¥7,300超。
今日は昨日にも増して売却相談が増えています!?苦笑
“もう売ったほうが良いですか?”・・・・・・・そのような時の自分の決まり文句は “貴方の金・ゴールドです。入用であれば現金化してください”と。
そして半数近くの方が更に、“ご家族の相談ならどの様に答えますか?” ・・・・・・・“やめておきなさい”爆
この様なやり取りが、既に数回・・・・・気持ちは分かりますが!?笑
さて現在の金価格の上昇には様々な要因が考えられますが・・・・・・・まず、
1. 米・大型財政政策(アメリカン・ジョブズ・プラン)は当初の2兆2500億ドルから1兆7000億ドルへ減額
2. コレによって米・長期金利の指標となる10年国債利回りが低下
3. 更にワクチン接種が進行し経済回復基調のEU・ユーロ、中国・人民元、カナダ・カナダドルなどに対しドルが弱含み(ドル安)
ドル安になれば、ドル建ての金価格に割安感も生まれますね!
この市況背景をアタマに入れて下さい。
そして金EFTの残高を見ると・・・・・今年の2,3月まで、この2ヶ月間で世界の金ETF残高は190トンも減少していました。
欧米投資家の記録的な?水準での売りが続いていたのです。 ところが4月になると売却量は月間で18トンとペースダウンし、5月には金ETF残高は48トン増とトレンドが逆転しています。
この結果5月だけで、NY金価格は$130を超えて、率にして7.4%の上昇になるようです。
この金額をグラムあたりの日本円に換算すると・・・・・・¥450/g超、税込¥500/g 以上の上昇になります!
本来この価格になると、利益確定の売りや “買われすぎ”感からの売りが出るものです。 ところがアナリストの方々がよく使う200日移動平均線($1,850) を大きく超えましたから、非常に強気になっているファンドも多いようです。 実際に米・商品取引委員会のデータからも、ファンドの買い待ち(ロング)は重量換算で88トン超と増加しています。 2,3月に比べると、明らかにトレンド=傾向が変わってきています。
これらの要因から現在の$1,900/oz 超の価格に至った、と考えられます。
昨年と大きく異なることは、“一気に上昇”して急落した2020年に比べて、今年はジワリと、上下動を繰り返して再高騰しています。
今月の動きは、ちょうど$100違いの4月にも似ています。
$1,750から徐々に上昇、$1,800手前で下落・・・・・・4月にはコレを何度も繰り返していました。 4,5回目繰り返し、5月に入り$1,800を超えると、その日のうちに$1,850近辺へ上昇しました。
そして今、$1,800後半から$1,900手前で下落、$1,870近辺で再上昇・・・・・コレを繰り返し、本日(5/26 JPN)$1,900を抜けました。
米・債券市場の好調らしく、一層金利(利回り)の低下に拍車をかけています。
これらの動きが金価格の下値を固めて、再上昇しているように自分には見受けられますが・・・・・いかがでしょう??
今年もゴールドマンサックスが、年内に$2,000超とのコメントを残しています。
昨年も6月に2020年の金価格を$2,000とし、そのおよそ2ヵ月後には本当に$2,000を超えました!? 一気に上昇というモノでしたね。
そしてバンクオブアメリカは、昨年の6月時点で、向こう18ヶ月間での金価格を$3,000としていました!?苦笑 当時はさすがにソコまではと思いましたが、今年の動きを見ていると・・・・・・満更でもない!?爆
“満更でもない”とは$3,000ということではなく、$2,200を超えることは瞬間的にあるかな、とも感じています。 勿論年後半だと思いますが・・・・・。
それまでに、東京オリンピック開催の有無、インド株コロナ、ワクチンの進展、中東問題、東欧問題、米・FRBのテーパリング議論、更に・・・・・・これらに絡んで経済の回復状況など、上げればキリが無いほど様々な要因が潜んでいます。
この様なことから、先ほどの“入用が無いのなら、やめておきなさい”とは、チョッと上がったからといって慌てて売り急ぐ必要は無い、という理由です。
その様な方々であれば尚更、金価格が更に上がれば愚痴をこぼしますよね!?爆
基本的に金・ゴールドは“貯蓄”の一つです。
目的のために売却する為のものでもあります。
ですから目的無き売却は・・・・・・・あまりお勧めしません。
この様なことを考えさせる、そんな5月も終わりに近づいています!?苦笑