Vol.96 F.I.R.E.という言葉から考える金・・・・・
Vol.96 2021.6.11. FIRE という言葉があるそうです!? Financial Independence, Retire Early ・・・・・ 投資で早期退職?リタイアしましょう!? という意味だそうです。 その説明の中には様々な数値が示されています。 その中から・・・・・・ 日本人の資産総額は・・・・・・・1948兆円!?驚愕 そのうち54% ・・・・・ 1050兆円以上が預貯金!?愕然 株式構成比は15%未満 ・・・・・ 290兆円に満たない!?唖然 この様な数字に目が釘付けになりました!?爆 以前金に限らず、様々な投資、貯蓄!?セミナーに参加していた時期がありました。 各会場でいつも感じていたのは、『こんなに“投資”に時間を費やしている人がいるのか・・・・!?』 でした。 その割には、資産総額に対し15%未満・・・・・!? この様に数字で示されると、あれだけの人達は投資をしようと考えているだけだったのかな??? 結局は銀行などに預けたままの“お金・マネー”が圧倒的に多い・・・・・・ということ。 異論はあると思いますが、この数字を見てしまうと・・・・・正直マズい!?と思うのは自分だけでしょうか? コレだけのマネーが貯められて、流通していないのですから、日本経済が滞留してしまうのも分かるような気がします。 お金・マネーはあることになっている国なのに、実際にそのお金・マネーが “流れていない” 国・・・・・経済だけでなく、社会や精神衛生上にも悪影響を与えそうな状態ですね!? お金・マネーなどは銀行や金融機関、 “大きな貯金箱” に預け続けているうちに、その紙幣価値はどんどん下がってしまいます! 今ではタンス預金とあまり変わらない、そう感じています。 アタマで分かっていても、虎の子の “お金・マネー” をそう簡単にリスクにさらせない・・・・・日本人の大半はそう考えるのでしょう。 この考えに異論はありません。 それではどうする???? そこで先々が心配だから、投資も怖いから・・・・など、結局溜め込んでしまうのであれば、間違いなく目減りしてしまう “マネー“ を溜め込まなくても安心できるモノに換えて置く。 この巨大な金融資産の一部でも社会へ放出して、日本経済が循環して、同時に放出した本人も安心して生活できる社会・・・・・・コレを推進できるモノを提案する。 本人にも、社会にも良い循環のキッカケにもなるモノ・・・・・。 その一つの方法・手段として・・・・・・ “金・ゴールド” を強く勧めしたい!と考えています。…
Vol.94 ベルリンの壁から・・・・・ユーロ誕生!?
Vol.94 2021.5.31. “1989年の出来事から・・・・” 第1弾では米ドルの広がりと共に世の中が豊かになり、その結果金・ゴールドが世界中に浸透していく過程をお話しました。 第2弾では東西ドイツを取り巻く、実際のヨーロッパの“現場”ではどの様に変わっていったか・・・・・様々な変化があった中で、ゴールドではなくマネーにスポットを当てて解説致します。 あくまで第1弾の続き、として記しています。 ご了承下さい。 第2弾 ベルリンの壁崩壊前、東ドイツは社会主義国家(共産主義国家)であり、西ドイツは資本主義国家でした。 当時の西ドイツ・コール首相は東ドイツとの統一を急ぎました。 一説にはアメリカの力も見え隠れしていたとか・・・・。 東ヨーロッパ諸国では民主化が浸透し、次々に資本主義を受入れます。 ソ連から独立する国家も出てくる中、分断されていた元々同じ国家、民族が一つになることに我々は違和感などありません。 むしろ社会主義国家として独立することを、西側は恐れたかも知れません。 それでもこの東西ドイツの統一は、各国が賛同していたわけではありません。 特に2度の大戦の記憶から、ドイツの強大化を一番懸念していた国は隣国・フランス。 西ヨーロッパの中心国として発言力も強い、他ならぬ当時の仏・ミッテラン大統領です。 東西ドイツの統一の為、西ドイツ・コール首相が取ったラスト・リゾートは・・・・・・欧州通貨統合です! そうです!この時、ユーロ案を提案しました。 ドイツの自国通貨・マルクを捨ててまでヨーロッパ諸国に理解を求め、東西ドイツ統一を勝ち取ったコール首相・・・・・・ふと、どこかの大統領(漢字の国!?爆)とは大違いだな、思う次第です!?苦笑 そして出来上がった欧州共通通貨・ユーロ。 ヨーロッパ共同体は大きく変貌しました。 その通貨統合に奔走したフランス・財務次官ジャン・クロード・トルシェ氏は、第2代ECB総裁(EC中央銀行・総裁)に就任しました。 そして同じく奔走した西ドイツ・財務省ホルスト・ケーラー氏は、IMF理事を経て東西ドイツの大統領に就任しました。 1989年11月9日のベルリンの壁の崩壊は、東西世界を人やモノを融合しただけではなく、現在のヨーロッパのあり方さえも方向付けた出来事だったのです。
Vol.93 1989年の出来事から ・・・・・・
Vol.93 2021.5.31 ある資料の整理をしていたところ、2019年にまとめた “1989年の出来事” の資料が出てきました。 実はこの年世界では大きな変化が生まれた、歴史的変革の一年だったのです。 個人としても社内の本業分野から新規異業種部門の設立へ、と大きな転機となる一年でした・・・・ 現在2021年5月末、1989年のこの時期といえば、6月4日の天安門事件を取り上げるべきなのでしょうが・・・・・出てきた資料は、11月9日 “○○○○の壁”!?苦笑 天安門事件では政治色が強く、ゴールドというにはチョッと趣が異なりますので・・・・・・!?汗 以前銀座の店舗で開催していたセミナーは、毎回同じ資料で行っていたわけではありません!?笑 確かに資料作りに疲れたり、ネタ切れに焦ったり・・・・そんなことも多々ありました!?爆 またその時々、巷に溢れる“時事ネタ”・・・・・・『金・ゴールド』だけでなく『お金・マネー』の話題、国際的な時事問題にも触れてきました。 今回の内容は、『金・ゴールドのセミナー』を開催してきた会場店舗が無くなり、どこかスポットで行った資料ですが・・・・・残しておきたい、という想いでご紹介致します! 勿論アナリストの先生や大学の講義ではありませんので、難しい表現等は出来るだけ避け、わかり易くアタマを捻ります!笑 そんなこんなの中で作り出された、2019年11月9日を前にした11月某日の内容です。 まず問題です! 2019年11月9日、この日30周年を迎える世界の重要な出来事とは何でしょう?? Ans. ベルリンの壁の崩壊 30年も経った現在、この事実を覚えていましたか? 更にこのベルリンの壁崩壊が意味することは、一体何だったのでしょう??? 今回は金・ゴールドの視点から、またお金・マネーの視点から『ベルリンの壁崩壊』という世界の分岐点を解説したいと思います。 第1弾 “ベルリンの壁の崩壊” と聞いて、殆どの日本人の方は『東西冷戦の終結』の一言で終りますね。 セミナーでの質問に対しても、もう少し表現を変えて『米ソ冷戦の終結』という方もいました。 その中で驚いたのが・・・・・・・・ソ連を知らない世代!?驚愕 の方もいました!?汗(笑えません!?爆) この1989年という時代背景も重要な意味を持っています。 それでは “ベルリンの壁” は何を分断していたのでしょうか? 東西ドイツ? アメリカとソ連? ・・・・ もっと具体的に言えば、“資本主義世界”と“社会主義世界(共産主義世界)”です。 ソ連だけでなく、東西のドイツという言葉で既に混乱している方もいますが、ここは名前だけでも理解して下さい!?汗 当時、資本主義世界の代表といえばアメリカ合衆国。 そして(西)ヨーロッパ各国、西ドイツ、日本などが挙げられます。 対して社会主義世界といわれた国々の代表的国家は、ソビエト連邦。 そして東ドイツをはじめとする東ヨーロッパ諸国、キューバ、今ほど目立たなかった中国。 あまり知られていないところで、インドも社会主義国家です。 ベルリンの壁の崩壊は、東ヨーロッパ諸国が西側諸国との交流を促しました。 元々陸続きの国々ですから、交流の流れは速く大きく強いモノとなりました。 東ヨーロッパ諸国だけでなく世界へ民主化の波が押し寄せ、資本主義を受け入れ・・・・・・経済が大きく変化したのです。 更に世界中で人とモノが行き来を繰り返し、世界全体が、世界経済が一つになった出来事が・・・・ベルリンの壁の崩壊だったのです。…
Vol.92 5月の金価格の上昇に想うこと・・・・
Vol.92 2021.05.26 NY金価格が時間外(日本時間)に$1,900を再突破! 今年1月以来の金額になりました。 日本時間の午後4時でも$1,907・・・・小売価格は税込¥7,300超。 今日は昨日にも増して売却相談が増えています!?苦笑 “もう売ったほうが良いですか?”・・・・・・・そのような時の自分の決まり文句は “貴方の金・ゴールドです。入用であれば現金化してください”と。 そして半数近くの方が更に、“ご家族の相談ならどの様に答えますか?” ・・・・・・・“やめておきなさい”爆 この様なやり取りが、既に数回・・・・・気持ちは分かりますが!?笑 さて現在の金価格の上昇には様々な要因が考えられますが・・・・・・・まず、 1. 米・大型財政政策(アメリカン・ジョブズ・プラン)は当初の2兆2500億ドルから1兆7000億ドルへ減額 2. コレによって米・長期金利の指標となる10年国債利回りが低下 3. 更にワクチン接種が進行し経済回復基調のEU・ユーロ、中国・人民元、カナダ・カナダドルなどに対しドルが弱含み(ドル安) ドル安になれば、ドル建ての金価格に割安感も生まれますね! この市況背景をアタマに入れて下さい。 そして金EFTの残高を見ると・・・・・今年の2,3月まで、この2ヶ月間で世界の金ETF残高は190トンも減少していました。 欧米投資家の記録的な?水準での売りが続いていたのです。 ところが4月になると売却量は月間で18トンとペースダウンし、5月には金ETF残高は48トン増とトレンドが逆転しています。 この結果5月だけで、NY金価格は$130を超えて、率にして7.4%の上昇になるようです。 この金額をグラムあたりの日本円に換算すると・・・・・・¥450/g超、税込¥500/g 以上の上昇になります! 本来この価格になると、利益確定の売りや “買われすぎ”感からの売りが出るものです。 ところがアナリストの方々がよく使う200日移動平均線($1,850) を大きく超えましたから、非常に強気になっているファンドも多いようです。 実際に米・商品取引委員会のデータからも、ファンドの買い待ち(ロング)は重量換算で88トン超と増加しています。 2,3月に比べると、明らかにトレンド=傾向が変わってきています。 これらの要因から現在の$1,900/oz 超の価格に至った、と考えられます。 昨年と大きく異なることは、“一気に上昇”して急落した2020年に比べて、今年はジワリと、上下動を繰り返して再高騰しています。 今月の動きは、ちょうど$100違いの4月にも似ています。 $1,750から徐々に上昇、$1,800手前で下落・・・・・・4月にはコレを何度も繰り返していました。 4,5回目繰り返し、5月に入り$1,800を超えると、その日のうちに$1,850近辺へ上昇しました。 そして今、$1,800後半から$1,900手前で下落、$1,870近辺で再上昇・・・・・コレを繰り返し、本日(5/26 JPN)$1,900を抜けました。 米・債券市場の好調らしく、一層金利(利回り)の低下に拍車をかけています。 これらの動きが金価格の下値を固めて、再上昇しているように自分には見受けられますが・・・・・いかがでしょう?? 今年もゴールドマンサックスが、年内に$2,000超とのコメントを残しています。 昨年も6月に2020年の金価格を$2,000とし、そのおよそ2ヵ月後には本当に$2,000を超えました!? 一気に上昇というモノでしたね。 そしてバンクオブアメリカは、昨年の6月時点で、向こう18ヶ月間での金価格を$3,000としていました!?苦笑 当時はさすがにソコまではと思いましたが、今年の動きを見ていると・・・・・・満更でもない!?爆 “満更でもない”とは$3,000ということではなく、$2,200を超えることは瞬間的にあるかな、とも感じています。 …
Vol.91 Sell in May の5月ですが・・・・・
Vol.91 2021.5.24. 先日より・・・・正確には5/19から、ビットコイン等、暗号資産(仮想通貨)が暴落しました。 キッカケは、18日付で中国当局(銀行団体といわれる)が、金融機関への仮想通貨関連業務の禁止の通達が出たこと。 コレに対し短期投機企業が、仮想通貨全般に売りを発した為だそうです。 更にこの暴落を受け米株式市場は大荒れ、米株式は全般的に急落しました。 では金・ゴールドは???笑 一時$1,900手前まで上昇後、急落、そして値を戻し、終ってみれば前日終値比でプラスでした。 激しい乱高下の1日でしたね!?苦笑 この“投売り”は週が明けた5/24現在、まだ激しい乱高下が続いています。 この一件で完全ではないですが、あれだけ多くの著名投資家、有名人、特にテスラのマスク氏が推奨していた仮想通貨は、“ヘッジ”の資産、“インフレに備える”資産ではない、ということが鮮明になったと思います。 各国中央銀行が様々な試みを打ち出していますが、この様な状況を見ると、再考が必要であり、新たな対策や検証を求める声も上がりそうです。 とはいえ無くなるとも考えにくい。 “仮想通貨”=“Cryputo currency;クリプトカレンシー”という名前がいけないのかな?とも思ってしまいます!?苦笑 ちなみに“Crypto”とは“暗号”という意味だそうです。 この暗号資産を各国中央銀行が開発、既に活用している国までありますが、一体何故??? 様々な理由があるようですが、1番“重い腰”と感じるのがアメリカ、そして日本かな!? 世界の基軸通貨“ドル”を有するアメリカ、その傘下?の国・日本!?・・・・・・・国際取引に暗号通貨がメインになると、今までの“ドル決済”とは大きく変わりますね!? ドルの発行体に問題が生じれば世界中が混乱を引き起こすことは、ここ数年でハッキリしてきました。 各国が躍起になるのも分かるような気がします。 それでは何故金ではダメなのですか?と思われる方も多いと思います。 私もその1人。 金・ゴールドは“価格が高い”という方もいるかと思いますが・・・・・・・それより大事なことは“有限資源”であることではないかと考えます。 そうです、金・ゴールドは地球上で終わりのある資源なのです。 それが原因などとは考えていませんが、世界中が暗号資産に躍起になるのは、金=有限資源の終わりが想定できるからではないかと考えています。 既に有名になってしまいましたが、現在地球上に存在する金(この場合純金・K24計算)は、およそ20万トン。 よくオリンピックプール4杯分と表現されます。 更に現在確認の出来る金鉱脈は、およそ5万トン強。 もう何年間も、同じ数値が報告されています。 そしてその多くが海底深く眠っているともいわれています。 そしてここ数年は、毎年年間3300トン~3500トンの金が産出されています。 単純計算で地上の金鉱脈はあと10年強で枯渇してしまう計算になります・・・・・・・その為に世界中で、ドルに頼ることなく、金・ドルに変わるものを模索しているのではないか、とも考えられますよね。 それでも並行して、宗教的、文化的思考とは関係なく、国を挙げて金を購入している国家もありますね。 ただし今回のような一件を目の当たりにすると、また現在のコロナ禍において、“発行者がいない”、“誰の債務でもない”、“信用リスなどとは無関係な価値”・・・・・・この様なモノは、今のところ金・ゴールドだけかな? と思わせる出来事でした。 その様な環境下の金・ゴールドは、上昇して$1,900に近づくと下落を繰り返しています。 先週末、NY金価格は若干下げました。 が、週単位で見ても3週連騰、5月に入って$110以上の上昇、率にすると6.5%にものぼるようです。 んんん?? そんな状況がついこの前までありましたね!笑 つい先月までは、$1,700後半から$1,800に近づくと下落・・・・・・1ヶ月間で$100の“ズレ”がありますが、同じ様な動きをしています。 その間の世界の出来事を思い出して見てください。 今回は中国の暗号資産への締め付けがキッカケになっていますが、現在はこの様な不安定な状況になり易い世界であることもまた事実です。 この短期間を振り返って、米株価の大幅な上昇でも金価格は下落していません。 米長期金利の上昇で金価格の上値を抑えられた期間はありましたが、現在はどうでしょう?? 長期金利が1.6~7%で落ち着くと、金価格はインフレヘッジとして再び上昇しています。 暗号資産の下落で、更にリスクヘッジとしての威力を発揮している・・・・・・そう考えるのは、自分だけでしょうか?
Vol.90 マスコミ記事に考える・・・・・・
Vol.90 2021.5.19. 海外の金価格、そして国内金・小売価格が大きく上昇しました。 現在のこの価格帯になってくると、1日に1グラムあたり2~30円の上下動は“誤差の範囲“などと強がる?笑 のですが、税込価格とは言え7~80円の動きにはやはり理由を探したくなります!?苦笑 金価格は3~4月までは海外で$1,700台、国内でも税込¥6,000台後半を長らく彷徨っていましたから、今の“殻”を破ったような上昇は、またマスコミが取り上げるかなと思っていたところ・・・・・・・。 そう考えていた矢先・・・・・・・・特に、別にケチをつけるつもりはありません!?苦笑 某大手公共放送!?の金の記事には、 “金先物取引価格、6,500円超” 注:先物取引価格は税抜きです “昨年11月以来半年ぶり、今年最高値” その理由に、 “新型コロナ感染再拡大による先行き懸念から、安全資産と見られる金を買う動きが強まる・・・・” とありました。 どうでしょう? コレで良いのか?・・・・・・・100%否定をするつもりはありませんし、否定しても記事、記者の考えも何も変わらないでしょう。 ただ読者の方々が記事を鵜呑みにしてしまうと・・・・・・金が上辺だけの“メッキ”のように受止められて!? 自分としては、市場の資金が“安全資産としての金”に集まりやすくなっていること、実際に集まっていることは否定しません。 しかし集まっているといっても、離れていったモノが戻ってきた、という感覚です。 金ETFの残高は1月から大きく減少し、5月に入りやっと増加傾向になったように・・・・。 しかし今の金価格の上昇が“新型コロナ“が理由で、ということには、いくら文字数制限のある記事とはいえ・・・・・・・素直に受入れられない?あまりにも安易かな?などと感じています。 今年の1月上旬、海外(NY)相場は$1,954/g 、国内為替相場は¥102/$ でした。 そして国内税込金小売価格は¥7,125。 海外相場は今よりも$100近く高いのに、国内小売価格はほぼ同じ・・・・・・・理由は為替相場です! 当時の金価格が円高だったからと見れば、今の金価格の上昇は円安の影響が強いことはお分かりいただけますよね!? 1g あたりのドル建て価格に、102円を掛けるのか、109円を掛けるのか・・・・最後の掛け算が国内金価格の“基準”となります。 現在は当時に比べて円安であり、更に海外の金価格がここ最近(1ヶ月近く)で上昇中なのです。 では何故・・・・・? 最近のコメントでも記していますが、特に現在の金価格の動きは、アメリカの債券市場・長期金利=米・10年国債の利回りの影響大、が挙げられます。 現在1.6%台で推移というより、ここ最近は“滞留“しています。 また外国為替市場ではユーロに対しドル安が進行し、ドルで取引される金に割安感が生まれています。 しばらくはこの長期国債・利回りの上昇が、金価格の上値を抑えていました。 そしてその利回りが1.6%台で“滞留”し始めたことで、海外の金相場も上昇し始めたのです。 その間国内価格は円安によって高値でも安定していましたが、海外相場が上昇したことで、再び税込¥7,000台を復活へ・・・・・コレが今の金価格、金の市場状況といえるのではないかと考えています! “買われた”ということであれば、つい最近まで金の現物需要はアジアから中東にかけて“実需の復活”として記事にもなっていました。 現在、インドなど新型コロナの急拡大ですっかり聞かなくなりましたが・・・・・・!? 以前、米S&P500など株式市場での平均利回りが1.4~1.45%と聞いたことがあります。(もしかしたら1.5%!?) 世界一の経済大国の国債を買って、何もせずに1.6%の利回りが受けられるのであれば、皆さんどちらを選びますか?笑 記憶を呼び戻して下さい! 昨年の金価格は、過去に例を見ないほど急激な上昇を続けました。 その一因に、年前半に米・10年国債の利回りが1%を割ってしまったことがありました! 昨年の1%割れは一年を通して続き、今頃は0.7%前後だったと思います。 年後半には0.5%を割り、確か0.39%まで!? それが今1.6%台、一時は1.7%を越えるところまで上昇したのです。 勢いよく1.6%を超えましたが、その勢いが今“滞留”しているのです。 その結果、4月下旬まで金価格は“停滞”していたと言えます。 ところがここに来て、国債利回りは1.7%を超えるどころか1.6%台で上下動を繰り返しています。 自分では、それでも1.6%台をキープ、と見ていますが・・・・・・!? そして今、米・10年国債利回りが1.6%台で“停滞”し始めると、金価格は反転、上昇を始めたと考えています。 コレにはいろいろな要素が絡みます。 アメリカ・バイデン政権の大型財政支援 ⇒ 国民の多数は感染の危険を冒してまで職に就かない…
Vol.89 節目超に自分を振り返り・・・・・・
Vol.89 2021.5.18. 日本の小売価格:¥7,254 / ¥7,145 (税込) プラチナ小売価格:¥4,886 / ¥4,744 (税込) SPDR Gold Share 1,035.93t ⇒ +7.57t (5/17) 米・長期金利の指標となる10年国債利回りの上昇が一服。 とはいえ、1.65%台を推移。 外国為替市場では、ユーロに対しドル安が進行。 5月のニューヨーク州製造業景況指数は前月より低下も、支払・受取どちらの価格も過去最高価格となる。 物価上昇懸念が強まりインフレヘッジ目的か、金は続伸。 時間外の2時間ほどで$20超の上昇も。 節目となる$1,850を勢いよく突破し、日本の取引時間内に入り$1,870を超える。 今年の2月上旬(2/2)以来。 NY金市場終値:$1,867.60 ⇒ +$29.50 Pt :$1,244.50 ⇒ +$21.70 いきなりですが・・・・・・上記は、自分が毎朝記録する当日価格と前日までの市場状況、2021 5/18版です。 朝、日本の金・プラチナの小売価格、買取価格を確認します。 その後、前日までの金・プラチナのNY市場終値と前日比を確認し、金・ETFの最大銘柄:スパイダーゴールドシェアの残高、増減を確認します。 更にNY市場を中心に、市況を簡単にまとめます。 時間の流れというか順番というか、日本市場に1番、そして直接関わるものがNY市場―アメリカの市況だからです。 実はこの作業、もう13年目に入りました!?苦笑 最初は少しでも金の市況を知っておきたいという思いからですが・・・・・・色々読んだだけでは頭に残らない“アナログ”体質の自分には、まとめて書き留める作業が必要と思って始めました。 調べて、まとめて3~4行に書き留める・・・・・この繰り返しを毎日です!?苦笑 重要な経済指標が発表になると、ロイターから日経、アナリストの先生方のコメントまで、思いつく情報は隅々まで自分の頭に叩き込んでいます 笑 そして今までの状況をもう一度整理します。 毎日欠かさず、イベント中で朝から動いているときは夜中に・・・・・・・初めは自分に対し義務付けていたように記憶していますが、今では毎日のルーティンとなってしまいました!? ソコには何故か、ノートに空白を作れない自分がいるのです!?爆 今尚、過去のノートを見ながら検証しています・・・・・・ボロボロになってもこのノートは、自分にとって宝物になってしまいましたね!笑 この習慣は、おそらく先代・社長の影響かも知れません。 金の価格が急変したり、ご自身の考えとは異なる動きをしたりすると、時間に関係なく連絡が入ります。 何があったのか、何が原因と考えられるか・・・・・・質問攻めです!?爆 自信の無い、根拠の薄い説明では、全く納得などしません!?爆 その様な内容でその場を凌ごうなど、火に油を注ぐようなものです!?爆 おそらく最初は、自分なりに理論武装!?しようとしていたのですね!?苦笑 そのおかげかどうか分かりませんが、自分にとって、簡単な金の市況とはいえ13年分の記録が出来ました。 皆さんには“聞き飽きた”と思われますが、『金価格が上がるにも下がるにもそれ相応の理由がある』・・・・ コレは今まで自分が感じてきたことですし、繰り返しお話もしてきました。 お客様とよく話す内容で、“株が下がったから金が上がる”とか、その逆をお話しする方がいます。 完全に間違いとは言いませんが、価格が変動するのはその程度の理由ではないと思っています。 株と金が一緒に上がることも下がることもある・・・・・既にご存知ですよね。…
Vol.88 雇用統計から何故かイベント回顧!?
Vol.88 2021.5.10. 週明けの金価格は大きく上昇しました。 日本の金・小売価格も先週末に税込¥7,000台に乗せ、本日更に税込¥7,000台後半へと上乗せした。 といっても、先週半ばから上昇基調で週末の米・労働省発表の雇用統計を迎えました。 理由は・・・・・簡潔に言えば、 ・市場予想を大きく下回る米・雇用統計結果 ・米・長期金利(10年国債利回り)の低下 ・ユーロに対しドル安の進行 と、素っ気無く記載も出来ます!?苦笑 勿論もう少し専門的に比較や数値も使います。 比較的好調な結果を続けていた米・経済指標。 米・FRBが何度も言及する雇用や労働条件等の数値に注目していたところ・・・・・市場予想を大きく下回り、失業率も悪化、失業者数はコロナ以前の2倍近く980万人! これらを背景に、指標となる米10年国債利回りの低下、ユーロ、ポンドに対するドル安の進行も追い討ちとなり、金市場に資金が流れたことによる金価格の上昇となりました。 今回の金の上昇とは、NY金市場の終値ベースで2/11以来の高値。 また週間ベースで見ると、$63.60(3.6%)の上昇。 更にその2/11の高値とは・・・・・アメリカではコロナワクチンの普及やそれによる経済の正常化期待などを背景に、アメリカの長期金利(10年国債利回り=この時1%未満!?) が上昇し、NY金価格は1ヶ月間で6.6%下落することになった・・・・・その直前の価格です。 また4月の第3週より何度と無く繰り返した$1,700台後半~$1,800直前までの上下動。 コレによって下値をジックリ固めて再度の$1,800台へ突入ですから、特別なイベント(政策変更や地政学的要因など)でもない限り、この価格帯はしばらく続きそうな市場状況かも知れません・・・・・・・・ この様な説明になるのでしょうか?苦笑 コレがイベント会場等では、なかなかその様にサラッと、という訳にはいかないのです。 実を言うと自分自身、お客様の前でいくら長くやっていてもイベント会場では、初対面の方が何を求めているのか分からないことが非常に多いのです!? 出来るだけ細かく、砕いて話すことを心がけていますが、それが逆に長くなったりして鬱陶しがられる・・・・・よくあります!?爆 お客様からの一言二言の質問に、簡単?的確?に応えてお客様が大きく頷き、その後の話が弾む場合・・・・・・ある意味非常に“楽”です。 “楽”という事は別にいい加減で良いという訳ではなく、自分の知っている情報を、いつも使う言葉で話せば良いのです。 当たり前のことですが、自分よりも広く深い知識、情報をお持ちの方も多くいらっしゃいます。 また同じ様な質問に対して同様の応え方をしても、難しい?様な顔をされた場合・・・・・それ以上突っ込んだ話はしませんし、出来ません!?爆 むしろ、金とはどの様なものに関連して上昇するか、株価とは直接関係ないとか・・・・・世間で報道されているモノの半分近くを否定したり、肯定したり、お客様の興味を引き出そうとしてしまうのですね!?涙 気付いたら金とは全く違う話を・・・・・・・!?大涙 それでも自分ではコレも良いかな?と最近考えています。 イベント会場はむしろ異空間であり、非日常な空間を提供しているハズです。 ましてイベントとは店舗ではなく、こちらが勝手に決めた日時に、勝手に決めた開催場所で皆さんのお越しをお待ちします・・・・・・ソコまでしながら、お客様ご自身の時間を使ってご足労頂いているのです。 ソコまでしていただいたら、普段目にすることも、なかなか手にする機会も無い?金・ゴールドバーを眼の前に、また手に取る時間・空間・・・・・・普段しない話、出来ない話、そして少しだけ新鮮?な金の話で、特別な時間を過ごしていただけたら“イベント開催意義“は既に十分ですよね!笑 最近はその様に考えてしますのですが・・・・・・・長年続けていると、変に慣れてしまい初期の開催時の新鮮な気持ちは、会場内のどこにも見当たらない・・・・・・その様に感じてしまうことが、自分を含めて多々あります。 もっと自然に、楽しく開催したい・・・・・・・そう感じること自体、既に年齢のせいでしょうか!?驚愕
Vol.87 フロス・・・市場の過熱感から金を感じる・・・・・
Vol.87 2021.5.7 G.W. が明けて最初に週末、NY金価格は節目とみなされる$1,800を超えました。 先々週から値を$1,790台後半まで上げては下げを繰り返し、日本時間の昨夜$1,800を大きく超えてきました。 三尊?いや5回ほどの上下動の後ですから、この後の動き、振れ方など、ジックリ見極めたいですね。 先週、日本ではG.W. 直前に、米FRBパウエル議長の“フロス”という表現が紙面に現れました。 これは、パウエル議長が『今の株式市場は“フロス(froth)”であり・・・・』と、表現した“言葉“です。 バブル(泡)より細かい気泡のようなもの・・・・・・バブルまではいかないが、その兆候があるということでしょうか?苦笑 そこで終らずにチョッと深堀したら、・・・・・・この“フロス”という表現は、2005年当時のFRBグリーンスパン議長が住宅価格の高騰時に使った言葉でした!笑 その後その“フロス”は“バブル”に育ち、サブプライムローン問題を引き起こして弾けました ・・・・・ 皆さんご存知ですね!? そして今日、米FRBよりFRS=Financial Stability Report(金融安定性報告)の報告がありました。 コレは年2回、金融機関や市場の健全さの点検を目的に報告されるものです。 その内容には、“資産価格の急落への警鐘“を主題としたものだったようです。 株式などリスク資産は、期待される収益や過去の水準に比べて高くなっている ⇒ 脆弱であるかもしれない、というモノでした。 ゲームストップによる株価の乱高下や個人資産オフィスによる多大な損失などを例に挙げていたようです。 またアメリカではノンバンクへの銀行貸し出しが急増している、という報告。 アルケゴス・キャピタルを前例に、大手銀行がノンバンクへの信用供与は未使用も含め1.6兆ドル! 日本円にしておよそ174.4兆円!? ・・・・・・ この数字、日本の年間GDPの1/3以上の数字です! 最後にリスクを負う動きが加速し、脆弱性を高めている。 株価は最高値を更新し続け、低格付けの社債金利が大きく低下している・・・・・・低金利政策の長期かも一因、と認識した報告でした。 今更という気もしますが・・・・・・・ここ数年世界中での金融緩和政策が長引き、市場が過熱しすぎていることは、市場関係者に限らず感じていたことでしょう。 昨年からコロナ禍にもかかわらず、私の周りや店舗にて金の現物・インゴットバーが求められてきました。 以前の購入者からすれば、この高値で・・・・・と煙たがられていましたが、終ってみれば、売上高は過去最高になりました。 その時も・・・・・高いとはいえ、今資産として金・ゴールドを購入する方が最後には笑う!? ・・・・と感じました!?(7,8月の独り言を参照) そして今、市場の過熱感が金融当局から実際に指摘される・・・・・リスク資産から安全資産へ転換する方がグッと増える、そんな報告内容と感じたのは自分だけではないと思います。 イベント会場等でのお客様との会話では、今すぐに使うお金(マネー)でなければ、金・ゴールドに替えておくことをお勧めします。 …
Vol.86 Sell in May,の前に・・・・・・・・
Vol.86 2021.5.6. 4月の最終週は週明け早々、$1,795近辺まで上昇後、短時間で一気に$1,770台まで急落しました。 明らかに実需とは無関係な“空中戦”、投機筋の売りでしょうか・・・・・・アルゴリズム取引かな!? この様な流れに一喜一憂する方、中には右往左往する方もいらっしゃいます!? 先物取引で限月まで頑張れる方は頑張れば良いでしょうが、自分のような庶民は、やはり現物のほうが “体に良い”かもしれませんね。 その後は狭い範囲での上下動でした。 注目された米FOMCもほぼ予想通りの内容で、むしろその後の米・バイデン大統領の議会での施政方針に注目が集まったようです。 雇用、民主主義、中国などの文言が、日本でも紙面を賑わせていました。 金価格は相変わらず、米10年国債利回りの動きに反応し月末には海外相場で若干の下げ、日本国内の小売価格は若干の上げ、でゴールデンウィークに突入です!笑 さて注目のG.W.中も経済指標、角界の発言に乱高下!?していたようです。 節目の$1,800手前で行き詰まり、$1,780台で行き来しています。 決め手にかけます!?苦笑 明日の米・労働省発表、雇用統計にまた左右されるのでしょう。 米株価の上昇は、本当に経済の回復なのか・・・・・・今後の焦点でもあります。 さて今日は、この金価格の“上げ下げ“についてお話を進めます。 自分の経験からも、今の金価格が高いか高くないか、またはいくらだから高い・・・・・この様な発想はあまり持ちません。 まして自分が口を滑らせる、『今日の金価格は高い』または『安い』という言葉は、おそらく皆さんの言う『金価格が高い・安い』とは基準が違うと思います。 イベント中にその様な言葉を発すれば、思わぬ方向へお客様を向かわせてしまいますね!?汗 具体的にお話すれば、金に携わっている方であれば(自分だけではないと思いますが)、海外の金相場―特にNY市場の終値―から当日の為替相場を換算して割り出した金価格と、当日発表された国内金・小売価格と比べて『おやっ?』と思うことがあるのです。 その様なとき、『今日の金価格は高い・安い』と口走ってしまいます!?苦笑 とはいえ自分の場合、イベント会場でもポロッと出てしまっているようです。 あくまで計算上その様に思うのですから、金額を見て手が出ないと感じたら・・・・・やはり『高い』のですよね!?苦笑