Vol.93 1989年の出来事から ・・・・・・
Vol.93 2021.5.31
ある資料の整理をしていたところ、2019年にまとめた “1989年の出来事” の資料が出てきました。
実はこの年世界では大きな変化が生まれた、歴史的変革の一年だったのです。
個人としても社内の本業分野から新規異業種部門の設立へ、と大きな転機となる一年でした・・・・
現在2021年5月末、1989年のこの時期といえば、6月4日の天安門事件を取り上げるべきなのでしょうが・・・・・出てきた資料は、11月9日 “○○○○の壁”!?苦笑
天安門事件では政治色が強く、ゴールドというにはチョッと趣が異なりますので・・・・・・!?汗
以前銀座の店舗で開催していたセミナーは、毎回同じ資料で行っていたわけではありません!?笑
確かに資料作りに疲れたり、ネタ切れに焦ったり・・・・そんなことも多々ありました!?爆
またその時々、巷に溢れる“時事ネタ”・・・・・・『金・ゴールド』だけでなく『お金・マネー』の話題、国際的な時事問題にも触れてきました。
今回の内容は、『金・ゴールドのセミナー』を開催してきた会場店舗が無くなり、どこかスポットで行った資料ですが・・・・・残しておきたい、という想いでご紹介致します!
勿論アナリストの先生や大学の講義ではありませんので、難しい表現等は出来るだけ避け、わかり易くアタマを捻ります!笑
そんなこんなの中で作り出された、2019年11月9日を前にした11月某日の内容です。
まず問題です!
2019年11月9日、この日30周年を迎える世界の重要な出来事とは何でしょう??
Ans. ベルリンの壁の崩壊
30年も経った現在、この事実を覚えていましたか?
更にこのベルリンの壁崩壊が意味することは、一体何だったのでしょう???
今回は金・ゴールドの視点から、またお金・マネーの視点から『ベルリンの壁崩壊』という世界の分岐点を解説したいと思います。
第1弾
“ベルリンの壁の崩壊” と聞いて、殆どの日本人の方は『東西冷戦の終結』の一言で終りますね。
セミナーでの質問に対しても、もう少し表現を変えて『米ソ冷戦の終結』という方もいました。
その中で驚いたのが・・・・・・・・ソ連を知らない世代!?驚愕 の方もいました!?汗(笑えません!?爆)
この1989年という時代背景も重要な意味を持っています。
それでは “ベルリンの壁” は何を分断していたのでしょうか?
東西ドイツ? アメリカとソ連? ・・・・ もっと具体的に言えば、“資本主義世界”と“社会主義世界(共産主義世界)”です。
ソ連だけでなく、東西のドイツという言葉で既に混乱している方もいますが、ここは名前だけでも理解して下さい!?汗
当時、資本主義世界の代表といえばアメリカ合衆国。 そして(西)ヨーロッパ各国、西ドイツ、日本などが挙げられます。
対して社会主義世界といわれた国々の代表的国家は、ソビエト連邦。 そして東ドイツをはじめとする東ヨーロッパ諸国、キューバ、今ほど目立たなかった中国。 あまり知られていないところで、インドも社会主義国家です。
ベルリンの壁の崩壊は、東ヨーロッパ諸国が西側諸国との交流を促しました。 元々陸続きの国々ですから、交流の流れは速く大きく強いモノとなりました。
東ヨーロッパ諸国だけでなく世界へ民主化の波が押し寄せ、資本主義を受け入れ・・・・・・経済が大きく変化したのです。
更に世界中で人とモノが行き来を繰り返し、世界全体が、世界経済が一つになった出来事が・・・・ベルリンの壁の崩壊だったのです。
世界の景色が一変し、世界経済も大きく変貌を遂げました。
その後1991年、ロシア連邦(旧ソビエト連邦)が成立します。
勿論、東西を行き来した“モノ”の一つに “金・ゴールド”もありました!
1971年8月に当時の米・ニクソン大統領が、金とドルの兌換停止を発表しました。 コレが “ニクソンショック” です。 それまでの世の中は、金・1オンスをUS 35ドルで交換する(ブレトンウッズ体制)、という世界でした。 今では忘れられていますが、コレが当たり前だったのです!・・・・・・1ドル360円とか!?爆
そしてその間3万トンはあったというアメリカの金が、気付けば1/3以下まで減っていました!?
その結果ある日突然、誰に相談も無く米・大統領は “兌換中止” を発表しました。
米ソ冷戦の中、ベトナム戦争の長期化による戦費拡大など様々な憶測が流れていましたが、そのくらい当時のアメリカ経済は疲弊していたのです。
その様な中でも米ソ対立はアフガン侵攻など、先鋭化していた時期もありました。 今思えばその後の米ソ両国は、かなり経済的にも内政的にも疲弊していたのではないかとも考えられます。
そして双方で対話が始まり、1989年11月9日、遂に “ベルリンの壁崩壊” へ時代は変化してゆきます。
金・ゴールドの世界では、“2大大国”である、中国・インドが国際市場で金・ゴールドを購入するようになります。 両国とも“冷戦”など関係なく、古くから文化的、宗教的に金・ゴールドを好み、ゴールドそのものを身近に生活してきました。 “お守り”であったり、“伝統”から “ステイタス” でもあったり・・・・・・日本の感覚では計り知れない、そのくらい身近なのです!
自分の古い、かなり古い!?苦笑 インドやマレーシアの友人は、体にこびり付く!?ほどの大量のゴールドのネックレスやリングは財産=預金のようなモノだ、と言っていました!?爆
ところが国際市場で金を購入するには・・・・・・USドルが必要になります!
金・ゴールドの国際価格はUSドルで取引されます。
コレは今も当時も変わりません。
金・ゴールドの2大大国は世界の人口大国でもあります。 中国・インド、この2国が金・ゴールドだけではなく、豊かになるにつれより多くのUSドルを求めるようになりました。
国民が豊かになってもゴールドを買うには、国内にゴールドが無ければ買えません。 国内でゴールドを売るには、USドルにて海外からゴールドを買わなければ売れません・・・・・・・国がUSドルを持つには、米国債を買わなければ手に入りません!?
アメリカ国債が飛ぶように売れたのかどうかは分かりませんが、疲弊した経済に潤いを与えた一因であったことは事実のようです。
ベルリンの壁が崩壊し、民主化の波が広がり、資本主義を受入れた国々が豊かになり・・・・ゴールドもより身近になっていきます。
壁の崩壊によって、アメリカの“商売相手!?”は今までの西側諸国だけではなく、購入意欲の旺盛な“東側”の国々にまで広がったのです。
コレを期に“金・ゴールド”も世界中に広がり、現在に至るまで活発に取引されるようになりました。
そしてこの後21世紀を迎えるまで、金・ゴールドよりも米ドルが世界を席巻する時代が続きます。