Vol.99 金準備という表現から・・・・・“無国籍通貨”の準備!?
Vol.99 2021.6.29.
連続イベントがひと段落して、世間では四半期決算の時期ですね!?苦笑
ある記事の数値から、“金”に関して更に意を強くしました!笑
Vol.85 にて日本の保有金に関して記しました。
それをぶり返すわけではないのですが、かなりハッキリとした数値を確認しましたので・・・・・・。
先日記した内容を砕いて記すと・・・・・・日本の造幣局には、過去に購入し材料として使用、現在既に含み益が発生している“余った材料の金” がありました。
この“余った材料の金”を外為特会が時価で購入。 保有するドルにて日銀から円を買い、その円にて造幣局に支払をした・・・・・・・コレによって造幣局には“利益”が発生し、政府はその“利益”を補正予算の財源にした・・・・・・・。
更に分かり易く、政府の造幣局には“簿価”で管理された材料として余った金があり、国の為替を管理する部署が国へドルを売り、円を確保、その円を使って政府の余った金を“時価”で買取った・・・・・“簿価”で管理していた部署には利益が発生し、その利益を政府が補正予算の財源として使った、ということです。
帳簿上で移し変えただけ、というものですけどね!?苦笑
市場への影響を最小限にする為に取られた策ですが、この方法は実はIMFでも過去に取り入れられた手法でもあります。
コレによって日本国が保有する外貨準備残高における金の保有量は、765.15トン ⇒ 846.02トンへ80.87トン増えました! コレは50年ぶりの快挙!?です!苦笑
しかし国が率先して金を購入したわけではありません!?爆
ここで言葉の整理です!
分かっているようで、あやふやな理解の方も多いでしょう。
実を言えば自分もその1人。
《ブレイクタイム》
造幣局や政府という名前が挙がったので・・・・・・造幣局とは、財務省管轄の独立行政法人です。
硬貨や記念金貨の鋳造・製造、そして貴金属の検定などを行います。
日本の“お札”を作っているのは、国立印刷局。 こちらも財務省管轄・独立行政法人。
ここでは特殊技術を駆使して、“お札”の他にもパスポートや郵便切手、印紙、証券類まで携わります。
日本の“お札”の中央下の段を確認してみて下さい。
また“金準備”とは、各国政府や中央銀行が、輸入代金の決済等のために保有している“貨幣用の金”を指します。
他国に対し外貨建て債務の返済等に使用する準備資産を“外貨準備”といいます。
IMFに加入する各国は、一定比率以上の外貨等の資産を保有することを義務としています。
外貨準備には、外貨・外債の流動資産のほか、貨幣用の金、SDR(特別引出権)などがあります。
世界一の金保有国アメリカは、国家の外貨準備の77%を金で保有しています。
基軸通貨の“USドル”の国ですから、ある意味で当然と思われますが・・・・・具体的に何故????
USドルの国・アメリカは、どれだけ“ドル”持っていても外貨準備にならない為、“無国籍通貨”としての金で保有しています。
その量なんと、8,133.5トン!
その単価は、当時(1971年)の簿価でUS$42.222/oz で評価されます。
それでも11兆ドル以上!? ・・・・・・ 1200兆円以上!? それも当時の簿価です!?唖然
今の金額で・・・・・・・皆さんで計算してみて下さい!爆
ちなみにこれらの金は、米・連邦準備理事会(FRB) が全ての金を保有しているのではなく、全米各地区の連邦銀行が保有しています。
世界で2番目に金を保有する国・ドイツ。 3378トンを保有しています。
しかし本国ドイツには殆ど無く、英国・イングランド銀行、フランス・パリバ、アメリカに分散しています。
第二次大戦後の制度ゆえ、ドイツ本国には金を残さなかった、ということらしいのです。
しかし国民投票により、海外に分散された金を、近年ドイツ本国に戻す動きがあります。
イングランド銀行もパリバも同意しましたが、アメリカだけは反対しているようです。
ちなみに日本も先日増えた80数トン以外は、全てアメリカに預けています!?
ロシア、中国も近年金準備を増やしてきました。
ロシアは毎月数トンから数十トン金を購入していましたが、2020年4月1日、金の購入を停止する旨を発表しました。
ロシア中央銀行より半年後に公表される金準備残高が、つい先日、ロシアが保有する“ドル”を上回ったことが話題にもなりました。
USドルから決別!などとの見出しにもなりました!?苦笑
一説には、金の評価額が上昇した為にドルの価格を超えた、という節もあります。
中国に接近してドル離れを意識させる今、どちらとも受止められる案件です。
同じく中国も金準備を増やし続け、現在1948トン。
2015年から毎月発表していますが、今まで購入した708.2トンの金をいきなり積み増しました。
コレにより世界中から、未だ公表していない購入分を疑われてもいます。
また中国は現在、世界最大の金産出国でもあります。
しかし中国国内の金・埋蔵量は豊富ではなく、アメリカとの経済摩擦から中国企業への厳しい規制により、アフリカ、中南米の金産出・精錬企業の買収にも積極的に動いています。
金に限らず、レアメタル,希少金属全般にまでてを広げているようです。
正に“マスク外交”の延長線ですね!?
世界中の金保有上位の中央銀行が常に金を購入していたわけではありません。
金が下落を続けていた時期、各国の中央銀行によって金の売却が行われていました。
それを“取り締まる”為に出来たものが、“ワシントン協定”です。
各国が保有金を売却することで、自国の金・評価額が下落、最終的に“自らの首を絞める”ことを規制することを目的に制定されました。
そして5年ごとに更新され、この協定も表から分かるように、売り手から買い手に変わって程なく2014年を最後に、2019年には更新停止、目的は完了しました。
今では完全に売り手から買い手に変わってきています。
中央銀行の金購入は、売却益を狙ったものではなく、完全な“長期保有”を前提としています。
金価格の底上げにも一役買っているのです!
保有金順位の下位の国の中でも、インド・トルコは増やしています。
一時トルコはEUに加盟する為、たびたび金を購入していました。
今の大統領になってから、ピタリと話が出ませんが・・・・・・・!?苦笑
実はEU加盟の条件の一つに、その国のGDPの2割ほどの金を保有する、という項目があります。
2割という数字が今も有効な数値なのか、現在確証が取れませんが・・・・・・涙
インドは前年比42トン増加また図中にはありませんが、近年カザフスタンやウズベキスタンなども前年比で20トン以上保有量を増やしています。
最近のトピックスでは、ハンガリーが63トン逆の金を購入し金保有量94.49トンとしました!?驚
30トン程度から一気に63トン逆を購入したのです!?唖然
ハンガリー高官は、機会があれば同じくらいの金を購入と話していました。
アジアでもタイが43トン増えて197.5トン。 カンボジアでも前年比で38トン増加し、50.45トンとなりました。
この数字も凄いものですね!?
“無国籍通貨”である金は、基軸通貨であるドルの信認、などと言われることがあります。
世界中で自国ファーストを謳う指導者の下、未曾有の新型コロナウィルスが世の中を一変させました。
先進国といわれる国では、失われた経済の復興を第一に、こちらも未曾有の金融緩和策で復活を目指しています。
いつかは終らなければならない金融緩和策。
先進国の緩和策が縮小することで、その影響を最小限に食い止めたい新興国。
中国やロシアの例を出すまでもなく、“ドル”一辺倒では国の存続に関わる・・・・・とは大袈裟でしょうか?
エルサルバドルでは、ビットコインが国の法定通貨として認定されました。
勿論いきなり国民個人が、それぞれの決済に使用できるものではなさそうですが・・・・・・
“無国籍通貨”・・・・・・これからの世界に、国々に必要不可欠な“モノ”になるような気がしてなりません。
そんな“無国籍通貨”も、結局は“ペーパーマネー” “PCマネー” と考えている方・・・・・違いますよ!
金・ゴールドには“現物”という強い、“モノ”があります。
“混迷”という表現が出来る現代こそ、金・ゴールドの“現物”が有効な守りの手段、という時代・・・・・独り考えてしまう今日この頃です!?