金の独り言

Vol.97  “考えることを考える必要も無い”・・・・・

Vol.97 2021.6.17.


 6月17日未明、金価格は大きく下落しました!?

日本時間6月17日午前3時頃、NY市場が終る時間帯に金価格は、$1861.30/oz、前日の終値からプラス$5ほどで終了しています。

しかしその約30分後に、$1837.50/oz 。

しばらく売り買い交錯が続き、午前6時前に$1810.30/oz 。

その後一時$1804.40まで下げました!?驚

なんと3時間の間に、$50以上の下落を記録しました!驚愕

 いつもの口ぐせですが、価格の変動にはそれなりの理由がある・・・・・・ここまで変動すれば、誰が普通に考えても原因はありますよね!?苦笑

今回の急落の原因は、米・FOMC(6/15,16開催)後のパウエル議長の記者会見によるものと思われます・・・・・・というより、記者会見によるものです。

その記者会見の内容とは、ある程度市場も織り込んではいたものの・・・・・一番の理由は、量的金融緩和策の縮小について “話し合うことを話し合った” というモノでした。

 アメリカ経済はコロナから立ち直り、想像以上に経済回復を成し遂げつつあります。

雇用環境や労働参加率など、足りないものもありますが、経済指標は概ね良好に展開しています。

そして量的金融緩和策の縮小について、前回の記者会見で2024年以降としていたものを2023年に前倒しする内容でした。

そして利上げ回数も・・・・・2023年に1回ではなく2回を予測する理事が13人/18人!?驚

 市場にとって意外というか、サプライズとして受止められたことは、FOMC参加者の大半が前回の2024年ではなく、2023年に利上げ開始を予測していること。 

更に2023年に2回の利上げを予測する参加者が多いこと・・・・・・この2点が “売り” を加速させたと最大の “原因” と思われます。

コレによって先ほど記したように、30分で$24以上、NY市場終値の3時間後には$50以上の下落をしたのです。

 FOMC後の記者会見でパウエル議長の声明の中には、日本を例にとり『インフレ期待』に関して短期要因ではなく長期動向の重要性を強調しています。

また今尚、“インフレは一過性”という見解は以前と変わりない・・・・と。

この点では生意気なようですが、自分も共感しています!?苦笑

 この件を既に織り込み済みのファンドは、先週末より“売り” を強めていました。

この金市場、金業界は動きが早いのです!?

そのパウエル議長、緩和策の縮小など “考えることを考えたことも無い” と発言していたものが、縮小について “話し合うことを話し合う” と声明にて表現したのです ・・・・・・ 量的金融緩和策について大きく舵を切った、と市場関係者には受止められたようです。

またアメリカの経済状況が想像以上に改善すれば、9月のFOMCにてテーパリング(金融緩和策の縮小)を発表し、年末にも実行・・・・・・と語る先生方もいます。

中には、FRBが敗北宣言した、などという方もいたようで・・・・・・それはチョッと違う、と思いますが!?

様々な考えが交錯もしているようです!?笑

 まぁコレだけ一気に下がると言うもの、AIトレードのなせる業、ということになりますね!?苦笑

人間の感情を一切反映しない、迷い無し、といえば聞こえは良いですが、皆ほぼ同じように動きますから値動きが激しくなります。

 ここで皆さんには是非とも見方を変えて下さい。

皆が無感情に一気に動くとなれば、上がるときも一気に上昇。

日本国内で現物・金インゴットバーを持っている方には、今回の件を含め、あまり振り回されないように!・・・・・と伝えたい。

金価格に限らず、相場価格はこの様な上下動(今回はまだ “上” はありませんが・・・)、AIトレードによる乱高下を繰り返して、次のステージに上昇していくのです。

過去の “経験則” などと自分自身大袈裟なことは言えませんが、この様な乱高下を繰り返して今の価格帯があるのです。

特に“決算期” など無い個人保有の方は、何も焦る必要はありません。

金・インゴットゴールドバーは、“時間と共に熟成されるもの” と考えて下さい。

私自身考えとして、日本円での金・小売価格がこのまま下がり続けるなどと “考えることを考える必要も無い” という言葉で締めくくります!

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