Vol.105 ≪ 昨年と今年の環境から金を考える・・・・・ ≫
Vol.105 ≪ 昨年と今年の環境から金を考える・・・・・ ≫ 2021.11.20. 様々な資料・文献を確認して、チョッと気になることを・・・・・・ 昨年から金価格の高騰が続いています。 昨年2020年は一年間の上下差が、日本円で2000円近くに振れたのです。 今年2021年はソコまで大きな差は出ていませんが、昨年に比べ “高値安定” とでも言いましょうか!?苦笑 しかし、この2年の金価格の上昇要因は大きく異なります。 昨年の6月後半からの価格高騰は、明らかに金ETFによる金価格の“盛り上がり”でした。 金ETFの残高が日に日に増え続け、金価格を“盛り上げた”上で先物市場が“破裂”したような上昇でした。 2020年の金価格上昇の要因は、金価格急騰 ⇒ 金ETF残高増加・・・・・このパターンです。 まず年前半から、コロナ禍で “巣籠り投資” の最適銘柄!?に金ETFが指名され?一般投資家の資金が流入しました。 徐々に上昇していた金価格に6月、機関投機家の資金が一気に流入し金ETF 残高は過去最大に膨れ上がりました。 金価格の底値が“盛り上がった”と考えて下さい。 反面今年の、特に9月以降の価格高騰は、完全に“先物主導”といえるでしょう。 金価格が上昇(急騰)しても、金ETFの残高は一向に増えないのです!? 更に、米・長期金利(10年国債利回り)の上昇に反応して下がったと思えば、現在では全く?といっていいほど、金利上昇にも反応しません。 更に更に、先日の経済指標・消費者景況指数(CPI)発表後、取組高は一気に増えています! コレはもう短期投機が中心に動いている、と判断できますね。 先物市場で金価格が大きく動いているのです。 ここで考えておくことは・・・・・・今の金価格の急騰は、一時的な可能性もあります。 短期投機が中心であれば、売り買いが交錯した状況が想像出来ます。 まぁそれでも大きく上がった価格が下がったとしても、それでも高い価格帯で落ち着く・・・・・ということも考えられます!?苦笑 長い目で見れば、まだまだ金価格は上を目指すと考えていますから、一喜一憂する必要はないと思いますけど・・・・・。 昨年はファンドをはじめ、機関投機家の資金が流入して史上最高値を更新しました。 その後決算期を迎え、利益確定売りが続き長期間(3ヶ月ほど)、金価格は下降線を辿りました。 そしてその年末には、今の価格帯=新しいステージで価格を構成しています。 日本国内の金価格で言えば、既にグラムあたり7,000円の時代であり、更に上を目指しています! 上を目指している今年。…
Vol.104 ≪ ふとした記事から“お金”を考える・・・・ ≫ 2021.11.18.
Vol.104 ≪ ふとした記事から“お金”を考える・・・・ ≫ 2021.11.18. 8 月の最終週からほぼ毎週、日本中を駆けずり回る日々を過ごしています。来月 12 月中旬までのロングラン。 そして毎朝、金相場の価格の確認から、為替、そして国内小売価格を想定し在庫金額と照らし合わ せ・・・・・・大きな動きや想定外の動きに対し調べることも、ほぼ日課・ルーティンになってしまっています!? その出張の移動中、様々な情報、記事の中からある“言葉”を見つけました。 普段であれば何も気にせず流してしまうような“言葉”・・・・・・何故か気になり、その“言葉”について鋭意情 報収集を始めました!?苦笑 その言葉とは ・・・・・・ “キャッシュレス” これといって珍しい言葉でも何でも無いのですが・・・・・・そんな言葉ですが、記事を読むうちに様々な光景 が浮かび上がりました。その中で今回一番に驚愕したことは、中国についての記事です! 世界の国の中でも異常?と思えるほどキャッシュレスが進む(と勝手に思っています!?) 中国では、今何故 か “自動販売機” が急増しているそうです!! 自分が過去に滞在経験のある中国の都市は、上海と広州だけですが・・・・・・。 私が思う中国は、元々硬貨など少なく、更に紙幣と同じように状態が悪すぎる為、また国民性?や治 安?を考えると、自動販売機自体の設置など論外!?と思えた国の一つです!?苦笑 それが主因とは言いませんが、キャッシュレスという生活様式の変化がドンピシャ? と浸透し、またコロナ禍の 接触を避ける意味も相まって自動販売機が一気に普及したというのです! 失礼を承知でまず感じたことは、『中国でも自動販売機が普及するのかぁ!?』・・・・・と驚きを超えて、世の 中の変化に取り残されたような気分でした!?苦笑 中国で激増する自販機。 その殆どがキャッシュレス! 更にその自販機の中には、硬貨の投入口を塞いだものまで登場したとか・・・・・。 硬貨の使用を“禁じる”自販機、硬貨を受付けない自販機が主流というのも、何か時代の変化を感じさせ ると共に、ヘンに納得してしまうのは昭和生まれの自分だけでしょうか? それでも設置場所は、駅構内、空港、ショッピングモールなど・・・・・やはりというか人目の付く場所ばかりで、 日本のような裏通りの路上!?というロケーションではないようです。 その反面といえるのか、中国では銀行…
Vol.103 ≪ 騰勢強めるNY金価格!?・・・・≫
Vol.103 ≪ 騰勢強めるNY金価格!?・・・・≫ 2021.11.11. 11月になりかなり激しく動き出した金価格。 米・主要経済指標から、今までとは異なる動きも見え始めました。 ここ数日のチャート表を追いかけると・・・・・次項参照・ 11/4 19:25 $1,777.48 ↓ 11/4 23:40 $1,798.40 + $20.92 この間 4時間15分での上昇 およそ22時間後(上下動を繰り返していた時間)・ 11/5 21:40 $1,93.12 ↓ 11/6 02:05 $1,815.02 + $21.90 この間4時間25分での上昇 およそ116時間後 ⇒ 4日+20時間(静かに上下動を繰り返していた期間)・ 11/10 22:00 $1,827.78 ↓ 11/10 23:50 $1,865.14 + $37.36 この間たった 1時間50分!? この間に発表された経済指標と合せると、仮説が立ちますね。 ただし、11/10は今までとはチョッと異なりそうです。 米10月のPPI(Producer…
≪ 金暴落!? ≫
≪ 金暴落!? ≫ 2021.9.29 日本時間 9 月 28 日取引時間外から、海外の金相場は“暴落”という表現が相応しい下落です。 今月に入って 16,17 日、24 日と 3 度目ですね!?苦笑ドル建て金価格は 28 日午後 4 時過ぎ(16:00 過ぎ)に$1,750 を割れ、その後 6 時間も待たず 21 時 50 分過ぎには一時$1,728 台へ。 更に細かく見れば、午前 11 時過ぎには$1,753 台だった価格が 11 時間もしないうちに$25 下落した のです。日本円にして 90 円前後、税込小売価格では約 100 円に相当します。…
Vol.102 ニクソンショックから50年・・・・・・・
Vol.102 2021.8.12. 1971年8月15日・・・・・・あの日から今年でちょうど50年。 毎年8月になると金業界では、あの日の大事件 『ニクソンショック』に関する金融コラムが、あらゆる金融経済紙面を占拠します。 自分がこの世界に入ってから、この時期が穏やかな年もあれば、波乱の年もありました。 それでも何年かに一度は、強烈な『記憶に残る夏』が訪れます。 昨年も自分にとってはトンデモなく記憶に残る夏でしたが、なにやら今年も目が離せない、久々に『ニクソンショックの日』を強く意識しそうな夏になりそうです!笑 まず最初に基本的な事柄、『ニクソンショック』について・・・・ 世間ではこの『ニクソンショック』には政治的、経済的なものがあるとされています。 政治的な “ショック” とは、ニクソン大統領の “中国訪問” です。 当時のキッシンジャー国家安全保障担当補佐官が極秘に訪中し、毛沢東、周恩来と会談し実現しました。 あの田中角栄氏の訪中よりも早かったのです! そして “不動産王” 大統領が北朝鮮に電撃訪問した時に、“ニクソン氏の真似!?” ・・・・と思ったのは、自分だけではないでしょう!?苦笑 そしてもう一つの経済的 “ショック” は、日本時間で1971年8月15日の米ドルと金の兌換停止宣言です。 それまで世界では金はいつでも、1オンス35米ドルにて交換が出来ました。 コレは、アメリカがいつでも金を$35で買い取ってくれる、ということです! そうです!金価格は1ドル 35USドルの固定価格だったのです! それが突然、どの関係国との相談も無く突如交換しないと世界に宣言したのです!?・・・・・・・これが経済面における『ニクソンショック』です。 そして第二次大戦後のブレトンウッズ体制が崩壊した瞬間でもあったのです。 その後何度かの体制の変遷を経て、世界に変動相場制の時代が訪れます。 コレまでの$35/oz、¥360/$ という固定相場が崩れ、変動相場に変わった金価格。 金価格にしても為替にしても、何故か金額推移の年表、グラフは全て1973年からですね。 コレは日本でもその年から変動相場制が導入されたからなのです。 さて今年も目が離せない夏・ニクソンショックの日を意識させるのは、この夏、テーパリングの開始時期について市場が騒いでいます! コレは大規模な量的金融緩和政策を施行している世界で、その縮小(テーパリング)について検討されているからなのです。 テーパリングとは、お金(お札)をジャブジャブ刷って、金利も下げて金融経済を切り盛り(拡大)してきた社会を、元の正常な状態に戻し始めましょう(縮小しましょう)、ということなのです。 今まで量的金融緩和政策の縮小には、インフレ率(物価上昇率)や経済指標以上に雇用状況を重視する旨のコメントが挙げられていました。 その雇用状況が、ここにきて数値の上では明らかに改善してきたのです。 市場では年内のテーパリング、来年からの利上げを見据え様々な憶測が飛び交っています。 その典型?ともいえる金価格の下落!?苦笑 素晴らしい?というか見事に垂直の下げっぷり、そして即急騰と、激しい『フラッシュ・クラッシュ』状態でした。 利上げは金価格にとって最大の逆風になります。 金は存在が無くなるモノではありませんが、利息も配当金も無いモノです!? ですから金利が付くものにマネーが集まるような環境になれば、金にはマネーは集まりにくくなります。…
Vol.101 長短金利差縮小!?・・・・この見出しから金との関係を考える!?
Vol.101 2021.07.22 東京オリンピックの開会式を明日に控えた今日、昨日からのネットを眺めてある表現に目が止まりました・・・・・・・『長短金利差の縮小、景気減退の兆し!』 ふ~ん、と終らせる事もアリですし、具体的にどういうこと?と調べることもアリ、です。 この内容は、アメリカの30年国債の利回りが1.8%、アメリカ5年国債の利回りが0.7%・・・・・・その差が1.1%しかありません!? コレは中長期的には景気が減退するシグナルです・・・・・・ということを記事にしているのですね。 『国債』というものは、国が発行する “借金のカタ” です。 上記の場合、アメリカの償還期間の長い国債を買うと30年後に1.8%の利回り=金利=利息が付きます、という意味です。 記事では、30年で1.8%、5年だと0.7%・・・・・・その差が1.1%しかない、と言っているのです。 確かに、5年の国債を6回繰り返すほうが “手取り” はお得ですね!? 30年の利回り1.8%が安いのか、5年利回り0.7%が高いのか・・・・・・詳しくは自分でも分かりませんが、どちらにしても普通じゃない!? ということは分かりますね。 普通じゃないことがまかり通る・・・・・簡単に言えば、先々景気は減退します、の合図というのです。 この種の話の中で良く出てくる用語に、“イールドカーブ” というものがあります。 このカーブのカタチ、形状で、中長期的景気の傾向、先行きを分析します。 このイールドカーブとは、年限(2,5,10,30年など)の異なる金利を線で結ぶ利回りの曲線を指します。 先行きの景気を分析する上で、通常イールドカーブは “右肩上がり” のカタチになります。 年限の長い(10,30年など)利回りが下がる=カーブの傾きが小さい=と、一般には “平坦化” と言われます。 この様な状況になると、市場は中長期的に景気減速を織り込む・・・・・・市場は先々景気が悪くなると判断する、というのです。 現在中長期金利差の縮小は、アメリカだけでなく欧州、特にドイツ・英国などにも現れています。 今後アメリカだけでなく、欧米で、あるいは世界中で景気の減退が予測される・・・・・その様に市場が捉えている、と問題視しています。 それでは日本は?? ・・・・・・・日銀が “イールドカーブコントロール” を実施しています。 聞き覚えのある方もいるでしょう。 その為に、今回のような中長期金利差は見られません。 コレはある意味で、日本は中央銀行が “景気を調整している”、とも取れますね!?爆 海外では、中央銀行が市場経済を調整している、とも受止められています。 コレには今のところ、どの国も賛同はしていません!?苦笑 アメリカ国債の利回りは、現在の金価格にも大きく影響を与えています。 一般に国債の利回りは皆が買えば下がり、皆が売れば上がる・・・・株や金などとは異なりますね。 特にアメリカ国債は非常に流動性に富んでいますから、いつでも売り買いが出来る、という位置付けです。 そして現在アメリカ国債の利回りが下がると金は買われやすく(=金額が上がる)なり、利回りが上がると金は売られやすく(=金額が下がる)なります。 昨年金価格が暴騰しましたが、これは年初からアメリカ国債が暴落していたことも大きく関係しています。 一時0.5%を割っていて、昨年末でもまだ1%に満たない利回りだったのです。 そう考えれば、今の金利は倍以上になりますね!?苦笑 今年日本でも6千円台後半で推移していた時期は、このアメリカ国債の利回りが1.6~1.7%へ上昇していました。…
Vol.100 記念すべき100回ですが…
Vol.100 2021.7.9. なんと、100回に到達しました!笑 かなり時間はかかりましたが!?爆 大してムキになったりもせず、義務感に駆られたわけでもなく・・・・・・何気なく、忘れないように綴ったり、自分自身に苦言?のつもりで続けてきました。 今後もマイペースで、金市場を分かり易く解説できれば、と思います。 今週末を迎えて日本株は下げ傾向です。 業績云々もあるかもしれませんが、海外の投資家、投機筋の日本離れが影響しているようです。 海外のメディアからは、オリンピックの強行開催?や未だ進まぬワクチン接種、そして効果の期待できない?オリンピックに合せた? 東京の緊急事態宣言!?・・・・・ 欧米に比べ日本の一人負けという、良い印象は与えていないようです。 そんな中でも7月に入り111円台半ばで推移していたドル/円相場も、109円台後半まで円高が進んでいます。 先週金曜に比べ、2円近く円高に動いています。 コレは今のドル建て価格帯であれば、海外相場が同じとしても、日本の小売価格(税込)で比較すると110円以上の差が出ます。 今週だけでも、月曜日からの5日間で1円50銭ほどの円高。 金価格にはかなり “抑え要因” になりますね!?苦笑 その金価格。 NY市場では、米・長期金利の指標となる10年国債の利回りが一気に1.24%台に低下しています。 コレを受けて一時金価格も上昇しました。 その後利回りが回復の兆しを見せると、週末の利益確定売りも相まって、金額を切り崩しています。 それでも$1,800台を維持しているところが、今の金を取り巻く “環境” ということでしょうか。 7月9日午後現在、米・10年国債利回りは1.33%台で推移しています。 金市場では一般的に、この基準となる金利の低下は中長期的にみて景気減速のシグナルになり得る、と見ています。 先日発表された、6月の米・ISM(非製造業景況指数)は高い数値で推移しているも、市場予想も下回り前月比でも悪化。 更に昨日米・労働省より発表された週間新規失業保険申請件数も市場予想、前月比でも悪化!? ・・・・・ 長期国債利回りの低下を加速させているようです。 米・雇用統計等、それなりの改善が見られていましたから、コロナ禍においてもアメリカ経済は回復していることは間違いないでしょう。 その回復ペースが良い意味で高止まりしているとも考えられます。 全ての分野で回復しているわけでもなく、格差が大きくなっていることも事実です。 それでもこの高止まりがしばらく続く可能性はありますが、完全にピークアウトしたようにも見えません。 金市場の見方として、回復はこの後も続くと思われるがしばらく停滞することも十分考えられる。 その為に、長期金利(10年国債の利回り)は “下げている” という判断だと思われます。 一時期停滞していた金価格は、気付けば$1,800台、日本の小売価格も税込で¥7,000台を回復しています。 昨年と異なるのは、一気に駆け上がった金額ではないこと。 覚えていますか? 昨年6月半ばから、1ヶ月で$100上昇し、次の2週間で$100、更に数日でまた$100上昇しました!?驚愕 気付けば、前人未到!?…
Vol.99 金準備という表現から・・・・・“無国籍通貨”の準備!?
Vol.99 2021.6.29. 連続イベントがひと段落して、世間では四半期決算の時期ですね!?苦笑 ある記事の数値から、“金”に関して更に意を強くしました!笑 Vol.85 にて日本の保有金に関して記しました。 それをぶり返すわけではないのですが、かなりハッキリとした数値を確認しましたので・・・・・・。 先日記した内容を砕いて記すと・・・・・・日本の造幣局には、過去に購入し材料として使用、現在既に含み益が発生している“余った材料の金” がありました。 この“余った材料の金”を外為特会が時価で購入。 保有するドルにて日銀から円を買い、その円にて造幣局に支払をした・・・・・・・コレによって造幣局には“利益”が発生し、政府はその“利益”を補正予算の財源にした・・・・・・・。 更に分かり易く、政府の造幣局には“簿価”で管理された材料として余った金があり、国の為替を管理する部署が国へドルを売り、円を確保、その円を使って政府の余った金を“時価”で買取った・・・・・“簿価”で管理していた部署には利益が発生し、その利益を政府が補正予算の財源として使った、ということです。 帳簿上で移し変えただけ、というものですけどね!?苦笑 市場への影響を最小限にする為に取られた策ですが、この方法は実はIMFでも過去に取り入れられた手法でもあります。 コレによって日本国が保有する外貨準備残高における金の保有量は、765.15トン ⇒ 846.02トンへ80.87トン増えました! コレは50年ぶりの快挙!?です!苦笑 しかし国が率先して金を購入したわけではありません!?爆 ここで言葉の整理です! 分かっているようで、あやふやな理解の方も多いでしょう。 実を言えば自分もその1人。 《ブレイクタイム》 造幣局や政府という名前が挙がったので・・・・・・造幣局とは、財務省管轄の独立行政法人です。 硬貨や記念金貨の鋳造・製造、そして貴金属の検定などを行います。 日本の“お札”を作っているのは、国立印刷局。 こちらも財務省管轄・独立行政法人。 ここでは特殊技術を駆使して、“お札”の他にもパスポートや郵便切手、印紙、証券類まで携わります。 日本の“お札”の中央下の段を確認してみて下さい。 また“金準備”とは、各国政府や中央銀行が、輸入代金の決済等のために保有している“貨幣用の金”を指します。 他国に対し外貨建て債務の返済等に使用する準備資産を“外貨準備”といいます。 IMFに加入する各国は、一定比率以上の外貨等の資産を保有することを義務としています。 外貨準備には、外貨・外債の流動資産のほか、貨幣用の金、SDR(特別引出権)などがあります。 世界一の金保有国アメリカは、国家の外貨準備の77%を金で保有しています。 基軸通貨の“USドル”の国ですから、ある意味で当然と思われますが・・・・・具体的に何故???? USドルの国・アメリカは、どれだけ“ドル”持っていても外貨準備にならない為、“無国籍通貨”としての金で保有しています。 その量なんと、8,133.5トン! その単価は、当時(1971年)の簿価でUS$42.222/oz で評価されます。 それでも11兆ドル以上!? ・・・・・・ 1200兆円以上!? それも当時の簿価です!?唖然 今の金額で・・・・・・・皆さんで計算してみて下さい!爆 ちなみにこれらの金は、米・連邦準備理事会(FRB) が全ての金を保有しているのではなく、全米各地区の連邦銀行が保有しています。 世界で2番目に金を保有する国・ドイツ。 3378トンを保有しています。…
Vol.98 連日の “暴落” を見つめて・・・・・
Vol.98 2021.6.19. いきなり18日の早朝、『暴落』と呼ぶにふさわしい“下げっぷり” となりました。 昨日の下げ方にも “サプライズ” でしたが、本日は “トンデモない” 程の急落になりました!?汗 ・昨日6/17 18:00前に$1,803.40 ・同日 20:00 前に $1,795.90 ・同じく 21:30 頃に $1,778.50 ・日を跨いで6/18 午前0時過ぎに、$1,768.20 前日の通常取引後の清算値(終値)からマイナス$86.60!驚 1日の下げ幅としては、昨年11月9日の$93.70 に次ぐ下げ幅となりました。 この時はファイザー社、ビオンテック社のコロナ・ワクチンの治験成功の報による、経済の正常化期待を反映したものでした。 コロナ禍で明るい兆しが見えてきた、その様に受止められるものでした。 そのように考えると、金価格の上昇は人々にとってよろしくない状況時に高騰する!? ・・・・・・ あまりにも飛躍しすぎた発想ですが、金はやはり “リスク回避” の為のモノ、という考えが一般的だと感じた次第です。 この11月を前例として考えると、今回もしばらく “下げ” が続くのかな?とも思ったりしました。 さて??? 昨日から今日にかけて、状況を整理し再考します。 6/16 の基準になる前日(6/15)の終値は、$1,856.40/oz。 翌日には$5.00ほど上がって、$1,861.40 。 日本の金価格=グラムあたり税込小売価格は、6/16に¥7,260、翌日には¥7,159。 この段階で既に、グラムあたりマイナス101円。 更に本日、¥7,001 。 この2日間で、日本では259円下がった価格になりました! この原因はVol.97 でも記した、米・FOMC後のパウエル議長の記者会見。 市場は織り込み済みとはいえ、利上げ時期が1年前倒しになり、かつ過半数の理事が2023年に2回の利上げを予測する結果になりました!? またテーパリング(量的金融緩和策の縮小)について議論も始める、という内容でした。 後者に関しては想定内という人、企業もあったと思いますが、前者・・・・・・2024年と公言していた利上げ時期を前倒しで2023年、更に過半数の理事がその年に2回の利上げを予測。 コレには市場が大きく動揺したようです。 市場の動揺といっても、現在はAIトレードが主力。 経済指標や要人発言など、キーワードに反応して一斉に売買を加速させます。 その結果上下動の波が大きくなり、市場では “乱高下” という混乱が生まれます。…
Vol.97 “考えることを考える必要も無い”・・・・・
Vol.97 2021.6.17. 6月17日未明、金価格は大きく下落しました!? 日本時間6月17日午前3時頃、NY市場が終る時間帯に金価格は、$1861.30/oz、前日の終値からプラス$5ほどで終了しています。 しかしその約30分後に、$1837.50/oz 。 しばらく売り買い交錯が続き、午前6時前に$1810.30/oz 。 その後一時$1804.40まで下げました!?驚 なんと3時間の間に、$50以上の下落を記録しました!驚愕 いつもの口ぐせですが、価格の変動にはそれなりの理由がある・・・・・・ここまで変動すれば、誰が普通に考えても原因はありますよね!?苦笑 今回の急落の原因は、米・FOMC(6/15,16開催)後のパウエル議長の記者会見によるものと思われます・・・・・・というより、記者会見によるものです。 その記者会見の内容とは、ある程度市場も織り込んではいたものの・・・・・一番の理由は、量的金融緩和策の縮小について “話し合うことを話し合った” というモノでした。 アメリカ経済はコロナから立ち直り、想像以上に経済回復を成し遂げつつあります。 雇用環境や労働参加率など、足りないものもありますが、経済指標は概ね良好に展開しています。 そして量的金融緩和策の縮小について、前回の記者会見で2024年以降としていたものを2023年に前倒しする内容でした。 そして利上げ回数も・・・・・2023年に1回ではなく2回を予測する理事が13人/18人!?驚 市場にとって意外というか、サプライズとして受止められたことは、FOMC参加者の大半が前回の2024年ではなく、2023年に利上げ開始を予測していること。 更に2023年に2回の利上げを予測する参加者が多いこと・・・・・・この2点が “売り” を加速させたと最大の “原因” と思われます。 コレによって先ほど記したように、30分で$24以上、NY市場終値の3時間後には$50以上の下落をしたのです。 FOMC後の記者会見でパウエル議長の声明の中には、日本を例にとり『インフレ期待』に関して短期要因ではなく長期動向の重要性を強調しています。 また今尚、“インフレは一過性”という見解は以前と変わりない・・・・と。 この点では生意気なようですが、自分も共感しています!?苦笑 この件を既に織り込み済みのファンドは、先週末より“売り” を強めていました。 この金市場、金業界は動きが早いのです!? そのパウエル議長、緩和策の縮小など “考えることを考えたことも無い” と発言していたものが、縮小について “話し合うことを話し合う” と声明にて表現したのです ・・・・・・ 量的金融緩和策について大きく舵を切った、と市場関係者には受止められたようです。 またアメリカの経済状況が想像以上に改善すれば、9月のFOMCにてテーパリング(金融緩和策の縮小)を発表し、年末にも実行・・・・・・と語る先生方もいます。 中には、FRBが敗北宣言した、などという方もいたようで・・・・・・それはチョッと違う、と思いますが!? 様々な考えが交錯もしているようです!?笑 まぁコレだけ一気に下がると言うもの、AIトレードのなせる業、ということになりますね!?苦笑 人間の感情を一切反映しない、迷い無し、といえば聞こえは良いですが、皆ほぼ同じように動きますから値動きが激しくなります。 ここで皆さんには是非とも見方を変えて下さい。 皆が無感情に一気に動くとなれば、上がるときも一気に上昇。 日本国内で現物・金インゴットバーを持っている方には、今回の件を含め、あまり振り回されないように!・・・・・と伝えたい。…