• 金の独り言

    ≪ 金暴落!? ≫

    ≪ 金暴落!? ≫ 2021.9.29 日本時間 9 月 28 日取引時間外から、海外の金相場は“暴落”という表現が相応しい下落です。 今月に入って 16,17 日、24 日と 3 度目ですね!?苦笑ドル建て金価格は 28 日午後 4 時過ぎ(16:00 過ぎ)に$1,750 を割れ、その後 6 時間も待たず 21 時 50 分過ぎには一時$1,728 台へ。 更に細かく見れば、午前 11 時過ぎには$1,753 台だった価格が 11 時間もしないうちに$25 下落した のです。日本円にして 90 円前後、税込小売価格では約 100 円に相当します。…

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    Vol.102 ニクソンショックから50年・・・・・・・

    Vol.102 2021.8.12.  1971年8月15日・・・・・・あの日から今年でちょうど50年。     毎年8月になると金業界では、あの日の大事件 『ニクソンショック』に関する金融コラムが、あらゆる金融経済紙面を占拠します。 自分がこの世界に入ってから、この時期が穏やかな年もあれば、波乱の年もありました。 それでも何年かに一度は、強烈な『記憶に残る夏』が訪れます。  昨年も自分にとってはトンデモなく記憶に残る夏でしたが、なにやら今年も目が離せない、久々に『ニクソンショックの日』を強く意識しそうな夏になりそうです!笑  まず最初に基本的な事柄、『ニクソンショック』について・・・・  世間ではこの『ニクソンショック』には政治的、経済的なものがあるとされています。 政治的な “ショック” とは、ニクソン大統領の “中国訪問” です。 当時のキッシンジャー国家安全保障担当補佐官が極秘に訪中し、毛沢東、周恩来と会談し実現しました。 あの田中角栄氏の訪中よりも早かったのです! そして “不動産王” 大統領が北朝鮮に電撃訪問した時に、“ニクソン氏の真似!?” ・・・・と思ったのは、自分だけではないでしょう!?苦笑 そしてもう一つの経済的 “ショック” は、日本時間で1971年8月15日の米ドルと金の兌換停止宣言です。 それまで世界では金はいつでも、1オンス35米ドルにて交換が出来ました。 コレは、アメリカがいつでも金を$35で買い取ってくれる、ということです!  そうです!金価格は1ドル 35USドルの固定価格だったのです! それが突然、どの関係国との相談も無く突如交換しないと世界に宣言したのです!?・・・・・・・これが経済面における『ニクソンショック』です。   そして第二次大戦後のブレトンウッズ体制が崩壊した瞬間でもあったのです。 その後何度かの体制の変遷を経て、世界に変動相場制の時代が訪れます。  コレまでの$35/oz、¥360/$ という固定相場が崩れ、変動相場に変わった金価格。 金価格にしても為替にしても、何故か金額推移の年表、グラフは全て1973年からですね。 コレは日本でもその年から変動相場制が導入されたからなのです。  さて今年も目が離せない夏・ニクソンショックの日を意識させるのは、この夏、テーパリングの開始時期について市場が騒いでいます! コレは大規模な量的金融緩和政策を施行している世界で、その縮小(テーパリング)について検討されているからなのです。 テーパリングとは、お金(お札)をジャブジャブ刷って、金利も下げて金融経済を切り盛り(拡大)してきた社会を、元の正常な状態に戻し始めましょう(縮小しましょう)、ということなのです。  今まで量的金融緩和政策の縮小には、インフレ率(物価上昇率)や経済指標以上に雇用状況を重視する旨のコメントが挙げられていました。 その雇用状況が、ここにきて数値の上では明らかに改善してきたのです。 市場では年内のテーパリング、来年からの利上げを見据え様々な憶測が飛び交っています。 その典型?ともいえる金価格の下落!?苦笑   素晴らしい?というか見事に垂直の下げっぷり、そして即急騰と、激しい『フラッシュ・クラッシュ』状態でした。 利上げは金価格にとって最大の逆風になります。 金は存在が無くなるモノではありませんが、利息も配当金も無いモノです!? ですから金利が付くものにマネーが集まるような環境になれば、金にはマネーは集まりにくくなります。…

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    Vol.101  長短金利差縮小!?・・・・この見出しから金との関係を考える!?

    Vol.101 2021.07.22 東京オリンピックの開会式を明日に控えた今日、昨日からのネットを眺めてある表現に目が止まりました・・・・・・・『長短金利差の縮小、景気減退の兆し!』 ふ~ん、と終らせる事もアリですし、具体的にどういうこと?と調べることもアリ、です。  この内容は、アメリカの30年国債の利回りが1.8%、アメリカ5年国債の利回りが0.7%・・・・・・その差が1.1%しかありません!?   コレは中長期的には景気が減退するシグナルです・・・・・・ということを記事にしているのですね。  『国債』というものは、国が発行する “借金のカタ” です。 上記の場合、アメリカの償還期間の長い国債を買うと30年後に1.8%の利回り=金利=利息が付きます、という意味です。 記事では、30年で1.8%、5年だと0.7%・・・・・・その差が1.1%しかない、と言っているのです。 確かに、5年の国債を6回繰り返すほうが “手取り” はお得ですね!? 30年の利回り1.8%が安いのか、5年利回り0.7%が高いのか・・・・・・詳しくは自分でも分かりませんが、どちらにしても普通じゃない!? ということは分かりますね。 普通じゃないことがまかり通る・・・・・簡単に言えば、先々景気は減退します、の合図というのです。  この種の話の中で良く出てくる用語に、“イールドカーブ” というものがあります。 このカーブのカタチ、形状で、中長期的景気の傾向、先行きを分析します。  このイールドカーブとは、年限(2,5,10,30年など)の異なる金利を線で結ぶ利回りの曲線を指します。 先行きの景気を分析する上で、通常イールドカーブは “右肩上がり” のカタチになります。 年限の長い(10,30年など)利回りが下がる=カーブの傾きが小さい=と、一般には “平坦化” と言われます。 この様な状況になると、市場は中長期的に景気減速を織り込む・・・・・・市場は先々景気が悪くなると判断する、というのです。  現在中長期金利差の縮小は、アメリカだけでなく欧州、特にドイツ・英国などにも現れています。 今後アメリカだけでなく、欧米で、あるいは世界中で景気の減退が予測される・・・・・その様に市場が捉えている、と問題視しています。 それでは日本は?? ・・・・・・・日銀が “イールドカーブコントロール” を実施しています。 聞き覚えのある方もいるでしょう。 その為に、今回のような中長期金利差は見られません。  コレはある意味で、日本は中央銀行が “景気を調整している”、とも取れますね!?爆 海外では、中央銀行が市場経済を調整している、とも受止められています。 コレには今のところ、どの国も賛同はしていません!?苦笑  アメリカ国債の利回りは、現在の金価格にも大きく影響を与えています。 一般に国債の利回りは皆が買えば下がり、皆が売れば上がる・・・・株や金などとは異なりますね。 特にアメリカ国債は非常に流動性に富んでいますから、いつでも売り買いが出来る、という位置付けです。 そして現在アメリカ国債の利回りが下がると金は買われやすく(=金額が上がる)なり、利回りが上がると金は売られやすく(=金額が下がる)なります。 昨年金価格が暴騰しましたが、これは年初からアメリカ国債が暴落していたことも大きく関係しています。 一時0.5%を割っていて、昨年末でもまだ1%に満たない利回りだったのです。 そう考えれば、今の金利は倍以上になりますね!?苦笑  今年日本でも6千円台後半で推移していた時期は、このアメリカ国債の利回りが1.6~1.7%へ上昇していました。…

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    Vol.100 記念すべき100回ですが…                 

    Vol.100 2021.7.9. なんと、100回に到達しました!笑 かなり時間はかかりましたが!?爆 大してムキになったりもせず、義務感に駆られたわけでもなく・・・・・・何気なく、忘れないように綴ったり、自分自身に苦言?のつもりで続けてきました。  今後もマイペースで、金市場を分かり易く解説できれば、と思います。  今週末を迎えて日本株は下げ傾向です。 業績云々もあるかもしれませんが、海外の投資家、投機筋の日本離れが影響しているようです。 海外のメディアからは、オリンピックの強行開催?や未だ進まぬワクチン接種、そして効果の期待できない?オリンピックに合せた? 東京の緊急事態宣言!?・・・・・ 欧米に比べ日本の一人負けという、良い印象は与えていないようです。  そんな中でも7月に入り111円台半ばで推移していたドル/円相場も、109円台後半まで円高が進んでいます。 先週金曜に比べ、2円近く円高に動いています。 コレは今のドル建て価格帯であれば、海外相場が同じとしても、日本の小売価格(税込)で比較すると110円以上の差が出ます。 今週だけでも、月曜日からの5日間で1円50銭ほどの円高。 金価格にはかなり “抑え要因” になりますね!?苦笑  その金価格。 NY市場では、米・長期金利の指標となる10年国債の利回りが一気に1.24%台に低下しています。 コレを受けて一時金価格も上昇しました。 その後利回りが回復の兆しを見せると、週末の利益確定売りも相まって、金額を切り崩しています。 それでも$1,800台を維持しているところが、今の金を取り巻く “環境” ということでしょうか。  7月9日午後現在、米・10年国債利回りは1.33%台で推移しています。 金市場では一般的に、この基準となる金利の低下は中長期的にみて景気減速のシグナルになり得る、と見ています。 先日発表された、6月の米・ISM(非製造業景況指数)は高い数値で推移しているも、市場予想も下回り前月比でも悪化。  更に昨日米・労働省より発表された週間新規失業保険申請件数も市場予想、前月比でも悪化!? ・・・・・ 長期国債利回りの低下を加速させているようです。  米・雇用統計等、それなりの改善が見られていましたから、コロナ禍においてもアメリカ経済は回復していることは間違いないでしょう。 その回復ペースが良い意味で高止まりしているとも考えられます。 全ての分野で回復しているわけでもなく、格差が大きくなっていることも事実です。 それでもこの高止まりがしばらく続く可能性はありますが、完全にピークアウトしたようにも見えません。 金市場の見方として、回復はこの後も続くと思われるがしばらく停滞することも十分考えられる。 その為に、長期金利(10年国債の利回り)は “下げている” という判断だと思われます。  一時期停滞していた金価格は、気付けば$1,800台、日本の小売価格も税込で¥7,000台を回復しています。 昨年と異なるのは、一気に駆け上がった金額ではないこと。 覚えていますか? 昨年6月半ばから、1ヶ月で$100上昇し、次の2週間で$100、更に数日でまた$100上昇しました!?驚愕 気付けば、前人未到!?…

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    Vol.99  金準備という表現から・・・・・“無国籍通貨”の準備!?

    Vol.99 2021.6.29. 連続イベントがひと段落して、世間では四半期決算の時期ですね!?苦笑  ある記事の数値から、“金”に関して更に意を強くしました!笑  Vol.85 にて日本の保有金に関して記しました。 それをぶり返すわけではないのですが、かなりハッキリとした数値を確認しましたので・・・・・・。  先日記した内容を砕いて記すと・・・・・・日本の造幣局には、過去に購入し材料として使用、現在既に含み益が発生している“余った材料の金” がありました。 この“余った材料の金”を外為特会が時価で購入。 保有するドルにて日銀から円を買い、その円にて造幣局に支払をした・・・・・・・コレによって造幣局には“利益”が発生し、政府はその“利益”を補正予算の財源にした・・・・・・・。  更に分かり易く、政府の造幣局には“簿価”で管理された材料として余った金があり、国の為替を管理する部署が国へドルを売り、円を確保、その円を使って政府の余った金を“時価”で買取った・・・・・“簿価”で管理していた部署には利益が発生し、その利益を政府が補正予算の財源として使った、ということです。 帳簿上で移し変えただけ、というものですけどね!?苦笑 市場への影響を最小限にする為に取られた策ですが、この方法は実はIMFでも過去に取り入れられた手法でもあります。  コレによって日本国が保有する外貨準備残高における金の保有量は、765.15トン ⇒ 846.02トンへ80.87トン増えました! コレは50年ぶりの快挙!?です!苦笑 しかし国が率先して金を購入したわけではありません!?爆 ここで言葉の整理です! 分かっているようで、あやふやな理解の方も多いでしょう。 実を言えば自分もその1人。 《ブレイクタイム》 造幣局や政府という名前が挙がったので・・・・・・造幣局とは、財務省管轄の独立行政法人です。 硬貨や記念金貨の鋳造・製造、そして貴金属の検定などを行います。 日本の“お札”を作っているのは、国立印刷局。 こちらも財務省管轄・独立行政法人。 ここでは特殊技術を駆使して、“お札”の他にもパスポートや郵便切手、印紙、証券類まで携わります。 日本の“お札”の中央下の段を確認してみて下さい。 また“金準備”とは、各国政府や中央銀行が、輸入代金の決済等のために保有している“貨幣用の金”を指します。 他国に対し外貨建て債務の返済等に使用する準備資産を“外貨準備”といいます。 IMFに加入する各国は、一定比率以上の外貨等の資産を保有することを義務としています。 外貨準備には、外貨・外債の流動資産のほか、貨幣用の金、SDR(特別引出権)などがあります。 世界一の金保有国アメリカは、国家の外貨準備の77%を金で保有しています。 基軸通貨の“USドル”の国ですから、ある意味で当然と思われますが・・・・・具体的に何故???? USドルの国・アメリカは、どれだけ“ドル”持っていても外貨準備にならない為、“無国籍通貨”としての金で保有しています。 その量なんと、8,133.5トン! その単価は、当時(1971年)の簿価でUS$42.222/oz で評価されます。 それでも11兆ドル以上!? ・・・・・・ 1200兆円以上!? それも当時の簿価です!?唖然 今の金額で・・・・・・・皆さんで計算してみて下さい!爆 ちなみにこれらの金は、米・連邦準備理事会(FRB) が全ての金を保有しているのではなく、全米各地区の連邦銀行が保有しています。 世界で2番目に金を保有する国・ドイツ。 3378トンを保有しています。…

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    Vol.98   連日の “暴落” を見つめて・・・・・

    Vol.98 2021.6.19.  いきなり18日の早朝、『暴落』と呼ぶにふさわしい“下げっぷり” となりました。 昨日の下げ方にも “サプライズ” でしたが、本日は “トンデモない” 程の急落になりました!?汗 ・昨日6/17 18:00前に$1,803.40 ・同日 20:00 前に $1,795.90 ・同じく 21:30 頃に $1,778.50 ・日を跨いで6/18 午前0時過ぎに、$1,768.20 前日の通常取引後の清算値(終値)からマイナス$86.60!驚 1日の下げ幅としては、昨年11月9日の$93.70 に次ぐ下げ幅となりました。 この時はファイザー社、ビオンテック社のコロナ・ワクチンの治験成功の報による、経済の正常化期待を反映したものでした。 コロナ禍で明るい兆しが見えてきた、その様に受止められるものでした。 そのように考えると、金価格の上昇は人々にとってよろしくない状況時に高騰する!? ・・・・・・ あまりにも飛躍しすぎた発想ですが、金はやはり “リスク回避” の為のモノ、という考えが一般的だと感じた次第です。  この11月を前例として考えると、今回もしばらく “下げ” が続くのかな?とも思ったりしました。  さて???  昨日から今日にかけて、状況を整理し再考します。 6/16 の基準になる前日(6/15)の終値は、$1,856.40/oz。  翌日には$5.00ほど上がって、$1,861.40 。  日本の金価格=グラムあたり税込小売価格は、6/16に¥7,260、翌日には¥7,159。 この段階で既に、グラムあたりマイナス101円。 更に本日、¥7,001 。 この2日間で、日本では259円下がった価格になりました!  この原因はVol.97 でも記した、米・FOMC後のパウエル議長の記者会見。 市場は織り込み済みとはいえ、利上げ時期が1年前倒しになり、かつ過半数の理事が2023年に2回の利上げを予測する結果になりました!?  またテーパリング(量的金融緩和策の縮小)について議論も始める、という内容でした。 後者に関しては想定内という人、企業もあったと思いますが、前者・・・・・・2024年と公言していた利上げ時期を前倒しで2023年、更に過半数の理事がその年に2回の利上げを予測。 コレには市場が大きく動揺したようです。  市場の動揺といっても、現在はAIトレードが主力。 経済指標や要人発言など、キーワードに反応して一斉に売買を加速させます。 その結果上下動の波が大きくなり、市場では “乱高下” という混乱が生まれます。…

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    Vol.97  “考えることを考える必要も無い”・・・・・

    Vol.97 2021.6.17.  6月17日未明、金価格は大きく下落しました!? 日本時間6月17日午前3時頃、NY市場が終る時間帯に金価格は、$1861.30/oz、前日の終値からプラス$5ほどで終了しています。 しかしその約30分後に、$1837.50/oz 。 しばらく売り買い交錯が続き、午前6時前に$1810.30/oz 。 その後一時$1804.40まで下げました!?驚 なんと3時間の間に、$50以上の下落を記録しました!驚愕  いつもの口ぐせですが、価格の変動にはそれなりの理由がある・・・・・・ここまで変動すれば、誰が普通に考えても原因はありますよね!?苦笑 今回の急落の原因は、米・FOMC(6/15,16開催)後のパウエル議長の記者会見によるものと思われます・・・・・・というより、記者会見によるものです。 その記者会見の内容とは、ある程度市場も織り込んではいたものの・・・・・一番の理由は、量的金融緩和策の縮小について “話し合うことを話し合った” というモノでした。  アメリカ経済はコロナから立ち直り、想像以上に経済回復を成し遂げつつあります。 雇用環境や労働参加率など、足りないものもありますが、経済指標は概ね良好に展開しています。 そして量的金融緩和策の縮小について、前回の記者会見で2024年以降としていたものを2023年に前倒しする内容でした。 そして利上げ回数も・・・・・2023年に1回ではなく2回を予測する理事が13人/18人!?驚  市場にとって意外というか、サプライズとして受止められたことは、FOMC参加者の大半が前回の2024年ではなく、2023年に利上げ開始を予測していること。  更に2023年に2回の利上げを予測する参加者が多いこと・・・・・・この2点が “売り” を加速させたと最大の “原因” と思われます。 コレによって先ほど記したように、30分で$24以上、NY市場終値の3時間後には$50以上の下落をしたのです。  FOMC後の記者会見でパウエル議長の声明の中には、日本を例にとり『インフレ期待』に関して短期要因ではなく長期動向の重要性を強調しています。 また今尚、“インフレは一過性”という見解は以前と変わりない・・・・と。 この点では生意気なようですが、自分も共感しています!?苦笑  この件を既に織り込み済みのファンドは、先週末より“売り” を強めていました。 この金市場、金業界は動きが早いのです!? そのパウエル議長、緩和策の縮小など “考えることを考えたことも無い” と発言していたものが、縮小について “話し合うことを話し合う” と声明にて表現したのです ・・・・・・ 量的金融緩和策について大きく舵を切った、と市場関係者には受止められたようです。 またアメリカの経済状況が想像以上に改善すれば、9月のFOMCにてテーパリング(金融緩和策の縮小)を発表し、年末にも実行・・・・・・と語る先生方もいます。 中には、FRBが敗北宣言した、などという方もいたようで・・・・・・それはチョッと違う、と思いますが!? 様々な考えが交錯もしているようです!?笑  まぁコレだけ一気に下がると言うもの、AIトレードのなせる業、ということになりますね!?苦笑 人間の感情を一切反映しない、迷い無し、といえば聞こえは良いですが、皆ほぼ同じように動きますから値動きが激しくなります。  ここで皆さんには是非とも見方を変えて下さい。 皆が無感情に一気に動くとなれば、上がるときも一気に上昇。 日本国内で現物・金インゴットバーを持っている方には、今回の件を含め、あまり振り回されないように!・・・・・と伝えたい。…

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    Vol.96 F.I.R.E.という言葉から考える金・・・・・

    Vol.96 2021.6.11. FIRE という言葉があるそうです!? Financial Independence, Retire Early ・・・・・ 投資で早期退職?リタイアしましょう!? という意味だそうです。 その説明の中には様々な数値が示されています。 その中から・・・・・・ 日本人の資産総額は・・・・・・・1948兆円!?驚愕 そのうち54% ・・・・・ 1050兆円以上が預貯金!?愕然 株式構成比は15%未満 ・・・・・ 290兆円に満たない!?唖然 この様な数字に目が釘付けになりました!?爆 以前金に限らず、様々な投資、貯蓄!?セミナーに参加していた時期がありました。 各会場でいつも感じていたのは、『こんなに“投資”に時間を費やしている人がいるのか・・・・!?』 でした。 その割には、資産総額に対し15%未満・・・・・!? この様に数字で示されると、あれだけの人達は投資をしようと考えているだけだったのかな??? 結局は銀行などに預けたままの“お金・マネー”が圧倒的に多い・・・・・・ということ。 異論はあると思いますが、この数字を見てしまうと・・・・・正直マズい!?と思うのは自分だけでしょうか? コレだけのマネーが貯められて、流通していないのですから、日本経済が滞留してしまうのも分かるような気がします。 お金・マネーはあることになっている国なのに、実際にそのお金・マネーが “流れていない” 国・・・・・経済だけでなく、社会や精神衛生上にも悪影響を与えそうな状態ですね!? お金・マネーなどは銀行や金融機関、 “大きな貯金箱” に預け続けているうちに、その紙幣価値はどんどん下がってしまいます! 今ではタンス預金とあまり変わらない、そう感じています。 アタマで分かっていても、虎の子の “お金・マネー” をそう簡単にリスクにさらせない・・・・・日本人の大半はそう考えるのでしょう。 この考えに異論はありません。 それではどうする???? そこで先々が心配だから、投資も怖いから・・・・など、結局溜め込んでしまうのであれば、間違いなく目減りしてしまう “マネー“ を溜め込まなくても安心できるモノに換えて置く。 この巨大な金融資産の一部でも社会へ放出して、日本経済が循環して、同時に放出した本人も安心して生活できる社会・・・・・・コレを推進できるモノを提案する。 本人にも、社会にも良い循環のキッカケにもなるモノ・・・・・。 その一つの方法・手段として・・・・・・ “金・ゴールド” を強く勧めしたい!と考えています。…

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    Vol.94 ベルリンの壁から・・・・・ユーロ誕生!?

    Vol.94 2021.5.31.  “1989年の出来事から・・・・” 第1弾では米ドルの広がりと共に世の中が豊かになり、その結果金・ゴールドが世界中に浸透していく過程をお話しました。 第2弾では東西ドイツを取り巻く、実際のヨーロッパの“現場”ではどの様に変わっていったか・・・・・様々な変化があった中で、ゴールドではなくマネーにスポットを当てて解説致します。 あくまで第1弾の続き、として記しています。 ご了承下さい。 第2弾  ベルリンの壁崩壊前、東ドイツは社会主義国家(共産主義国家)であり、西ドイツは資本主義国家でした。 当時の西ドイツ・コール首相は東ドイツとの統一を急ぎました。 一説にはアメリカの力も見え隠れしていたとか・・・・。  東ヨーロッパ諸国では民主化が浸透し、次々に資本主義を受入れます。 ソ連から独立する国家も出てくる中、分断されていた元々同じ国家、民族が一つになることに我々は違和感などありません。 むしろ社会主義国家として独立することを、西側は恐れたかも知れません。 それでもこの東西ドイツの統一は、各国が賛同していたわけではありません。 特に2度の大戦の記憶から、ドイツの強大化を一番懸念していた国は隣国・フランス。 西ヨーロッパの中心国として発言力も強い、他ならぬ当時の仏・ミッテラン大統領です。  東西ドイツの統一の為、西ドイツ・コール首相が取ったラスト・リゾートは・・・・・・欧州通貨統合です! そうです!この時、ユーロ案を提案しました。  ドイツの自国通貨・マルクを捨ててまでヨーロッパ諸国に理解を求め、東西ドイツ統一を勝ち取ったコール首相・・・・・・ふと、どこかの大統領(漢字の国!?爆)とは大違いだな、思う次第です!?苦笑 そして出来上がった欧州共通通貨・ユーロ。 ヨーロッパ共同体は大きく変貌しました。  その通貨統合に奔走したフランス・財務次官ジャン・クロード・トルシェ氏は、第2代ECB総裁(EC中央銀行・総裁)に就任しました。 そして同じく奔走した西ドイツ・財務省ホルスト・ケーラー氏は、IMF理事を経て東西ドイツの大統領に就任しました。 1989年11月9日のベルリンの壁の崩壊は、東西世界を人やモノを融合しただけではなく、現在のヨーロッパのあり方さえも方向付けた出来事だったのです。

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    Vol.93 1989年の出来事から ・・・・・・

    Vol.93 2021.5.31 ある資料の整理をしていたところ、2019年にまとめた “1989年の出来事” の資料が出てきました。 実はこの年世界では大きな変化が生まれた、歴史的変革の一年だったのです。 個人としても社内の本業分野から新規異業種部門の設立へ、と大きな転機となる一年でした・・・・ 現在2021年5月末、1989年のこの時期といえば、6月4日の天安門事件を取り上げるべきなのでしょうが・・・・・出てきた資料は、11月9日 “○○○○の壁”!?苦笑 天安門事件では政治色が強く、ゴールドというにはチョッと趣が異なりますので・・・・・・!?汗  以前銀座の店舗で開催していたセミナーは、毎回同じ資料で行っていたわけではありません!?笑 確かに資料作りに疲れたり、ネタ切れに焦ったり・・・・そんなことも多々ありました!?爆 またその時々、巷に溢れる“時事ネタ”・・・・・・『金・ゴールド』だけでなく『お金・マネー』の話題、国際的な時事問題にも触れてきました。 今回の内容は、『金・ゴールドのセミナー』を開催してきた会場店舗が無くなり、どこかスポットで行った資料ですが・・・・・残しておきたい、という想いでご紹介致します! 勿論アナリストの先生や大学の講義ではありませんので、難しい表現等は出来るだけ避け、わかり易くアタマを捻ります!笑 そんなこんなの中で作り出された、2019年11月9日を前にした11月某日の内容です。 まず問題です! 2019年11月9日、この日30周年を迎える世界の重要な出来事とは何でしょう?? Ans.  ベルリンの壁の崩壊          30年も経った現在、この事実を覚えていましたか? 更にこのベルリンの壁崩壊が意味することは、一体何だったのでしょう??? 今回は金・ゴールドの視点から、またお金・マネーの視点から『ベルリンの壁崩壊』という世界の分岐点を解説したいと思います。 第1弾  “ベルリンの壁の崩壊” と聞いて、殆どの日本人の方は『東西冷戦の終結』の一言で終りますね。 セミナーでの質問に対しても、もう少し表現を変えて『米ソ冷戦の終結』という方もいました。 その中で驚いたのが・・・・・・・・ソ連を知らない世代!?驚愕 の方もいました!?汗(笑えません!?爆) この1989年という時代背景も重要な意味を持っています。  それでは “ベルリンの壁” は何を分断していたのでしょうか? 東西ドイツ? アメリカとソ連? ・・・・ もっと具体的に言えば、“資本主義世界”と“社会主義世界(共産主義世界)”です。 ソ連だけでなく、東西のドイツという言葉で既に混乱している方もいますが、ここは名前だけでも理解して下さい!?汗  当時、資本主義世界の代表といえばアメリカ合衆国。 そして(西)ヨーロッパ各国、西ドイツ、日本などが挙げられます。 対して社会主義世界といわれた国々の代表的国家は、ソビエト連邦。 そして東ドイツをはじめとする東ヨーロッパ諸国、キューバ、今ほど目立たなかった中国。 あまり知られていないところで、インドも社会主義国家です。  ベルリンの壁の崩壊は、東ヨーロッパ諸国が西側諸国との交流を促しました。 元々陸続きの国々ですから、交流の流れは速く大きく強いモノとなりました。 東ヨーロッパ諸国だけでなく世界へ民主化の波が押し寄せ、資本主義を受け入れ・・・・・・経済が大きく変化したのです。 更に世界中で人とモノが行き来を繰り返し、世界全体が、世界経済が一つになった出来事が・・・・ベルリンの壁の崩壊だったのです。…