Vol.111≪金の需給データ・2021≫
Vol.111≪ 金の需給データ・2021≫ 2022.1.28. ワールドゴールドカウンシルより、2021年の金・需給データが先週発表されました。 現在世界で発行される金関連のデータの殆どは、この団体から発表される数値を元に作られるといっても過言ではありません。 金に関わる世界中の方々が、このデータを基に様々なコメントを展開しています!?苦笑 ですから金の全体像を知る上で、欠かすことの出来ない数値・データとなります。 四半期毎に発表されるデータですが、今回はその年度版。 2021年の需給データです。 是非金の全体像を、世界の金の現状をつかんで下さい。 2021年 需要・供給内訳 注:四捨五入により数値の誤差が生じる場合があります Supply≫ 4,666トン 鉱山供給・ 鉱山生産 3,561トン・ 鉱山ヘッジ △44トン リサイクル供給・ ジュエリー他 1,150トン Demand≫ 4,666トン・ 装飾品(宝飾品類) 2,221トン・ 投資関連 1,007トン Bar & Coin 1,180トン ETF △173トン・ OTC & 他 645トン・ テクノロジー 330トン・ 中央銀行など 463トン また地球上で現存する金のデータも・・・・ 有史~2021年 総量 : 205,238トン ⇒ オリンピックプール4会場分(4杯分)を超えそうです!? また22メートル四方の立方体に収まる量!?になります。 その20万トンを越える金が、過去から現在どのような分野に使われてきたのか・・・・・・ 内訳 : 1.装飾品類 94,464トン 46% 2.投資関係 45,456トン 22% Bar & Coin 41,885トン ETF 3,570トン 3.中央銀行 34,592トン 17% 4.その他(テクノロジーなど含) 30,726トン 15%…
Vol.110 ≪ スーパーバブル!?か地政学的リスク!?・・・・ ≫ 2022.1.24.
Vol.110 ≪ スーパーバブル!?か地政学的リスク!?・・・・ ≫ 2022.1.24. 先週の米・株式市場では、異常とも思える動きが見られました。 米国では今インフレ高騰が続き、FRB(=米中央銀行)はテーパリング(緩和策の縮小)から利上げを前提に動き始めています。 その様な中で先週、3日間連続でNY市場では引け1時間前から急落を繰り返していました。 様々な要因が挙げられているようですが、米・著名投資家や運用会社CEOなど、メディアや自社ブログで“バブルの終わりの始まり”やら“・・・・の終焉”という表現を多用していました。 中には“米国株のスーパーバブル暴落”という、かなり辛辣というか乱暴というか・・・・ソコまで警戒を促しているものまでありました。 NY市場でも米国株を避ける動きが見られ、ポートフォリオを外国株に分散することを推奨しているようです。 この場合通常欧州株に偏るのですが、なんと驚くことにアジア株、その中でも日本株を推奨するものまでありました。 更に、ヘッジとして貴金属=金・ゴールドを推奨する動きまで見受けられます。 個人的な意見ですが、“株屋さん”(=投資会社、銀行含む)が金などの貴金属を推奨することは尋常なことではないな、と考えています。 それもかなり異様な事態、と捉えるケースがあります。 一昨年のバンクオブアメリカ、ゴールドマンサックスなどの投資銀行が顧客宛レターで、金価格をそれぞれ向こう18ヶ月間に$3,000、6ヶ月間に$2,000を提示した時、驚きと同時に一種異様なものを感じたことを覚えています。 そして今回は、米・運用会社GMOの創始者による寄稿が話題に上がっています。 一説には、米ITバブルやリーマンショックなどのバブル崩壊を予測した方のようです!?驚。 益々今週のFOMC(米国版・金融政策決定会合!?) は注目に値しますね! 米国株のバブル崩壊ともなれば、利上げなどは明らかに逆効果になります!? またこれも個人的な見解になりますが、前述の“先週までの米株価の動き”については、地政学的要因も関与している・・・・・とも感じています。 特に週末の21日のNY市場では、クロージングベルの最中ダウが$50近く急落したようです!? 週末中にウクライナで新たな展開があったら・・・・などの投資家心理が働いた、と考えるのは自分だけではないように思うのですが!?苦笑 金市場を通して世界を眺めると、今の世界は地政学的リスクに満ち溢れています!?驚 前述のウクライナの米ロ緊張は、様々な市場へ影響を強めています。 単にロシアと欧州の中間に位置するウクライナの治安、ということだけではないようです。 アメリカの“覇権”にも関わるモノのようにも見えます。 ソコへ欧州との関係まで絡んでいるようなので、コレはかなり危険な状況と考えられます!?汗 またつい先日、中東でもイエメンの武装過激派がUAEに対しドローン攻撃を仕掛けました! それもアブダビの国営石油施設の直ぐそば・・・・・・・・原油価格の高騰もコレが主因とは言いませんが、一因になっていることは事実でしょう。 そしてカザフスタンの国内政情不安に、ロシア軍を中心とした治安部隊の派兵もありました。 こちらは前大統領への疑惑から、現政権への不満も含まれているようです。 更に相変わらずですが、南アフリカの政情不安もプラチナ価格の高騰の一因になっています。 こちらも前大統領の不正疑惑に、支持派と反対派がまるで映画の様に市中で激突しているそうです!? その為に1800名もの警官が動員されたようです。 南アの治安の悪さはあらゆる面で報道をされていますが、それぞれが終息の目処は全く立っていません!? 日本にいると北朝鮮のミサイル問題とオミクロン株だけがクローズアップされますが・・・・・・・世界はそれだけではないのです!? “もしかしたら中東や東欧で米ロの緊張が激化する間に、中国が台湾海峡を軍事支配する”・・・・・アメリカの注目がアジアから離れた隙に、中国が動き出すなどとコメントする方まで出てきていますが・・・・・!?唖然 単に市場を眺めて、価格が “上がった下がった” だけでは何も見えてきません!?唖然 今世界のあらゆる場所で一触即発の危機に瀕している、と考えなければいけませんね!?涙…
Vol.109 ≪ プラチナパラダイス!? ・・・・・・ ≫ 2022.1.21.
Vol.109 ≪ プラチナパラダイス!? ・・・・・・ ≫ 2022.1.21. 1 月 21 日、海外でも国内でも金価格は下落、プラチナ価格は上昇しました。 金価格については、アメリカの長期金利が高止まりする中、外国為替市場ではドルがユーロに対して上昇 した影響を受けているようです。 前日までの上昇から利益の確定売りに押されましたが、それでも終値は前日比で$1 も下がっていませ ん。その原因の一つとして、ウクライナ情勢が影響しているようです。 日本にいるとヨーロッパの出来事、それも情報量の少ない東欧の出来事ですから、ピンと来ないかもしれま せん。 ロシアのウクライナ国境付近への派兵、軍事演習は欧米諸国との間で非常に緊張を高めています。 この緊張は金だけでなく、貴金属類、コモディティ全般に上昇圧力を与えているようです。 金価格は微減でしたが、下がりきらない、下値は限定的の様相となっています。 今の金価格はインフレを懸念して、という理由のほかに、米ロ間の緊張=地政学的要因も関係しているよ うに思います。 簡単ですが、今日の金価格に対する市況をサラッとまとめてみました。金と一緒に高騰している貴金属の一つ、プラチナ。昔から(自分が宝飾品を扱っていた時期=32 年前!?驚愕・・・)何故か、金と比較されるプラチナ。 知っているつもりでも、どこまで知っているのか、皆さんの中にも疑問符をお持ちの方もいると思います。 そこである程度皆さんもご存知だと思います、そのプラチナのイロハを少しだけ・・・・・ 金とプラチナ、日本では高級品の代名詞のような 2 つの金属。 似て非なるこの金属を、いつもと異なる視点で比べてみます。 ・ 金は展延性に優れていますが、プラチナは延性のみ優れています ※展性・・・圧縮する力 延性・・・引っ張る力 cf鉛・・・展性のみ優れる・ 比重 金・・・19.3・ 融点・・・溶け出す温度・ 沸点・・・沸騰する温度※木造家屋の火災・・・・1100~1200°C・ ピッカーズ硬度・・・ダイヤモンドを押し付けてへこみぐあいから硬度を測定金・・・22~50…
Vol.108 ≪ 年末年始の動向とトピックス・・・・・ ≫
Vol.108 ≪ 年末年始の動向とトピックス・・・・・ ≫ 2022.01.18. あけましておめでとうございます。 既にこの言葉は使われない、1月中旬ですが・・・・・・久々の投稿?です。 今年の金価格は、海外でも日本でも “高値安定” に近い動きが続いています。 海外金価格では1トロイオンスあたり$1800を境に上下を繰り返しながら年を越し、現在は$1800前半を行き来しています。 また国内金価格も1グラム当たり¥7200~7400台を行き来したまま年を越し、為替の影響を受けながら現在も同じようなレンジで動いています。 昨年末のパウエル議長のFOMCの声明以後、テーパリングに留まらずその後の利上げ観測まで広がりました。 年を明けパウエル議長、ブレイナード副議長の両公聴会がありました。 そしてその前後からFRB各理事の発言が相次ぎましたが・・・・・・・いかにも3月利上げに向けた“地ならし”のような、雇用の回復・インフレ対策を前面にしたコメントが紙面を踊っています。 米・中央銀行であるFRB がテーパリングからそれを加速する、更にテーパリング終了と同時に利上げを公表し、更に更にFRBの膨れ上がった資産を早期に縮小することまで語っているのです!? コレは本来であれば金には逆風であり、海外金相場は大きく値を下げても何も不思議でない状況です。 実際に米株価は値を下げる銘柄が多く、米長期金利の指標となる10年国債の利回りは一段上昇しました。 しかし金価格は、下がっては上がり、上がっては下がり・・・・$1800ドルを超えて、$1810~30間の狭い範囲を行き来している現状です。 今の金価格はアメリカの長期金利の利回りやドルの強弱に反応して上下動を繰り返していますが、下がりきらない要因として、市場には強いインフレ懸念が払拭できない現状だと考えられます。 その為このまま引き締め政策が早まったとしても、市場心理としては “インフレ” という “魔物” を感じ取っている為安全資産への逃避を常に考慮する必要がある、というモノです。 実際に以前であれば金価格は大きく下落するほど長期金利が上昇しても、数時間後にはしっかり元に戻っているー金利は上昇したままーという状態が続いています。 この状態は3月まで続くのか・・・・・今月のFOMC後の声明を注視します。 個人的にはFRBが利上げに踏み切った直後に市場が反応し、今後の金価格の方向性を示すかな、それまではどちらとも言えない動きかなと考えていますが・・・・・どうでしょう?苦笑 最近の市場は特に “先読み” で動きますから、いつもの傾向のようにFRBが利上げに踏み切る直前には方向性が決まってしまうかもしれません。 最近は非常に速いペースで、しかも大きく世の中が変わります!?苦笑 コレもAIトレードのなせる業、なのでしょう。 ここで最近のトピックスを・・・・・ 金価格が1オンス当たり$2000を超えたコロナ禍の2020年、一年間の海外金価格の平均価格が公表されました。 ロンドン現物市場価格ベースですが、$1769.59 / oz ・・・・・・ この金額、どう感じますか? 参考に2020年の海外相場、最高価格は$2067.15 / oz 、最低価格は$1474.25 / oz 。 年間で上下差が$600近くもあったのですね!?驚 これを日本円に換算すると(2020年の平均T.T.S.¥107.77 /$)、1グラム当たり¥2,078 !?驚愕 1gあたりで2000円以上も上下差があったのです。 自身で販売しておきながら、改めて驚きました!?汗 金の世界だけではないと思いますが、やはり2020年は特別一年と言えますね。 そこで更に金の価格に限定して、2020年の前後と比較しました! 2019年 (T.T.S.平均…