Vol.108 ≪ 年末年始の動向とトピックス・・・・・ ≫
Vol.108 ≪ 年末年始の動向とトピックス・・・・・ ≫
2022.01.18.
あけましておめでとうございます。
既にこの言葉は使われない、1月中旬ですが・・・・・・久々の投稿?です。
今年の金価格は、海外でも日本でも “高値安定” に近い動きが続いています。
海外金価格では1トロイオンスあたり$1800を境に上下を繰り返しながら年を越し、現在は$1800前半を行き来しています。
また国内金価格も1グラム当たり¥7200~7400台を行き来したまま年を越し、為替の影響を受けながら現在も同じようなレンジで動いています。
昨年末のパウエル議長のFOMCの声明以後、テーパリングに留まらずその後の利上げ観測まで広がりました。
年を明けパウエル議長、ブレイナード副議長の両公聴会がありました。 そしてその前後からFRB各理事の発言が相次ぎましたが・・・・・・・いかにも3月利上げに向けた“地ならし”のような、雇用の回復・インフレ対策を前面にしたコメントが紙面を踊っています。
米・中央銀行であるFRB がテーパリングからそれを加速する、更にテーパリング終了と同時に利上げを公表し、更に更にFRBの膨れ上がった資産を早期に縮小することまで語っているのです!?
コレは本来であれば金には逆風であり、海外金相場は大きく値を下げても何も不思議でない状況です。
実際に米株価は値を下げる銘柄が多く、米長期金利の指標となる10年国債の利回りは一段上昇しました。
しかし金価格は、下がっては上がり、上がっては下がり・・・・$1800ドルを超えて、$1810~30間の狭い範囲を行き来している現状です。
今の金価格はアメリカの長期金利の利回りやドルの強弱に反応して上下動を繰り返していますが、下がりきらない要因として、市場には強いインフレ懸念が払拭できない現状だと考えられます。
その為このまま引き締め政策が早まったとしても、市場心理としては “インフレ” という “魔物” を感じ取っている為安全資産への逃避を常に考慮する必要がある、というモノです。
実際に以前であれば金価格は大きく下落するほど長期金利が上昇しても、数時間後にはしっかり元に戻っているー金利は上昇したままーという状態が続いています。
この状態は3月まで続くのか・・・・・今月のFOMC後の声明を注視します。
個人的にはFRBが利上げに踏み切った直後に市場が反応し、今後の金価格の方向性を示すかな、それまではどちらとも言えない動きかなと考えていますが・・・・・どうでしょう?苦笑
最近の市場は特に “先読み” で動きますから、いつもの傾向のようにFRBが利上げに踏み切る直前には方向性が決まってしまうかもしれません。 最近は非常に速いペースで、しかも大きく世の中が変わります!?苦笑
コレもAIトレードのなせる業、なのでしょう。
ここで最近のトピックスを・・・・・
金価格が1オンス当たり$2000を超えたコロナ禍の2020年、一年間の海外金価格の平均価格が公表されました。
ロンドン現物市場価格ベースですが、$1769.59 / oz ・・・・・・ この金額、どう感じますか?
参考に2020年の海外相場、最高価格は$2067.15 / oz 、最低価格は$1474.25 / oz 。
年間で上下差が$600近くもあったのですね!?驚
これを日本円に換算すると(2020年の平均T.T.S.¥107.77 /$)、1グラム当たり¥2,078 !?驚愕
1gあたりで2000円以上も上下差があったのです。
自身で販売しておきながら、改めて驚きました!?汗
金の世界だけではないと思いますが、やはり2020年は特別一年と言えますね。
そこで更に金の価格に限定して、2020年の前後と比較しました!
2019年 (T.T.S.平均 ¥110.03)
最高価格:$1546.10 最低価格:$1269.50 平均価格:$1392.10
日本 〃 : ¥5,343 日本 〃 : ¥4,521 日本 〃 : ¥4,918 (全て税抜)
2020年 (T.T.S.平均 ¥107.77)
最高価格:$2067.15 最低価格:$1474.25 平均価格:$1769.59
日本 〃 : \7,063 日本 〃 : ¥5,214 日本 〃 : ¥6,122 (全て税抜)
2021年 (T.T.S.平均 ¥110.80)
最高価格:$1943.20 最低価格:$1683.95 平均価格:$1799.58
日本 〃 : ¥6,897 日本 〃 : ¥5,930 日本 〃 : ¥6,402 (全て税抜)
日本国内での金額上下差は、2019年は税抜きで¥800弱。
コレが2020年になると、税抜きで¥1,850ほど。 倍以上ですね!?驚
2021年は全体的高かったイメージはありましたが、上下差¥900弱。
コレを高値安定!?という言葉で示すことが出来ますか?
過去3年の数字だけでも、2020年という年が特異な一年であったことが伺えます。
また特別な一年を挟みましたが、その前後を眺めても金価格はジリジリと上昇していることが分かります。
今後この年平均値の金額は、更に上昇したり、上げ幅を縮小したり、横ばいになりこともあるでしょう。
但しここまで上昇した金額が、大きく下がることは考え辛いですよね。
しかし今後一時的に価格を下げることがあるかも知れません。
それでも自分では、“一時的” としか考えていません!
何故なら“金”という金属は、“マネー” としての側面と “コモディティ=モノ” としての側面を持っています。
今後更に工業用として使用されますし、既に人間生活の中にさえ溶け込んでいます。
更に更に、金は地球上でも埋蔵量が限られているのです!
今後増えることの無い“金”が値崩れすると考える人は、“金”とは『グラムいくらモノ』という見方をしている人たちだけ、と思える自分は、考えが浅いのでしょうか?笑
勿論ある日突然、途轍も無い金の鉱脈が見つかることもあり得ます。
どちらにしても、今後金を語る上で地球に眠る金の埋蔵量についても、常にアタマの隅において置く必要がありそうです!