Vol.109 ≪ プラチナパラダイス!? ・・・・・・ ≫ 2022.1.21.
Vol.109 ≪ プラチナパラダイス!? ・・・・・・ ≫ 2022.1.21.
1 月 21 日、海外でも国内でも金価格は下落、プラチナ価格は上昇しました。 金価格については、アメリカの長期金利が高止まりする中、外国為替市場ではドルがユーロに対して上昇 した影響を受けているようです。
前日までの上昇から利益の確定売りに押されましたが、それでも終値は前日比で$1 も下がっていませ ん。
その原因の一つとして、ウクライナ情勢が影響しているようです。 日本にいるとヨーロッパの出来事、それも情報量の少ない東欧の出来事ですから、ピンと来ないかもしれま せん。
ロシアのウクライナ国境付近への派兵、軍事演習は欧米諸国との間で非常に緊張を高めています。 この緊張は金だけでなく、貴金属類、コモディティ全般に上昇圧力を与えているようです。
金価格は微減でしたが、下がりきらない、下値は限定的の様相となっています。 今の金価格はインフレを懸念して、という理由のほかに、米ロ間の緊張=地政学的要因も関係しているよ うに思います。
簡単ですが、今日の金価格に対する市況をサラッとまとめてみました。
金と一緒に高騰している貴金属の一つ、プラチナ。
昔から(自分が宝飾品を扱っていた時期=32 年前!?驚愕・・・)何故か、金と比較されるプラチナ。 知っているつもりでも、どこまで知っているのか、皆さんの中にも疑問符をお持ちの方もいると思います。 そこである程度皆さんもご存知だと思います、そのプラチナのイロハを少しだけ・・・・・
金とプラチナ、日本では高級品の代名詞のような 2 つの金属。 似て非なるこの金属を、いつもと異なる視点で比べてみます。
・ 金は展延性に優れていますが、プラチナは延性のみ優れています ※展性・・・圧縮する力 延性・・・引っ張る力 cf鉛・・・展性のみ優れる
・ 比重 金・・・19.3
・ 融点・・・溶け出す温度
・ 沸点・・・沸騰する温度
※木造家屋の火災・・・・1100~1200°C
・ ピッカーズ硬度・・・ダイヤモンドを押し付けてへこみぐあいから硬度を測定
金・・・22~50 プラチナ・・・130 ※ダイヤモンド・・・7140~15300
プラチナ・・・21.4
金・・・1062~64°C プラチナ・・・1768~69°C 金・・・2857°C プラチナ・・・3825°C
コレだけでも似て非なるモノですね!?苦笑 金が古来より加工し易かった、ということが、少しだけ分かるような気がしませんか? 火事になったら心配、と思われた方もいるでしょう。 部分的に溶けるということがあるかもしれませんが、品質が変わるわけではありません。
プラチナの特性として、
・ 医療 ・・・ ペースメーカーの電極
・ 有毒ガスの浄化 ・・・ ガソリン車の排ガス処理や産業廃棄物焼却時の有毒ガスの浄化
・ クリーンエネルギー ・・・ 燃料電池=電極触媒に使用
・ 宇宙開発 ・・・ 地球上で考えられる最高度の安全性を求める部品類に使用
など
コレだけ列記しただけでも、なかなかの優れものと思うのは自分だけでしょうか?? 金が『マネーの側面』と『コモディティ=モノ』の側面があることを、以前記しました。 プラチナには『マネー』は無いにしても、使える用途はかなりありますよね。 それも言葉は悪いですが、『安物』の用途ではないように思います。
また年間の産出量も限られています!
金の 1/10、1/15 程度の産出で、リサイクルと併せて需要を賄っています。 更に産出国は、世界でロシアと南アフリカに集中しているのです!?唖然
その様に考えると、プラチナは貴重な金属であり、先々を見据えても価格が安く感じてしまいます!?苦笑