• 金の独り言

    Vol.72 2月米・雇用統計を振り返る・・・・

    Vol.72     2021.3.9. しばらくぶりでPC向かい、世界の出来事を考察しています。 この間様々な環境の変化が起こりました。 米・雇用統計・・・数字上大幅な改善 米・長期金利上昇・・・・ほぼ1年ぶり以上の上昇 ⇒コレには様々な理由が!? バイデン公約・1.9兆ドル経済対策 議会通過 ・・・・・ などなど。 今日は米・雇用統計にスポットを当ててみます。 大方の経済紙上でも公表されている通り、 非農業部門就業者数 ・・・ 37万9000人増 (前月比)     失業率      ・・・ 6.2% (前月6.3%) 就業者数の市場予想は17万人ですから、労働市場、雇用状況は“改善”と見られています。 これら“表向き数値”を、更に深く検証してみます。 以前(コロナ前)であれば、非農業部門就業者数の増加目安は20万人。 この数字を上回ると、経済好調、下回ると金価格も上昇・・・・そのくらい重視された目安です。 今回の雇用統計では、この数値を大きく上回る37万9000人増・・・・本来喜ばしい数字です。  しかし今回の数値は、コロナ禍による一時解雇労働者が再雇用された、と言う意味合いが非常に強いのです。 勿論この事実そのモノが、労働市場を多少なりとも改善したことになっています。 内訳ではロックダウンの影響をモロに受けていた、娯楽・接客業が大幅な増加、小売業も4万ほどの増加となっています。 ただし労働参加率は前月より横ばいの61.4%。 このことから、“完全雇用に近づく”などという表現は、全く適切ではありません。  また失業者数はコロナ以前の1.7倍、1000万弱、長期失業者は1月から横ばいの410万人。 そして生産年齢人口の雇用者は、前年が61.1% ⇒ 今年は57.6% 雇用者数は、前年2月より950万人減少しています。 仕方なく非正規雇用となった不完全雇用者を含めた失業率は・・・・・11.1% !? ココまで来ると、決して安泰な内容ではないですね!? メディアで発表される数値は、しっかり検証した上で判断しましょう!

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    Vol.73 いきなりトピックス!?・・・・・

    Vol.73             2021.3.9.  『英金融サービス会社グリーンシル・キャピタルは英国裁判所に会社管理手続きを申請。事実上経営破綻した・・・・・』  『スイス金融大手クレディ・スイスグループが関連ファンドの新規開設や償還を停止し・・・・・』 よく経済紙にある、金融関連企業の破綻記事。 関連していた企業名なども列記し、その被害に大手が絡めばそれなりに注目を集める・・・・・・今回もそんな記事の一つと思っていました。   ただ今回は、その文脈上に『ソフトバンクグループ』と言う言葉と、大手の凍結から1週間で破綻申請が出されたこと、そして何より『売掛債権を対象にした金融を手掛け・・・・』 この文章を見た途端、最後まで読破!?し、更に色々と調べ始めました!?爆  日本の皆さんもご存知の『リーマンショック~正式には、Financial Crisis』・・・・・コレはいきなり当時の米大手銀行・リーマンブラザーズが破綻したわけではありません。 例えが良いとは思いませんが・・・・・ダムの決壊は実際に見たことはありません。 しかし水を放出するダムの放出口とは全く関係のなさそうな場所に出来た小さな“穴”であっても、圧力に耐えられず徐々に大きく広がり、そして四方に裂け、やがてダム全体の壊滅的な崩壊を招く・・・・・・その様なことがあり得る、と理解しています。  モノが壊れるとき、いきなり壊れるとすれば相当な衝撃が必要です。 ところが、何度も小さな衝撃を繰り返し、あるとき突然軽く触れただけで崩れる・・・・・・昔物販の仕事でよくお客様に言われました!? 『何もしていないのに壊れた!?』 と。苦笑 その前に色々あったはずなのですが・・・・・!?爆 この様なことは“モノ”だけの出来事ではなく、金融の世界にも前例があります。  皆さんもご存知の“Financial Crisis” が明るみになる前年、やはりサブプライムローンが原因で銀行破綻がありました。 その反動?がジワジワと広がり、大手金融機関を蝕み、やがて取り返しのつかない状況を引き起こしたのです。  今回のグリーンシル破綻問題。 原因となる詳細がまだハッキリしていません。 グリーンシル独自の問題なのか、SCF市場の問題なのか、その背景は?? 市場に与えるインパクトや思わぬ余波など、過去の経験則など当てにならないとは思いますが・・・・対処の準備は、市場関係者だけでなく一般の投資家まで、十分に可能だと思います。 しかし既に、『なるべくしてなった(破綻した)』 と言う意見や勿論リーマンショックを想起させるコメント、更には金融業界の“闇”の部分~マドフ事件まで飛び出す始末です!?苦笑  しばらくは金価格と米・長期金利(10年国債利回り)とのニラメッコ、そしてドルの動向と共に、この問題も注視していきたいと思います! ※各注釈は省略しました。解明時にまた注釈を加えます。