金の独り言

Vol.133 « 昨年暮れの為替介入に関して・・・・・・・ ≫ 2023.2.9.

Vol.133 « 昨年暮れの為替介入に関して・・・・・・・ ≫ 2023.2.9.


昨今のインフレ=価格高騰は、ガス料金、電気料金、食品価格 ・・・・ 我々の生活に直結しています。 インフレの原因としては、ウクライナ戦争やアメリカの利上げ、ロシアへの経済制裁 ・・・・・ 世界情勢が大きく関与していることは、 皆さんもご存じだと思います。

ココではエネルギー問題などを記するのではなく、世界情勢が日本に影響を及ぼす要因、直接日本に大きな影響を与える主因と なる “為替=円安・円高” について、先日公表されました数値をご報告します。


まず基本的なことですが、 “円安” “円高” という表現は、US ドルに対してどのような状態なのかを表します。
ドルが強くなる ・・・・ 1ドル 120 円から1ドル 130 円になるような場合、“円安” と言います。
逆にドルが弱くなる ・・・・ 1ドル 130 円から1ドル 120 円になった、という場合は “円高” と表現します。 自分は詳しく理解していない ・・・ など、あまり気にしなくても大丈夫です。 イベント会場などでお話しする場面でもよくあることですが、“自分は長く投資経験がある” とおっしゃる方が、円安・円高の話にな ると一瞬戸惑いますから ・・・・・ !?苦笑


さて財務省が発表する様々な数値の中に、2022 年 10-12 月期の為替介入実績というモノがあります。
これによると 10 月 21 日、円買いドル売り介入では 5 兆 6,202 億円が使われました!? 愕然
1 日の介入額としては過去最大になったそうです!
ご記憶にある方も多いと思いますが、当時各メディア、紙面を賑わせた “覆面介入” です。 この為替介入により外国為替相場において 1 ドルあたり 152 円に近づいた日本円は、一気に、一時 144 円台まで急騰しまし た!? 驚愕


(円安から円高になったのですから “急騰” です!?苦笑)
週中から下落の続いていた海外・金相場では、前日までに1オンス当たり$1,630 台まで下げていました。
その “覆面介入” は金曜ということもあり、即、日本での金小売価格に大きな変動は生まれませんでしたが ・・・・ NY 金価格は $1,660 台にジャンプアップ!


“覆面介入” は疑心暗鬼を生み、市場をためらわせる効果があります。
1 日で 8 円近くも動くのですから “ミセス・ワタナベ” レベルでなく、相当な金額であることは噂されました。 ただしすぐに反落も見られ、介入効果に対しての疑問符も ・・・・・ 。
そして 10 月 24 日、この時は 7,296 億円が円買いドル売りに投入されました。
こちらも “覆面介入” でした。


為替相場は、149 円台から一気に 145 円台へ。
この時はタイミングが絶妙だったといわれています。 日本時間では相場が終わる寸前ということもあり、あっけにとられている?うちに幕引きという介入でした。 半日ズレる NY 市場では、1ドル 147 円台まで戻しましたが ・・・・ 。


この時の NY 金価格は、1オンス当たり$1,650 台で安定!? 、というより小刻みな上下動でした。 ちょうどこの時期の世界の出来事としては、英・トラス首相の辞任表明から新首相の予測などが相まって、欧州の混乱推測も強く

なっていた時期でした。 同じ週には、ECB(ヨーロッパ中央銀行)・0.75%の利上げ、カナダ中銀・0.50%の利上げなど、“世界総利上げ!?” が話題に なっている時期でした。
しかし ・・・・ 2 回の為替介入で、6 兆 3,499 億円!? 啞然 実際に “お札” を並べたらどのくらいになるのでしょうね!? 愕然
ココでもう一つ、おさらいのつもりで ・・・・ 。
為替介入には、大きく2種類あります。 円が必要以上に買われて “円高” になった場合の介入。 円が売られて必要以上に “円安” になった場合の介入です。 どちらもその “逆張り” で対応します。


行き過ぎた円高への介入は、“円を売ってドルを買う” 行為で市場に対抗します。
“円” が通貨の国ですから、売るモノはいくらでも “刷る” ことが出来ます!? 爆


“輸出産業” が潤うことは国益!?などと考えると ・・・・ 円高状態が続けば、逆に輸出企業が苦しみますね。 “今回の為替介入は意外と対応が早かった”、と感じる方も多いかもしれません!? 苦笑 過去にもこのような場面での為替介入は多々ありました!
しかし今回の為替介入は、“円安” 退治の介入です。


市場の逆張りは、“市場から円を買ってドルを売る” という行為です。 今回の財務省の数値を見ると、ニッポンは外国為替市場で売り浴びせられた!? “円” を買い込み、海外の銀行に預けている大 量?のドルを放出したと言われています ・・・・・ その額が日本円換算すると、1/21、10/24 で 6 兆 3,499 億円!? 驚愕 円高への対応と異なり、これを “覆面” で行ったのですから、かなりハードだったと思います。


紙面でも 20 年ぶりなど、非常にまれな対応との表現が賑わっていました。 その後市場ではしばらくの間、またいつニッポンが介入するか ・・・・ そんな噂が絶えなかったようです!? 苦笑


今回の介入にはいろいろな憶測が流れていました。
“円安” は日本の輸出企業にはプラスです。
政府としても、コロナ禍で冷え込んだ経済を復活させる意味で “歓迎” に近いモノだったかもしれません。 しかし折からのエネルギー問題などで物価は高騰、国民の政治への不満が燻り、支持率は大きく低迷 ・・・・ その結果、慌てて 対応=アクションが遅れたと受け止められたとも感じます。


また(海外の)投資家から見れば、日米(円とドル)の金利差から円を売ってドルを買う行為は、単に金利(利息)を追求した投 資 ・・・・ 市場の摂理でもあります。


ふと現在と比較してしまい ・・・・ 1 オンス当たり$1,650 台であれば、1 ドルあたり$53 程度です。 その当時、この海外金価格でも国内金小売価格は 1g あたり 8,000 円台後半(8,600~8,700 円台)だったのです!? 驚愕 以前にもお話ししましたが、国内の金・小売価格は為替の影響を大きく受けている ・・・・・ 昨年後半は、“円安で国内金価格 は高値安定だった” とも言えるかもしれません。

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