• 金の独り言

    Vol.101  長短金利差縮小!?・・・・この見出しから金との関係を考える!?

    Vol.101 2021.07.22 東京オリンピックの開会式を明日に控えた今日、昨日からのネットを眺めてある表現に目が止まりました・・・・・・・『長短金利差の縮小、景気減退の兆し!』 ふ~ん、と終らせる事もアリですし、具体的にどういうこと?と調べることもアリ、です。  この内容は、アメリカの30年国債の利回りが1.8%、アメリカ5年国債の利回りが0.7%・・・・・・その差が1.1%しかありません!?   コレは中長期的には景気が減退するシグナルです・・・・・・ということを記事にしているのですね。  『国債』というものは、国が発行する “借金のカタ” です。 上記の場合、アメリカの償還期間の長い国債を買うと30年後に1.8%の利回り=金利=利息が付きます、という意味です。 記事では、30年で1.8%、5年だと0.7%・・・・・・その差が1.1%しかない、と言っているのです。 確かに、5年の国債を6回繰り返すほうが “手取り” はお得ですね!? 30年の利回り1.8%が安いのか、5年利回り0.7%が高いのか・・・・・・詳しくは自分でも分かりませんが、どちらにしても普通じゃない!? ということは分かりますね。 普通じゃないことがまかり通る・・・・・簡単に言えば、先々景気は減退します、の合図というのです。  この種の話の中で良く出てくる用語に、“イールドカーブ” というものがあります。 このカーブのカタチ、形状で、中長期的景気の傾向、先行きを分析します。  このイールドカーブとは、年限(2,5,10,30年など)の異なる金利を線で結ぶ利回りの曲線を指します。 先行きの景気を分析する上で、通常イールドカーブは “右肩上がり” のカタチになります。 年限の長い(10,30年など)利回りが下がる=カーブの傾きが小さい=と、一般には “平坦化” と言われます。 この様な状況になると、市場は中長期的に景気減速を織り込む・・・・・・市場は先々景気が悪くなると判断する、というのです。  現在中長期金利差の縮小は、アメリカだけでなく欧州、特にドイツ・英国などにも現れています。 今後アメリカだけでなく、欧米で、あるいは世界中で景気の減退が予測される・・・・・その様に市場が捉えている、と問題視しています。 それでは日本は?? ・・・・・・・日銀が “イールドカーブコントロール” を実施しています。 聞き覚えのある方もいるでしょう。 その為に、今回のような中長期金利差は見られません。  コレはある意味で、日本は中央銀行が “景気を調整している”、とも取れますね!?爆 海外では、中央銀行が市場経済を調整している、とも受止められています。 コレには今のところ、どの国も賛同はしていません!?苦笑  アメリカ国債の利回りは、現在の金価格にも大きく影響を与えています。 一般に国債の利回りは皆が買えば下がり、皆が売れば上がる・・・・株や金などとは異なりますね。 特にアメリカ国債は非常に流動性に富んでいますから、いつでも売り買いが出来る、という位置付けです。 そして現在アメリカ国債の利回りが下がると金は買われやすく(=金額が上がる)なり、利回りが上がると金は売られやすく(=金額が下がる)なります。 昨年金価格が暴騰しましたが、これは年初からアメリカ国債が暴落していたことも大きく関係しています。 一時0.5%を割っていて、昨年末でもまだ1%に満たない利回りだったのです。 そう考えれば、今の金利は倍以上になりますね!?苦笑  今年日本でも6千円台後半で推移していた時期は、このアメリカ国債の利回りが1.6~1.7%へ上昇していました。…