• 金の独り言

    Vol.90 マスコミ記事に考える・・・・・・

    Vol.90 2021.5.19.  海外の金価格、そして国内金・小売価格が大きく上昇しました。 現在のこの価格帯になってくると、1日に1グラムあたり2~30円の上下動は“誤差の範囲“などと強がる?笑 のですが、税込価格とは言え7~80円の動きにはやはり理由を探したくなります!?苦笑  金価格は3~4月までは海外で$1,700台、国内でも税込¥6,000台後半を長らく彷徨っていましたから、今の“殻”を破ったような上昇は、またマスコミが取り上げるかなと思っていたところ・・・・・・・。  そう考えていた矢先・・・・・・・・特に、別にケチをつけるつもりはありません!?苦笑 某大手公共放送!?の金の記事には、 “金先物取引価格、6,500円超”  注:先物取引価格は税抜きです “昨年11月以来半年ぶり、今年最高値” その理由に、 “新型コロナ感染再拡大による先行き懸念から、安全資産と見られる金を買う動きが強まる・・・・” とありました。  どうでしょう? コレで良いのか?・・・・・・・100%否定をするつもりはありませんし、否定しても記事、記者の考えも何も変わらないでしょう。 ただ読者の方々が記事を鵜呑みにしてしまうと・・・・・・金が上辺だけの“メッキ”のように受止められて!?  自分としては、市場の資金が“安全資産としての金”に集まりやすくなっていること、実際に集まっていることは否定しません。 しかし集まっているといっても、離れていったモノが戻ってきた、という感覚です。 金ETFの残高は1月から大きく減少し、5月に入りやっと増加傾向になったように・・・・。 しかし今の金価格の上昇が“新型コロナ“が理由で、ということには、いくら文字数制限のある記事とはいえ・・・・・・・素直に受入れられない?あまりにも安易かな?などと感じています。  今年の1月上旬、海外(NY)相場は$1,954/g 、国内為替相場は¥102/$ でした。 そして国内税込金小売価格は¥7,125。 海外相場は今よりも$100近く高いのに、国内小売価格はほぼ同じ・・・・・・・理由は為替相場です! 当時の金価格が円高だったからと見れば、今の金価格の上昇は円安の影響が強いことはお分かりいただけますよね!?  1g あたりのドル建て価格に、102円を掛けるのか、109円を掛けるのか・・・・最後の掛け算が国内金価格の“基準”となります。 現在は当時に比べて円安であり、更に海外の金価格がここ最近(1ヶ月近く)で上昇中なのです。 では何故・・・・・?  最近のコメントでも記していますが、特に現在の金価格の動きは、アメリカの債券市場・長期金利=米・10年国債の利回りの影響大、が挙げられます。  現在1.6%台で推移というより、ここ最近は“滞留“しています。 また外国為替市場ではユーロに対しドル安が進行し、ドルで取引される金に割安感が生まれています。 しばらくはこの長期国債・利回りの上昇が、金価格の上値を抑えていました。 そしてその利回りが1.6%台で“滞留”し始めたことで、海外の金相場も上昇し始めたのです。 その間国内価格は円安によって高値でも安定していましたが、海外相場が上昇したことで、再び税込¥7,000台を復活へ・・・・・コレが今の金価格、金の市場状況といえるのではないかと考えています! “買われた”ということであれば、つい最近まで金の現物需要はアジアから中東にかけて“実需の復活”として記事にもなっていました。 現在、インドなど新型コロナの急拡大ですっかり聞かなくなりましたが・・・・・・!? 以前、米S&P500など株式市場での平均利回りが1.4~1.45%と聞いたことがあります。(もしかしたら1.5%!?) 世界一の経済大国の国債を買って、何もせずに1.6%の利回りが受けられるのであれば、皆さんどちらを選びますか?笑 記憶を呼び戻して下さい!  昨年の金価格は、過去に例を見ないほど急激な上昇を続けました。  その一因に、年前半に米・10年国債の利回りが1%を割ってしまったことがありました! 昨年の1%割れは一年を通して続き、今頃は0.7%前後だったと思います。 年後半には0.5%を割り、確か0.39%まで!?  それが今1.6%台、一時は1.7%を越えるところまで上昇したのです。 勢いよく1.6%を超えましたが、その勢いが今“滞留”しているのです。 その結果、4月下旬まで金価格は“停滞”していたと言えます。 ところがここに来て、国債利回りは1.7%を超えるどころか1.6%台で上下動を繰り返しています。 自分では、それでも1.6%台をキープ、と見ていますが・・・・・・!?  そして今、米・10年国債利回りが1.6%台で“停滞”し始めると、金価格は反転、上昇を始めたと考えています。 コレにはいろいろな要素が絡みます。  アメリカ・バイデン政権の大型財政支援 ⇒ 国民の多数は感染の危険を冒してまで職に就かない…