Vol.124≪2022年・金を取り巻く世界を回顧・・・前編 ≫
Vol.124≪ 2022年・金を取り巻く世界を回顧・・・前前編≫ 2023.1.10.
明けましておめでとうございます。
本年も宜しくお願い致します。
2022年の金を取り巻く世界は、後日歴史的に見てもトンデモな激動の1年と言っても過言ではないと思います。
金・ゴールドだけでなく、それを取り巻く環境が激変・・・・・・・自分では何年という単位で時間をかけるべき変化が、たった1年で起こったのではないかと考えています。
そのような “激動” の一年を振り返り、これからの金を取り巻く世界を考える上でお参考にしていただければ幸いです。
2020年から続いたコロナの世界も、年末には終息の思いが世界各国に見受けられました。
2021年の年末最終週の日本の小売価格は、1gあたり\7,300(税込)台後半の小動きでした。
年が明け1/4の小売価格は\7,403。
小売価格は1/7の¥7,384/g~1/24に付けた¥7,484/gの範囲で推移しました。(すべて税込)
ちなみにこの時のスプレッド(小売価格と買取価格の差)は\104でした。
海外相場も$1,810/oz台、最高値は1/20前日終値の$1,843.20/oz。
この当時コロナ禍からの回復期と感じ、各米経済指標も良好なモノが多かったように記憶しています。
何より、米・長期金利が1.6%を超えたと大騒ぎしていました(前年にはマイナス金利を記録していました⁉啞然)。
表現がイマイチですが、ココまではいつもの1月とそう大きくは変わらなかったと思う方も多かったと思います。
今となっては注目の為替相場も、\113~115台を推移していました。
2月に入るとキナ臭い世界情勢が報道され、2/24にロシアがウクライナへ侵攻します。
キナ臭いとは、ロシアのベラルーシでの共同軍事演習であったり、東部ドネツク州の親ロシア派についての報道であったり・・・・・・2014年のクリミア危機の時にもこの『親ロシア派』という言葉が躍っていたことを思い出しました。
金価格はロシアがウクライナに侵攻した2/24までの間、$1,796.4/oz(2/1)~2/18の$1,902(2/18)までほぼ一直線に上昇します!
そして世界にその侵攻が伝えられると(2/24)・・・・・翌2/25に$1,926.30まで上昇しましたが、月末には$1,887.60まで下落して終わりました。
日本での小売価格は2/28の¥7,848/g(税込)が当時に最高値です⁉苦笑
この2月の為替相場も1月と同じく比較的落ち着いていて、金市場で参考となる9:30時点の金額では\114~115台でした。
この時点でロシアのウクライナ侵攻が金価格高騰の直接の原因!?とは言い切れそうにもありません⁉
実際にはかなり影響を与えていると思うのですが、侵攻後数日後にはNY金価格は下落しています。
むしろ侵攻前、特に2週間のキナ臭い情勢から、日に日に価格を切り上げていました。
この時期のNY金価格は俗に言う “噂で買ってニュースで売る” という、格言そのままだったように思います。
余談ですが・・・・・・昨夏頃には、この『戦争』が金価格の高騰の原因であり終息すれば金が下がる、このような発言をよく耳にしました。
2月の段階では、確かにそれもアルかなと皆さん感じたことでしょう。
しかしその後の展開、その後の世界情勢が、世界中を飲み込む混乱へと発展してゆく・・・・・・・おそらく大半人たちは、そこまで考えなかったことでしょう。
3月になると海外相場はじりじりと上昇します。
3/7には日本の小売価格は1gあたり\8,109(税込)⁉ 驚愕
もちろん当時の最高値を更新です!
海外相場でも$1,966.60/ozまで上がりました。
この時の為替相場でのドル円は、\114.94/$。
この上昇は世界が不安定に感じていたことも事実ですが、一番の原因は米・FRBが “利上げ政策” に舵を切る・・・・・・今でこそ慣れ切った⁉『利上げ』ですが・・・・・・当時世界中が緩和策を続けた中で、米FRBは昨年末から政策金利の利上げをチラつかせる発言を繰り返していましたが、いよいよそれが実現する!?啞然
このインパクトは、世界中の市場関係者には強く響いたようです。
そこへロシアが欧州最大の原発への攻撃した・・・・・・・このような報道などが相交じり、3/9に$2,043.30/oz(¥115.71/$)を記録しました!
これはNY金価格=海外金価格、1gあたり、ななななんと$65.69‼!! 驚
今思えば$1が\115台で良かった・・・・・・・これがもし10月に付けた\150/$超であったら、日本の金小売価格は税込で\11,000/g前後になる計算です⁉ 愕然
しかし営業日での終値$2,000超は、この日と3/11の2日のみ。
その後FOMCでの声明では利上げを続ける方針が発表されました。
米利上げからドルが主要通貨で強くなったのもこの時期からです・・・・・・・・・。
この3月は為替の変動も大きく、1か月間で114円台~122円台と±8円という、この当時はトンデモな変動となりました⁉驚
実はこの時期、金を取り巻く世界ではヨーロッパのエネルギー問題が取り上げられていました⁉
エネルギー不足と経済の停滞、そこに利上げの三重苦という表現だったと記憶しています・・・・・・・・⁉ 愕然
またまた余談ですが・・・・・・・2022年の金価格の上昇は決して戦争は関係ない、とは言いませんし、思いません。
ただ明らかにこの上昇は世界経済の混乱が主因です。
それも過去に例がなく、コロナ禍で起きたようなスピードで変化し続ける・・・・・・・ですからウクライナ戦争は主因ではなく、戦争が終われば下落し続けるという “ニワカ・アナリスト” の言うようなこともない、とは断言はしておきますね⁉ 苦笑
そして更なる驚きの4月です⁉
この月は4/8 ¥8,520/g(税込)という前日までの日本の金小売価格(税込)最高値を更新すると、なななんと4/20迄の営業日9日間連続で最高値を更新し続けました⁉愕愕然
最高値は4/20 ¥8,969/g(税込)・・・・・・・この金額は日本の歴史上、金・小売価格の最高値です⁉驚
その日本時間4/8の前日終値は、NY金価格相場は$1,923/oz、為替相場では¥123.71/$。
途中$1,986/ozを挟んで、日本時間4/20の前日終値は$1,959.00/0zー\129.32/$。
4月は国内小売金額の上下差が590円を超え、為替相場も上下8円近くの変動がありました。
この当時、今年はこのような日々が続くなどと考えもしなかったのです⁉ 涙
そして2022年4月、私がゴールドバーを販売して14年目の4月としては過去最高の販売件数と販売重量、もちろん販売金額を記録しました⁉ 驚愕
相場が荒れたときはいつも、皆さん金に興味を強く示されるようです⁉ 苦笑
5月は終わってみれば比較的落ち着いた月でしたが、記録を紐解くと・・・・・・日本の金小売価格は税込460円超、ドル/円 為替は上下差4円、海外金価格でも1オンス当たり上下差は$103を超えていました⁉
数字の動きでは4月の “余韻” が多少残っていた5月ではありましたが、実際に金を購入する方々の動きは4月が通常の年ではなかったため?か、驚くほど静かだったといえました。
『Sell in May…….』という諺があるように、自分が金・ゴールドバーを販売して5月はいつも静かな月です。
1年のスタートを修正するには、自分にとって都合のいい月と勝手に思い込んでいます⁉ 苦笑
6月は1日から2週間で金小売価格の上下差が560円を超える上昇基調となりました(6/13 税込1gあたり¥8,968)。
その後は安定?した¥8,500(税込)台で推移しました。
ただし、ドル/円為替相場では$1‐¥128後半から¥136後半と±8円の動きがありました⁉驚
また海外金価格も6/13の前日終値に$1,875.50/ozを記録し2日後の15日には$1,813.50/ozと、1日で$60以上も下落!? 啞然
出入りに激しい日が続きました。
この時期は米・各経済指標の結果から、ピークアウトしたかに見えたインフレが再び高進する懸念が大きく報じられています。
つい先月も同じような報道が躍っていたように思いますが・・・・・⁉啞然
この6月からインフレに対する懸念、また景気減速の懸念が “蔓延” していたようです。
そしてこの2日間の数字が、海外金価格の6月の最高値と最安値だったのです⁉ 愕然
値動きの激しい夏を予感させるような、そんな前半でした・・・・・・・・。
2022年はかなり波がありましたが、実物資産の“金・ゴールドバー”を購入される方が非常に多かったように思います。
一昨年も金価格の大きな動きのある1年でした。
そして新たに金を購入をされる方が一気に増えたことを思い出しました。
2022年も大きな値動きの中、今まで購入された方も、新たに購入された方もかなり増えたと思います。
更に余談ですが・・・・
金価格が上昇を続けると、“金”を売りに来る人とが増える・・・・・・そう考える方は多いのですが、その大半は“金”を持っていない方々、買ったことのない方々、“金”に対して否定的な考えをお持ちの方々の発想です。
少なくとも自分の周り、知る限りは、そのような方が多いと感じます。
現実に我々程度の販売でも、11月末時点(8か月間)で昨年一年間(12か月間)の販売量を超えました。
以前よりお話ししています、金を“貯蓄”ととらえれば、金額よりも“保有量”が大事に思えるのですが・・・・・・・世界の中央銀行が行っていることと同じですよね⁉ 苦笑