Vol.78 いつもの、当たり前の金価格から想うこと・・・・・
Vol.78 いつもの、当たり前の金価格から想うこと・・・・・
Vol.78 2021.3.30.
今日の金価格=国内の金小売価格について、疑問に思ったことを・・・・・
その1≫
2021年3月30日の金・小売価格は、税込・1グラム当たり¥6,685です。
長ったらしい表現ですよね!?苦笑
ですから世間一般=メディアや金関連の店舗では、『今日の金価格は〇〇〇円です』・・・・コレで終ってしまうのです!?
金に長く携わっていれば何でも無いことですが、一般の方からすれば分かったようで理解しているとはあえないのではないですか?
例えば、『おじいさんから貰った純金のリングはいくらになるのか?』と言う疑問に対しては・・・・・皆さん同じ計算をしてしまうと思います。
残念ながら、この金額からは割り出せません!
私が一般のお客様とお話しする場合、あえてこの“小売価格”の意味についてお話します。
まずゴールドバーそのモノを手に取り、金額のボードを見ながらお話します。
このボードに記載されている『1グラム¥6,685』とは、金・インゴット=ゴールドバーの税込取引価格を意味します。
ですから(ゴールドバーを裏返して)今出来たばかりの刻印の無い状態のゴールドバーは、この金額での取引は出来ません。 たとえどこの有名な会社が製造したとしても、です! なぜならまだ、単なる金の材料ですから!
これは1万円札が印刷される前の紙(無地!?) の状態と同じことなのです。
金・インゴット=ゴールドバーは、登録された刻印と決められた内容が刻印されて初めて、本日の価格にて取引が出来る“モノ”になります。
またその取引では、世界中で同じ評価を与えられるものとして、LBMA(=ロンドン・ブリオン・マーケット・アソシエイション)が認めているのです。
コレを『グッド・デリバリー・バー』と呼んでいます。
このグッドデリバリーバーの日本での小売価格が、本日1グラム当たり税込¥6,685ということです。
しかしココで注意してほしいのは『1グラム当たり・・・』ということ。
¥6,685のお金を持って1gのゴールドバーは、どこへ行っても購入できません!
先ほど『刻印』が無ければ、今日の価格で取引できないと説明しました。
現在の日本では、金の重量価格に『刻印代金』を加算した金額が税込の小売価格になっています。
ですから、今日の1gあたりの小売価格に購入するバーの重量をかけて、最後に『刻印代金』を加算した金額が、本日のインゴット=ゴールドバーの購入金額になるのです。
我々の業界では当たり前のような、この流れと言うか、カラクリ?と言うか・・・・・・コレを当然かのようにサラッと流してしまう店舗の方が多すぎるので、一般の方々を一層混乱させる原因のひとつとなっています。
またこの『刻印代金』を『手数料』などと表現したり、『加工料』と表現したり・・・・・戸惑いますね!?涙
皆さんには是非この考え方、上記の内容をご理解していただきたいと思います。
そしてこの『刻印代金』=『手数料』=『加工料』は、各店舗(各系列会社)によって異なります!?
インゴット=ゴールドバーをご購入の際は、店頭でご希望のゴールドバーの『税込の購入代金』を確認してからの購入をお勧めします。
本来どこで買っても同じ価値の金・ゴールドが、同じモノでも1万円くらい価格が異なる場合があります!?
その2≫
ココからは上級編かな!?苦笑
日本国内の金・小売価格は、米・NYの金価格影響をモロに受けます。
地球儀を想像して下さい・・・・・・・日本が朝を迎え金価格は、日本の金市場で取引が始まります。
その後日本が午後になると、アジアでも取引が始まり、順に中東でも始まります。
そして日本が夕方になり取引が終ると、ヨーロッパで取引が始まります。 ヨーロッパが終わりかけたころ、ニューヨークで取引が始まります。 ニューヨーク、そしてシカゴでも取引が終ると、またオセアニア地区、日本など朝を迎え取引が始まります。
更に現在では夜間取引もありますから、24時間世界中で常に金の取引が行われているのです。
ただし取引所での取引という意味では、日本市場の直前の取引はアメリカ市場での取引なのです。
ですから、アメリカの状況、取引中やその前後のトピックスをしっかり受止めてしまいます。
我々がその日の日本の金・小売価格を予測する時、NY市場の終値、日本市場での為替=ドル円を常に考慮して計算します。
NY価格=NY市場終値をオンスからグラムを割り出し、1ドル当たりの日本円をかけます。
コレで税抜・金価格が出ます。 更にその価格に消費税をかけると、概算の金小売価格を割り出せます。
その価格を元に、今日の金価格は高いだの安いだのと、講釈を並べます!?爆
決して昨日よりいくら高い、安いではないのです。※ オンス=貴金属に重量単位。1オンス=31.1035g
以前まだ金関連に駆け出しだった頃、色々としつこく聞きまわったことがありました。
発表される金価格とは、金相場、為替相場から割り出された金額にゴールドバーの移動コストを加算する・・・・そうです。 まぁなんとなくですが、確かに現物の小売なので理解は出来ます。
ただしその『移動コスト』 はどう見ても、毎日一律ではないとも感じています。
昔先代の社長の言葉に、『価格決定権があれば潰れない』と言うモノがありました。
相場から割り出された金額に市場の状況、自社の在庫状況、もっと言えば自社の買取状況に応じて・・・・・サジ加減できますね!?苦笑
移動コストですから“多少“ではありますが、必要に応じて“自分達の”金額を作ることが出来ます。
決して自らに不利にならないような金額・・・・・・・。
またまた、チョッと斜に構えた表現になってしまいましたね 苦笑
そしていつもながら素直じゃないな、とも思います!?涙
実は今日はそんなことではなく、今日の金価格は思ったよりも『安い!』と感じたことなのです!
前日価格から計算して、先週・今週の『移動コスト』などを参考にすると・・・・・¥6,700前後=¥6,695~\6,710くらいかな?と思っていました。
先週からの流れでは、¥6,700をギリギリ維持すると見ていました。
過去には、今日よりも極端に『安すぎる!?』と感じた日は多々ありました。
そして今日明日は特に、ほぼ日本中の企業が年度末ですから、決算に合せて大きな売却決済があっても驚けませんよね!?爆 ・・・・・ この様な内容の詳細は、セミナーなど、記録に残らないほうが楽ですよね!?爆