金の独り言

Vol.70 ヤマが崩れて新たな展開に!? ・・・・・

2021.2.19.

2月も半ばを過ぎ、貴金属価格にも動きがでてきましたね。 

特に金価格はここ数日、日を追うごとに、という表現通りの下落を続けています。

出張明けの昨日、全国の店舗よりゴールドバーの発注が相次ぎ、今期の目標?期待していた大台を突破しました! 大きなモノから細かいモノまで、コレが日本?の実物・ゴールドバーの実状でしょうか?

金・国内税込小売価格~直近2ヶ月  20210219

上記グラフは今年の金価格推移になります。

現在(2/19)、金の税込小売価格は¥6,685/g です。

グラフの『カタチ』、気になりますね。 “ヤマ“が3つ出来て、現在下降中。 この場合どこまで下がり、どこで反転するか、自分ではこの点を気にしています。 

しかし今日は、いつもお話している“価格が下がるにも上がるにも理由がある”という点にスポットを当ててみます。

現在の国内金小売価格は1月下旬から2月にかけて席巻した“レディット”騒動とは、多少異なる展開になっています。 

金・ゴールドは株価ではなく、どちらかと言えば“ドル”、更に突き詰めれば“ドル金利”と逆相関関係にあたります。 勿論全てではありませんが、金利や配当の無い金にとってドル金利(金利の付く“ドル”)とは逆の動きをする場合が多くなります。

昨年1%を割った米長期金利(10年国債)が、今年1月より1%台に復帰。 そして2月に入ると、ジワジワと値を上げてきています。 

今月1.3%を超える水準まで上げて、現在1.2%台後半で推移しています。(2021.2.19.11:00AM)

コレは昨年0.5%前後で動いていた時期に比べ、“2倍以上の利率”ということになります!?苦笑

更に昨年は“逆イールド”現象という状態で、金価格上昇には強い“追い風”状態であったことも、連日金価格最高値更新の一因でもありました。

ココで皆さんには疑問が沸き上がる?と思います。

“金利” “逆イールド”って何?になりますよね。

前置きが長過ぎましたが!?苦笑 ・・・・ それではココから本題に!

まずココでいう“金利”とは、アメリカの国債の金利を指します。

よく比較されるのは、

2年国債 ・・・・ 短期国債

10年国債 ・・・・ 長期国債  

と分けています。

コレはアメリカに2年間お金(マネー)を貸して付く金利 ⇒ 米・短期金利(通常2年国債)

そしてアメリカに10年間お金(マネー)を貸して付く金利 ⇒ 米・長期金利(通常10年国債)

このように考えて下さい。

さてそれでは“逆イールド”とは・・・・・言葉通り、イールドカーブといわれるものが逆転することです。

それは

    2年国債金利 > 10年国債金利  状態を指します。

10年間もアメリカにお金(マネー)を貸して、2年間貸すより金利が低い!? ・・・・・ 何かヘンに感じませんか!?苦笑 

この“逆イールド”現象は、不況の前触れ、前兆とも言われ、市場が不安に駆られる状態になると言われます。ですから、金・ゴールドへ資金が流れ易くなり、金価格が上昇し易くなります。

昨年は長期金利が1%を割ったのですから、この差は縮まり更に逆転までもありました! その結果、金市場へ資金は流入し易い状態でした。

現在は

    2年国債 < 10年国債  となり、“順イールド”とも言える状態です。

ただし、この長短金利差が広がりすぎると、“良い金利”から“悪い金利” などとも言われます。 

現状では

2年国債金利 ・・・ 0.13%

10年国債金利 ・・・ 1.28% (2/19 11:00AM)

その差は1.1%強です。 どこで、どのくらいで良い・悪い金利の区別をつけるのか?? 難しいですね!?苦笑  

低金利といわれる現在、チョッとの差で善し悪し判断が変わりそうです。 勿論“決まり”もありません。

ココで注意して欲しいのですが、いつも言うようにこれは市場の方程式ではありません! 決して弁解や言い訳をするつもりもありませんし、自分では予想や予測を“ウリ”にするつもりもありません!?爆 

あくまでその様な傾向があるし、自分はその点を見ながら今後の展開、準備なども考えている、ということは確かなことです!笑 

最近の方、特に真面目に取組む方に多いのですが・・・・・・全てマニュアル通りに考え、決めてしまう方が多いのです!?苦笑 自分の知る某上場企業も例に洩れず・・・・です!?爆 決め付けることは避けてくださいね。

金価格とドル金利・・・・・逆相関関係と考えられていますが、そうならない時もあるのです。 そうならないとは、“逆イールド”状態でも金価格に変動無し、“順イールド”でも金価格が上昇無し・・・・・実際にそのような状態は多々あります。 その都度、市場とはその様なものと受止めています。

現在世界中で低金利状態、といわれています。 更に米・FRB、欧州・ECB、日本・日銀はじめ、歴史的な金融緩和を前面に打ち出しています。

特に日銀が“イールドカーブ・コントロール”という言葉を使います。 そう気付きましたか? 金利をコントロールすることです! 日銀が市場にて醸成される“金利”をコントロールするのです!?

コレが海外から日本の市場は“官製相場”といわれる所以なのかもしれません!?苦笑

 ちなみにこの“コントロール”が出来るモノは、一般に短期金利と言われています。 低金利政策といいますよね。 それを日銀は長期金利までも、と言いますが・・・・長期金利の“コントロール”は、あくまで市場にて“作られる”モノと言われます。 ソコまでしたら・・・・・正に“官製相場”ですね!?苦笑

このような知識だけでも、アナリストの先生方のお話が少しだけ・・・・理解できるようになったのではありませんか? 

最後にせっかくグラフを載せたのですから、自分なりに考える近況を・・・・・・。

以前にもお話した“ヤマ”が3つ、そのまま下げるのか、それとも反騰するのか・・・・・今のグラフからはもう少し下がるのかな?と考えています。

“ヤマ”の下限を超えてきましたから、このまま下げることも視野に入れています。 この場合、どこで止まってどこから動きを変えるのか、この点に注意しています。 金利との対比で見れば、下げきれない、その様にも見えます。

ここ数日(今週)では、日本で値を下げてアジア~ヨーロッパ時間に値を上げ、NY時間にまた下げる・・・・そして日本時間へ。 このような動きを繰り返し、徐々に値を切り下げています。

この動きを裏付ける数値として、インド・中国の金需要が挙げられます。 ともに世界の産出量のおよそ半分を、又はそれ以上の金を購入している国です。 昨年はコロナ禍により、両国とも需要が激減しました!

インドは通年で35%減、中国は28%減と言う数字が挙がっています。 その状況下、昨年10-12月期の実需数値が発表され・・・・・・

インド ・・・ 186.2トン 前年同期比4%減

中国 ・・・ 208.7トン 前年同期比±0

この数字を見る限りかなり回復、復活してきました! ​

そしてその反面、世界で金・ETFの残高は減少しています。

この数字から考えられることは、アジア時間にはインドや中国をはじめとする実物需要で値を上げ、NY時間ではファンドのポジション調整などで値を下げる。

もっと砕けて言えば、アジアで金製品やゴールドバーなどの購入により金価格は上昇して、NY時間では金ETFの代表されるペーパーゴールドが売却され金価格が下落・・・・・この様な構図が考えられます。

ただしNY市場でも大量国債の発行からインフレ懸念が拭えず、金価格は“下げきれない”、という状況を想像しています。

そしてNYで下げられた金価格は、太平洋を渡り日本へ・・・・・この様に時間軸で見ると現在の日本の金小売価格は、地球上で一番お得な金額に近い!?とも受止められますね!?爆   

日本のまだ一部の方々かも知れませんが・・・・・・・現在金・ゴールドバーをご購入の方々、シッカリ市況を見てらっしゃいます!

うちの店舗でもご注文が多いハズです!?爆

ご参考になれば幸いです!

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